騙す方と騙される方、どちらが倫理的に悪いかは洋の東西を問わず明らかです。しかし初回騙されるのは仕方ないとして、2度騙されるのは騙されるほうが悪いというのが、中国はじめ諸外国では常識ですが、日本においてはあまりそのような発想がありません。むしろ他人を疑ってかかるのは徳に反するという思想の方が優位であるように思います。
日本は農耕民族で狭い国土の上、移動することなく同じコミュニティで生涯過ごす事が普通であったことから、悪いことをすればほぼ永久に評判が付いてまわり「信頼を失うのは簡単だが、一度失った信頼を再び得るのは長い努力が必要である」というのが常識です。従って詐欺師や「嘘をつく奴」は生涯信用されず、コミュニティからも阻害されることが必然です。一方でノマド的(放浪、ボヘミアン的)な人生、移民社会が普通である大陸や米国では、騙してナンボ、騙されるほうが悪い、が常識であり、「信頼できるのは血族だけ、社会においては細かいことまで書面による契約で決める」事が普通です。グローバリズムというのは本来ノマド的な人や物の移動が自由に行われることが前提で、競争力があるものが勝利し繁栄する事を「良し」とする思想です。古い欧州では農耕を主体とした固定的な社会であったので人間関係も契約よりも「徒弟制度」や「ギルド」のような絆を大事にした関係を大事にしていて、伝統技術の伝承などうまく機能していたと思います。それは日本においても「弟子入り」「丁稚奉公」などの形で細かい契約によらない信頼と絆の関係が大事にされました。
世界は「グローバリズム」と「反グローバリズム」の争いになっている
Brexit、トランプ政権の誕生、ドイツにおける選挙、スイスにおける選挙、最近の世界の「国民の選択」は全て「グローバリズム」と「反グローバリズム」の選択を問う内容であることは明らかです。グローバリズム資本に支配されたマスコミは「反グローバリズム」の動きを認めることをしないので「ナショナリズム」とか「右翼の台頭」などと的外れの解説をしていますが、世界の国民はグローバリズムと反グローバリズムの戦いであることを正しく理解しているからBrexit、トランプ政権、ドイツでも反移民政党の台頭、スイスでも右派(反グローバリズム)が合わせて半数以上という結果が出てきているのです。
しかし今回の日本の選挙はどうでしょうか。一体どこの政党が反グローバリズムの真性保守政党なのでしょう。反グローバリズムに一番近い主張をしているのが共産党(本来共産主義インターナショナルは世界統一のグローバリズム)という全く理解不能な状態、TPPに反対していた本来の穏健保守である自民党守旧派はどこかに消し飛んでしまい、自民を選べば安部グローバリズム革命政権を選ぶことになってしまいます。「きぼうの党」も今までの流れを見てわかるように、民進党を解党して合流といいながら、平気で梯子をはずす「騙されるほうが悪い」を前面に出した大陸的発想の党であって、日本古来の「信頼」や「しがらみ」を大事にしない事を「主張に実行を伴って」示しています。今後日本国民(都民?)に対しても「騙される方が悪いのではございません?」と党首は平然とのたまうことでしょう。私には政治心情的に会わない候補者もいるものの常識的に考えて立憲民主党が一番「まっとう」な政党というところが悲しいところです。日本においても世界の流れに従ってグローバリズム政党と反グローバリズム政党を選ぶ選挙ができれば世界標準に追いつくと思いますが、主な争点が日本の現状にそぐわない「改憲の是非」ではなあ。今の政権与党は「保守」ではなく、極左グローバリズム革命政権(馬鹿な人間は国防や軍事力増加を訴えれば右翼・保守と考えているようですが、北朝鮮や旧ソ連は右翼ですかね?)に他なりません。何でこんな政権が支持されているのでしょう。今回の選挙「改憲革命政権」対「旧来の常識からややまともな政党」の戦いであるように見えます。これも騙される国民が悪いという大陸的発想によるのでしょうか。