rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

メディアの劣化が止まらない

2023-05-03 13:32:24 | 社会

前回メディアの堕落が止まらないという記事を挙げましたが、それに呼応するようにウクライナ情勢についてのお粗末な記事がメディアを賑わしているのを見て、余りの情けなさにこのような題にしました。

 

I.  「バフムト攻略に失敗」と言い切った東京新聞

5月3日の東京新聞の記事(もう少しまともな新聞かと思っていた)

バクムート(バフムト)が陥落しない訳でも解説しましたが、ロシア軍(ワグネル)は敢えて時間をかけて要衝バフムトを攻略し、ウクライナの3-5倍の砲爆撃を加えることで、ウクライナ側に7:1の圧倒的損失を与えて「脱軍事化」(demilitarization)の目的を達成しつつ戦争を継続してきました。それを米軍でさえ「バフムト肉引き器」と表現した事はNewsweekの記事からも明らかです。ワグネルは私設軍事会社(PMC)であり、設立者のプリゴジン氏は商売人で、ハッタリ屋としても有名です。それはイラクで有名(悪名高く)なったブラックウオーター(現アカデミ)も同様です。常に犠牲を多く宣伝し、ロシア国防省により多くの器材を要求し、揉め事を起こしてみせます。問題はそれを真に受けて嬉々として「露軍内の不和」とか「犠牲多大、敗戦必至」などと報道する西側メディアがいることです。圧倒的に犠牲が大きく、息も絶え絶えのウクライナ軍の実態を報じたくない事もあるのでしょうが、「虚報」はいけません。ロシアのPMCはワグネルだけではなく、ネフスキー、ストリームと言った会社もあります。ワグネルは強力なPMCであることは間違いなく、優先されていると考えられますが、それを見せつけるためにロシア国防省が英語でカウンターリリースしたワグネル宛の兵器供与書類というのが出ています。

ワグネルPMC宛の供給報告書    RPG−7 一日2,500発使用可能 ロシアには兵器や弾が枯渇しているという報道が嘘だと解る

それによると、3月から4月にかけて、55,000発の122mm砲弾や40,000発の152mm砲弾、182,000発のコーンフラワー82mm自動迫撃砲ランチャー弾など圧倒的な量であり、135,000発のRPG−7(写真)は、一日2,500発分に相当する量であり、いかにバクムートを責めるワグネルが強力に武装されているかが解ります。先に漏洩された機密書類でもロシア軍はウクライナ軍の数倍、砲爆撃を加えている事が明らかにされており、犠牲者数も1:6でウクライナ側が多いことも暴露されています。ロシアがバフムトで10万の死傷者であるなら、ウクライナ側は60万の死傷者となります。ウクライナ側の犠牲を報じず、ロシア側の犠牲者だけ示して「攻略失敗」とはよくぞ言ったり、です。太平洋戦争において、硫黄島や沖縄で米軍は多大な犠牲を出しましたが、「米軍硫黄島、沖縄攻略失敗」と言い張る当時の大本営発表と全く同じ。恥という概念は既にメディアにはない!という事でしょう。

 

II.  米機密情報漏洩でロシア大慌てという「選択5月号」

ここまでネジ曲がった報道をしなくても?

2023年4月6日夜からSNSなどに米軍の機密情報が暴露された問題では、今までの米英のプロパガンダ情報がほぼ否定された内容であり、ウクライナ軍の貧弱な「春期反転攻勢」の兵力まで明らかになってしまい、米国、西側が大慌てであった事は紹介した通りです。前回「雑誌選択」の内容が酷い事を紹介しましたが、5月号において、この米機密情報漏洩についての記事もかなり酷い内容でした。一応「ウクライナ政府に冷や水」となる厳しい見通しの内容、とコメントはありますが、具体的な内容は一切触れず、替わりに「プーチン大統領の健康不安とその治療にかこつけたクーデター計画が記載されていてロシアが大変慌てただろう」という内容が延々と解説されていました。「プーチンを排除したい西側」に対して、この手の撹乱情報(与太情報)は今までも山ほどカウンターリークされてきて悉く外れてきました。はったり屋のプリゴジンが「バフムトから撤退するぞ」と言ったのを真に受けて報道する阿呆と同じでどこまで「馬鹿丸出し」なのでしょう?

その次には「欧州議会の極右化」とあるので、ウクライナのネオナチを支持するEUを危惧した記事かと思ったら、欧州各国が自分達の利益を無視した中央集権的なEU方針に反対し、直接民主制に近いそれぞれの国民の声が各国議会選挙の結果に現れつつあるのを「極右化」と表現した内容。「民主主義=右傾化」、中国の様な「中央集権=リベラル」だといつ定義が変わったのでしょう?もう一度小学校から入り直して勉強し直せ、バカ共!

 

III.  追いつめられた西側の奥の手「偽旗核使用」

 

現実にはウクライナはロシアに負けつつあります。数日前にもロシアは春期攻勢のために準備中であったウクライナ軍の集積地にミサイル攻撃を行い、NATO軍の将校を含む数十名が犠牲になり、多くの兵器器材が破壊されたという報道がありました。

ミサイル攻撃で西側軍人も既に犠牲になっている。

ここで西側はこれ以上の犠牲を増やさず、ポリティコの記事が示唆する様にソフトランディングを目指して停戦交渉に進むべきなのですが、人類が滅んでも良いと考えるネオコングローバリズム勢力が第三次大戦を本当に起こす可能性がある事が心配です。具体的な方法はタッカー・カールソン氏がクビになる前にテレビで危惧を指摘した様に、ウクライナにある核を「偽旗」として使う可能性がある事です。それはCNNやその他のメディアが伝える事からも明らかです。

米国が関与するウクライナの核技術とは核兵器だとメディアで躊躇無く危惧を表明したクビ前のタッカーカールソン氏とそれを示唆するCNNの記事

シリアの化学兵器を政府側が使ったと偽旗攻撃された時と同じ手で、ウクライナ側が使用したのに「負けそうなロシアが戦術核を使用した」と白痴メディアを使って言い切り、メディアも躊躇なく尻馬にのって報道し、第三次大戦を始めかねません。今のメディアはそこまで劣化してしまっているのです。

米政府は核攻撃に備える用意をウクライナにすると伝える。

コメント (9)
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