風の生まれる場所

海藍のような言ノ葉の世界

空や雲や海や星や月や風との語らいを
言葉へ置き換えていけたら・・・

無痛

2008年11月11日 18時55分51秒 | エッセイ、随筆、小説
本の内容は敢えて書かない。


私の闘病はたかが四年だ。
で、あるとき、
全能感のように感覚や臭覚が鋭くなり
寝たきりとなり
天井の壁をぼんやり眺めるだけの日々を送った。

生まれると同時に設計されている。
私は主治医に尋ねる。
なにが?といった白々しさは
嘘をごまかす時の癖だ。


主治医もわかっていた。
どんなに軽い病気でも死ぬ運命と
私のように「医療の限界だ」といわれても
しぶとく生き抜ける差異は
行いではなく細胞のエネルギーに所以することを。

私はおそらく五年で闘病を明けるだろう。
ある人は酷似症状で七年とみている。

が、どんな名医に手術をほどこされても
双方の利害や目論みが一致するに過ぎない。

利害とは治せると疑わない医師、
治ると信じる患者、
目論みはそれが医療の本質であるという答えだ。


無痛。
しばらくご無沙汰した感覚だ。

無痛。
それを心まで欲していたとは…

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