rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

トランプ大統領の一般教書演説2019の感想

2019-02-12 18:24:55 | 政治

珍しくNHKBSでトランプ大統領の2019年一般教書演説の翻訳付き中継が行われたので録画して鑑賞しました。米国メディアの直後の評価は「中身がない」「陳腐」といったものだったようですが、一般国民が概ね肯定的な評価であることが報道されると「まあ良かったのでは」という評価に変わって行ったようです。

 

民主党の反トランプ運動の空虚さを浮き立たせる良く練られた内容か

 

1時間半近くに渡る演説を聞いて、私も初めに感じたのは「中身はあまりないかも」という事でした。その理由は「今までの米国の常識」や「一般論」とされるものを羅列、強調している内容が目立ったからです。曰く、米国は特別な強い国、経済は首位、自由の騎手、第二次大戦で世界、特にユダヤ人などの弱者を救った救世主、(合法的な)移民の国であり法に従う事が正義、といった内容で話題に沿った特別ゲスト達を紹介しながら話を進めて行きます。経済や失業率などで紹介される数字は公になっているもので民主党も反論はできません。結果的に今までのトランプ政権の経済政策、軍事費の増大、アメリカファーストの関税政策、イランやイスラエルに対する政策、そしてメキシコとの壁を作ろうという政策が今までの米国の常道とされるものから逸脱していないことをうまく強調した内容でした。

 

会場は演説するトランプ氏の後ろに控える下院議長のペロシ氏を筆頭に、白いジャケットに身を包んだ民主党の女性議員達の集団が非常に目立つ形で一群をなしていました。演説で賛成できない内容の時は共和党側の議員達が一斉にスタンディングオベイションをする一方で白い一群が沈黙して反対の意思表示をするのが対称的です。機嫌を取るためか、トランプ氏が「現在米国は女性の活躍が参政権を得てからかつてない程実現しています。」という一言には白い一群も立ち上がって「USA!USA!・・」のシュプレヒコールを繰り出し、トランプ氏もご満悦でした。うーん、どうもこの白い一群の作戦は、昔黒人が参政権を得た事に反対したKKKが白いマントを身につけて集団で威圧した事に重複する印象があるし、しかも集団が一斉に同じ反応というのは「制服を着たファシズム」とかぶるんですね。これってリベラルを印象づけるには逆効果だったのではないでしょうか。それぞれの女性達が自分の意見を持って自分の判断で反応していた方が「真の自由」を表現できたのではないか、と私は感じました。

 

と中で「米国は社会主義に勝利した自由主義の国であり、社会主義は認めない。」と明言して最近若い人達に人気があるサンダース議員や新しいコルテス議員など米国社会主義協会の勢いを規制する一幕もありました。合法的に移民をして国境警備隊に入り、多くの違法移民を取り締まった警備員や、違法移民のギャングと撃ち合いをして負傷をした警察官など紹介し、「違法は違法、なぜ違法を受け入れろと滅茶苦茶な事を主張するんだ。」というアピールは一般の米国民には常識的であるだけにかなり民主党には効果的なブローとなるように思いました。

 

今回の演説が注目を浴びていたのは、米国政府の一部閉鎖という事態を受けて、大統領権限による「緊急事態」を発令する可能性が取りざたされていた事があります。また当選前から公約していた「Drain the swamp」について、何か具体的な話があるか、も注目されていました。結果はどちらも空振りでしたが「私が当選していなければ、今頃朝鮮半島では戦争になっていた。」とつぶやいたのは真実の暴露だと思われます。もう忘れている人も多いですが、日本ではその戦争に間に合うように米国の圧力で集団的自衛権の法案を無理矢理通した位ですから。

 

現状では戒厳令を敷くほどではなく、演説を聞く限り国民全体、特に民主党との「協調」を何度も呼びかけることで、何とか政治を前に進めて行く道を選んだトランプ氏ですが、メディアや反トランプ陣営はまだ諦めていないようで、今までは何とか上手い方向でしのいできたけど、今後北朝鮮問題をどう処理するか、習近平、プーチン両氏との協調をどう進めて行くかで今後2年間の評価が決まるのだろうと感じました。

コメント (5)
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