脱炭素社会の強要、新型コロナ感染症のパンデミック、危険な遺伝子ワクチンの強要、これらを組み合わせた経済のグレートリセット、それに伴う貧富格差の増大、米国ネオコン民主党を操作して大統領選挙を偽装、ウクライナ戦争を機に世界戦争を目論むなど、道理を無視したグローバル資本主義勢力のこの数年の所業は正に「無理が通れば道理が引っ込む」状態だと考えてきましたが、これらほぼ全てが思い通りに進まなくなり、現在の世界は「無理も通らず、道理も通らず」の状況です。この1か月位で世界の情勢が大きく変化してきた様に見えます。
I. メディアのアジェンダ設定理論(Agenda-setting theory)
しかし日本のメディアを見る限り、世界が大きく変化してきている状況は解りません。前回それはメディアの巧妙な「欺瞞戦略」によると説明しましたが、「世界の変化」から目を逸らし、話題にして欲しい話題のみを世間に広げる、という「隠ぺい」と「誇張」、大きな問題を「曖昧にぼかす」という欺瞞の技法を用いたメディアの手法を「アジェンダ設定理論」と言い、メディアの恣意的な報道によって世論がどの話題、どの政策方向に形成されるか、の能力を示すものと言われます。この理論は1920年代にウオルター・リップマンによって導入され(著書「Public Opinion」、1960年代にバーナード・コーエンによって発展したとされます。この理論で大統領選挙のプロパガンダも形成され、世界の政治、歴史にも大きな影響を与えます。
リップマンの著書でも説明された通り「真実」と「ニュース」は同一ではありません。真実全体を大衆は理解できないのでメディアによる「ニュース化」によって大衆は真実の一部を切り取り、変形させ、理解したつもりになります。そこには議題設定(取捨選択)、アクセシビリティ(目立つ様に繰り返し取り上げる)、スキーマ処理(単純化、明確化)といった過程が加わり本来の真実とは大きく異なった「ニュース」を大衆は渡されることになります。そこで情報を受ける大衆側にニュースを批判し、解釈する「リテラシー」が必要になります。渡される情報を鵜吞みにするだけではメディアのアジェンダ設定による「洗脳」に陥ることになります。
II. アジェンダ設定に「無理」が多すぎて「道理」も通らなくなってきた
最近のニュースには、「強弁」で押し通すことに明らかな「無理」が生じ、結果的に「道理」も通らない、無理も道理も通らないものが多くなってきた様に感じます。以下にそれらの例をあげます。
1) 米都市各地がゾンビシティになっている件
フィラデルフィアの街中に溢れるゾンビ化した人々
民主党が強い都市に顕著と言われているのが、不法移民の増大とドラッグの蔓延、犯罪の激化(10万ドル以下の窃盗は軽犯罪)、店舗襲撃の日常化による街中の店舗消失、アマゾンの配送トラックさえ略奪される不法都市化の問題です。先日まで「移民への国境の解放」は「人権問題」としてこれらは問題化しないと強弁されていました。
2) ソドムとゴモラもかくやという山火事や洪水
マウイ島の火事も酷い様でしたが、カリフォルニア、カナダ東部などの前代未聞の規模の火災被害も悲惨でした。そしてNYが流される程の大洪水、欧州でもドイツなどで大洪水が発生しており、どうも不要な戦争を続ける事への「神の怒り」ではないかと思わせます。
3) 米補正予算でウクライナ資金が別掲に
騒動のあおりを食って下院議長が解任へ
2023年10月からの新予算は、ただでさえ借金財政が膨らむ米国家予算に対して、民主党がウクライナ支援をセットにした予算を強行して通そうとして頓挫、ウクライナ資金を別掲にすることで当座の予算が通過しました。敗北が決定的で腐敗しかないウクライナに資金援助することは「どぶに捨てる」に等しいから共和党は反対だったのですが、セットを外した事で予算が成立しました。この経緯を何故かメディアは報道しません(共和党強硬派が反対だったとだけ報道)。金がもらえないウクライナは当然戦争を続けられず、敗戦になるでしょう。
4) 不法移民数が外国人の侵略人数として最大に
社会生活が保てなくなるほど外国人が不法に襲来して住み着くなら、十分国家への侵略でしょう
国家への侵略は武力によるものに限りません。非武装でも大量の不法難民が押し寄せて社会を破壊すればそれは立派な侵略です。国境の壁を壊す、不法難民を取り締まらない、結果は外国による侵略を許す事と同じです。2022年米国とメキシコ国境で合計240万人の不法滞在者が逮捕されました。2023年度は最初の7か月で既に140万人を超える人数となっています。しかも逮捕されてもタイトル42(不法滞在者追放権)が終了して仮釈放プログラムが創設されて、不法移民が街に溢れる状態になります。これは外国からの侵略と言って良いでしょう。
5) カナダ議会ナチス称賛問題
ウクライナではカナダ議会で賞賛されたフンカ氏の記念切手が発売された由(かねてから予定されていたという証拠)
カナダ議会では第二次大戦でソ連と戦ったウクライナ兵(つまりナチ側)をゼレンスキー氏と共に英雄とスタンディングオベーションで称えるという愚挙を全国ネットで放送し、散々顰蹙を買った挙句に「これは下院議長が独断でやった事」と強弁して議長の引退で幕引きを計りました。これは無理も道理も通っていない。
6) 米民主党予備選中止へ
「民主党挑戦者のRFケネディ氏が独立候補で出馬」と予備選中止を「解らぬよう発表」するメディア
来年の大統領選挙に向けて、共和党は「トランプ一強」で予備選挙を通過しそうですが、民主党は大人気のRFKJr.が立候補しているものの、痴呆状態のバイデンでは演説会も開催できないため、ケネディを認めたくない民主党中枢は前代未聞の「予備選中止」を決めたようです。つまりバイデン不戦勝にするつもりです。ケネディ候補は仕方なく無党派から立候補する可能性を示唆しています。党内の予備選を行わないというのは、民主主義の根幹にかかわる事態と思うのですが、騒ぐメディアはなさそうです。
7) ナゴルノカラバフ降参
9月19日にわかに出現したアゼルバイジャンによるナゴルノカラバフ軍事攻撃は、アルメニア人が降伏することで終了しました。この日本人にとって、どこにあるのかさえ不明な地域紛争は、9月11日からアルメニアと米国が合同演習を行っている最中に勃発し、アゼルバイジャンにロシア軍が平和維持軍を派遣していたのに「平和維持」ができなかった結果となりました。実質停戦後の監視はロシア軍が行うようです。
8) ウクライナ戦争いよいよ末期へ
カネも大砲もないNATO諸国 100名出陣しても10人しか戻らないウクライナ兵の惨状
2014年以降ずっとドンバス地域に対して「攻撃を続け」ているウクライナは、2023年の夏季攻勢において、西側諸国で訓練され、近代兵器を供与された10個旅団で「攻撃」を続けましたが、3か月経過してもロシア軍が設置した第一防衛線の突破もかなわず、ワグネルに攻略された戦略価値のないバフムトの奪還にこだわり、既に10個旅団は使い果たした状況です。ハンガリー、ポーランド、新政権になったスロバキアはウクライナへの武器協力は拒む方向であり、米国、他のNATO諸国も兵器庫・弾薬庫はカラの状態です。米国からの資金提供もなくなると、ウクライナは降伏する以外なくなります。維新の会は停戦を主張してロシアに渡航した鈴木宗男議員を除名するという愚行に出ましたが、自民、立憲などから一人もロシアにパイプがない状態で唯一強みとなる宗男氏を除名するとは「馬鹿も尽きるところまで行った」(もともと維新などクズ政党と思っていましたが)ものだと呆れるばかりです。