rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

日本人は中庸を好む民族である(と思う)

2012-06-24 20:30:25 | 政治

日本人は感情で物事を決める民族である、とか極端から極端に動く民族であるとか言われます。確かに論理的に物事を考えて論理的に正しい結論を決定事項に選ぶことはしていないようにも見えます。戦争に敗けると鬼畜米英・八紘一宇からギブミーチョコ、絶対平和主義に変りました。最近でも原発安全神話が壊れると原発停止まで一気に進みそうな勢いでした。しかし私は「感情的で極端に走る民族」という決めつけは当たっていないように思います(むしろそれはお隣の半島系の国の人達が当てはまるように思いますが)。

 

昨年の福島原発の事故の際、悪い状態を想定した情報を出さなかった理由を民主党政府は「国民がパニックを起こすから」と言い訳していましたが、明治維新、敗戦、阪神淡路の地震、今回の津波災害、いつの時代においても国民がパニックを起こして秩序が崩壊し、収集がつかなくなった歴史はありません。今回、整然とした組織立った行動ができなかったのは政府だけで国民は極めて冷静沈着に行動し助け合いをしていました。「自分たちがどうして良いか判らなかったから」と正直に言えば、次にどうすれば良いかという反省や改善につながるものを「国民が・・」と他人のせいにして片づけたことで政府は次も同じ誤りを冒すことを我々に示した事になります。

 

国会ではいつの間にか「消費税増税」が現在の日本にとって喫緊の政治課題ということになって、日本国家の明るい未来と国民の幸福のためには増税するしかない、と与野党が合意し、数日内に法案成立へと向かっています。殆どの日本国民は消費税が5%から10%になったからといって飢え死にすることはないと考えていますし、法案成立に抗議して焼身自殺する人もいないでしょう。(但し経済的理由で自殺をする人は毎日後を絶ちませんが・・。)「国民がパニックを起こすから消費税増税はしない」と言わない所を見ると、今回は政府も日本人が冷静であることは見越しているようです。私を含む日本人の大勢は、一般会計における日本の借金がGDPの倍に達しようという事態は問題であると考えていますし、ある程度増税はやむを得ないと考えています。但し「徴税」というのは我々が汗水垂らして働いた給金を搾取する行為なのですから、取られる側としては「納得できる理由」を説明して欲しいと考えます。それは「財政再建をするにあたって、これだけの増税によってこのような資金計画が立ち、・・年で財政再建ができます」という青写真をきちんと示すことです。増税だけでは不可能ならば、国家資産や他国には存在しない特別会計も一般財源に取り込んだ上で総合的にこの形で財政再建ができます、といった具体的な計画をマスメディアなどを通してしっかりと発表すれば、多くの日本人は増税にも賛成するでしょう。「特別会計と一般会計の統合など無理です」と言われるだろうことは想像できますが、それはつきつめれば役人が自分たちに甘い行動しか取れない、と言っているに過ぎないと考えます。所詮人間の考えた「しくみ」にすぎないものは「やる気」があればどのようにでも変えることは可能なのです。

 

日経BPの小田嶋氏のコラムpiece of cakeに原発再稼働に際して、<日本人で「絶対に全ての原発を再稼働すべし」と言っている人も「絶対に一機も再稼働させてはいけない」と言っている人もごく少数であり、大多数の日本人の意見は「直ぐに全て廃止することは不可能としてもいずれは原発依存はやめるべきだ」と考えているのだから政府はこの大多数の意見に沿う決定をすれば支持されるのである>と述べている個所がありましたが、これは至言だと思います。例えば今後20年で全ての原発は廃止する、それまでの間は必要最小限の稼働を続けながら代替エネルギーの開発拡充に努める、その具体的青写真は以下の通りである・・といった具体的計画を示せば政府の支持率はかなり上がるはずです。この具体的計画が示せないのは「20年で廃止」といった明確な意思表示を責任問題を楯に否がる役人と日本人のごく一部からなる利権を持った人達が抵抗するからです。1年後どうなっているか判らない民主党政権のためにいままで「推進」の方向で来た原発を「廃止の筋書き」を作るなんて後々何といわれるか、将来の天下りで割を食うのが否な官僚としては時間稼ぎでもしてごまかしてしまいたい所でしょう。結局この一部の人間の「思い」や「決定」がいつの時代も日本全体の決定に反映されてしまうから大多数の国民の「穏当な思い」が反映されずに極端から極端に動くことになるのだと私は思います。

 

日本人はほどほどの常識的な結論を好むし、大人の対応としての妥協もできる中庸を好む国民性だと私は思います。その寛容な国民性に甘えて自分たちは一切妥協をしないのが官僚機構であり、事務仕事をサボタージュするぞと脅されると全て彼らのいいなりになってしまうのが今の民主党政権なのでしょう。感情的でもなく、極端から極端に動く結論にならないためにも、せめてマスコミだけは政府や役人の代弁をするのではなく、ネットに溢れる(政治的意見を述べるブログは少ないですが)サイレントマジョリティの意見を吸い上げてくれればと思うのですが。

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