マリリンの映画日記

エッセイスト瀧澤陽子の映画ブログです!新作映画からオールドムービーまで幅広く綴っております。

「デトロイト・メタル・シティ」「おくりびと」「パコと魔法の絵本」

2008年09月17日 | 映画
早くも今年の日本映画のベスト3が揃ったような傑作が公開中だ。

『パコと魔法の絵本』

 中島哲也監督ワールドが爆裂。『下妻物語』『嫌われ松子の一生』を超える中島監督の最高傑作だ。コラージュをほどこした独特な映像、奇々怪々たる登場人物のおかしさと切なさ。これこそ喜劇の原点。喜劇の最高の調味料は哀感であるからだ。主演している役所広司と記憶が1日しかもたないパコことアヤカ・ウィルソンちゃんの心温まる交流、画面に目を釘付けにさせてしまうようなストーリーテリングに満ちた破天荒なストーリー。たまらない魅力の作品だ。

【監督】中島哲也
【出演】
役所広司
アヤカ・ウィルソン
妻夫木聡
土屋アンナ
阿部サダヲ
加瀬亮
小池栄子
劇団ひとり
山内圭哉




『おくりびと』

 納棺士という、死体を整えて最高の美しさで棺に納める仕事の存在を世の中に知らしめた。死化粧、旅の仕度を最高の演出で見送る。納棺士を演じる本木雅弘と山崎努のその技は、まさに芸術だった。人間の死の尊厳が深く心に刺さり、それでいてコミカルな要素もある滝田洋二郎郎監督の最高傑作になるだろう。

【監督】滝田洋二郎
【出演】
本木雅弘
広末涼子
余貴美子
吉行和子
笹野高史
山崎努



『デトロイト・メタル・シティ』

 松山ケンイチ大好きな娘と娘のカレシと一緒に見た。映画館にはギャルとギャルオばかり。その中で、未だに骨太メタルババーの私は一人。気弱な根岸君と、デスメタルの権化・ヨハネ・クラウザー・II世を演じ分ける松山ケンイチの巧妙な変わり身の速さにはぶっ飛んだ。「デスノート」のL役といい、松山ケンイチは素晴らしい!!!!
 ラストでアメリカからやって来たメタルゴッドが、「キッス」のボーカル・ジーン・シモンズにもぶったまげた。できれば、メタルゴッドは私の大好きなメタルの帝王、オジー・オズボーンにやってもらいたかった。
 いずれにしても、この3作品の中では一番大笑いした大爆笑メタル映画だった。
 しかし、見終えた後、娘のカレシが「なんか、くだらないんですけど…」という感想を言った時に、張り倒してやろうと思った。骨太メタラーの母を持つ娘のカレシなら、メタルゴッドネスのマリリンの趣向を読めっつーの!!!

【監督】李闘士男
【出演】
松山ケンイチ
加藤ローサ
秋山竜次
細田よしひこ
松雪泰子
鈴木一真
高橋一生
宮崎美子
大倉孝二
岡田義徳
ジーン・シモンズ