マリリンの映画日記

エッセイスト瀧澤陽子の映画ブログです!新作映画からオールドムービーまで幅広く綴っております。

ハッピーフィート

2007年03月16日 | 映画
年を取ると、急に幼児化するようだ。

めちゃくちゃかわいい癒し系のものが好きになる。数年前までぬいぐるみやかわいい手帳やハンカチなどのグッズには全然興味が無かったのに、今やいい年したオバサンが凝りに凝っているのが「リラックマ」グッズの収集なのだ。

「リラックマ」のショップに一日いても飽きない。つまり、加齢とともに、その年齢と逆行するような幼児化した精神の防衛本能が働き、子供染みたかわいいものが好きになるのかもしれない。あぶねぇー!

ま、理屈は抜きにして、「リラックマ」もぶっ飛ぶくらいかわいいペンギン君たち主演の映画が「ハッピーフィート」だ。赤ちゃんを育てるのがお父さんで、お母さんは外に魚を取りに行く。ペンギンの世界は人間の世界と反対で、ウーマンリブが厳然と出来上がっている。女性が男子供を食わすなんて、カッケー!素晴らしい。

しかし、こんなかわいいペンギン君たちの食べる魚がだんだんと無くなっていく。そうです。人間たちがペンギンの食べる魚を捕獲しちゃっているからなんです。動物保護や環境問題という文明批評もこの映画はきちんとしているんです!

一杯楽しませていただいたのが歌やダンス。クイーンの「愛にすべて」、アース・ウインド・アンド・ファイアー」の「ブギーー・ワンダーランド」、フランク・シナトラの「マイウエイ」などなどとその唄いっぷり踊りっぷりは爽快、痛快、笑いと溜め息の連発だった。

さらにオープニングの卵の殻が破れて、ペンギンの赤ちゃんがちょこんと現れ「パァ、パァ」。このセリフと愛くるしい表情に微笑まない人はいないだろう。普通なら「マァ、マァ」なのだから。家庭で居場所のない肩身の狭いお父さんにも勇気と希望を与える作品でもある。

こんなかわいい映画を誰が撮ったの?なんだ、監督はあの子豚主演の「ベイブ」を撮ったジョージ・ミラーじゃない。当然だ。ミラー監督は本当にかわいいもんがなんであるかを心得ている天才だ。子供の心を忘れない心優しい監督だと、会ってもいないのに太鼓判を押した。




3月17日公開
【監督】 ジョージ・ミラー
キャスト: 【声の出演】イライジャ・ウッド、ヒュー・ジャックマン、ニコール・キッドマン、ブリタニー・マーフィー、ヒューゴ・ウィービング、ロビン・ウィリアムス、ミリアム・マーゴリーズ、レスリー・ニールセン 
【日本語吹替え版】手越祐也(NEWS)、ブラザートム他
【配給】 ワーナーブラザース