rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

ビン・ラディンさんお疲れさまでした

2011-05-04 22:36:49 | 政治

私は一介の勤務医ですから、別に確たる証拠があって言っている訳ではありませんが、ビン・ラディン氏の突然の殺害発表をそのまま鵜呑みにしている純朴な人達は世界にそう多くはないだろうと思ってしまいます。 

 

ウサマ君が原因で戦争までやって沢山の犠牲者が出たのですから、死体の写真一枚出す位普通すると思うのですが、それは出さず特殊部隊突入時のライブを見ている大統領お歴々の写真とかを無理やり演出で出してくるところなど「プロの演出家」の手法(勿論選挙も戦争公報もアメリカのプロダクションが有名ですが)という感じです。要塞のような屋敷を準備して何ヶ月か前にウサマ君(か身代わり?)に入ってもらって今回ヘリで救出。後は空母で帰還、死体は水葬ということで終了。以前911の総括(http://blog.goo.ne.jp/rakitarou/e/1422709df2ee88b62662a04058b29822?st=1)でも述べたように、ウサマ君がアメリカを敵視するに至ったのは、米軍がメッカに駐留したからというとても多くのイスラムの若者を惹きつける様な理由ではありませんでした。米軍が直接家族を殺したり、対立するイスラムの派閥が跋扈したりすることで初めて若者が自分の命をかけて戦おうという気持ちになったのです。米軍はメッカから既に撤退していて、CIAアレック部も解散してアルカーイダ安全宣言を出し、ここ数年ウサマ君の命令でテロが起きた形跡もなく公の舞台にも出ないことからすっかり忘れられた存在だったのに、ずっと重大犯罪人で注目してたぜ、と言わんばかりの不自然な死亡演出は、この後何が起きるかできっと意味が解ってくるのでしょうが、取り合えず「ビン・ラディンさんお疲れさまでした」という世界に宣言する区切りの意味合いがあったのだと解釈します。 

 

国家が行なう「戦争」には相手があり、到達目標があります。普通は「国家」が相手であり、到達目標に達した時点で戦争終了となります。軍人はその目標到達のために戦略戦術を練り、政治家は予算を立てます。そこには誰の目にも明らかな秩序と限界というものがあります。フセイン体制に対する「イラク戦」はその点明確だったのですが、その後続いている「テロとの戦争」というのはこの「戦争」の基礎概念を一切無視した目茶苦茶な無差別無限の殺戮と言えます。一昔前の「冷戦」というのが相手となる国家はあるものの、到達目標が明確でない無期限の戦争であったのがたまたまソ連崩壊という形で勝利してしまったから「戦争と名付ければどんな形でもOK」とアメリカは勘違いしてしまったのかも知れません。しかし国家が疲弊し、国債も格下げになり、さすがに「このまま無期限の戦争はまずいよ」と気付いたのかも知れません。取り合えず戦争開始のきっかけになったウサマ君を処刑したことで何とか幕引きに持ってゆこう、到達目標達成ね、と言うことにしたい、と考えられないこともありません。

 

翻って日本では震災から1ヶ月以上が経ちましたが、福島原発の周辺住民への対処を含めて一体この国の政府はどうなってしまったのかと言う思いで1杯です。初めの対応が悪くても少しずつ良くなるというのが今までの日本の政府だったのですが、悪くなる一方というのはどういう事か。各地域の現地の人達や自衛隊が頑張っているから被災者の方達が餓えて死ぬと言う事態はもう無くなりました。被害の少なかった所は東北地方でも既に通常の生活を取り戻している所も沢山あります。ここまで来れば後は「政治の出番」、いかに復興させるかの設計図を作るのは政治家の腕の見せ所であり、ここまでお膳立てが作られるのは千載一遇のチャンスであって政治家冥利に尽きる状態と言えます。東電をいかに処分して日本の今後の日本のエネルギー政策を作るかなんてこんな機会がなければ今後100年はできそうにないチャンスです。何で「俺が命がけでやる。」と言わないかなあ。やる気満々で総理大臣になったのではなかったのですか、菅さんに投票した議員さん達はそんな総理を全力で支援する心算ではなかったのですか。国会議員が手分けして避難地域や原発を視察に行ったという話しも聞かないし、民主党の有象無象の大量の議員達はこの1ヶ月何をしていたのでしょう。

 

コメント
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