江戸東京博物館
戦国時代展-A Century of Dreams-
期間:2016年11月23日(水)~2017年01月29日(日)
前・後期拝見しました
北条早雲所用 黒漆金箔軍配
全体黒漆塗りで取柄が長い、表面の金箔が剥落しており意匠は不明。
狭山藩北条家に伝来し箱書には「早雲公御館様伝来之軍配団」とある。
唐草螺鈿鞍
鞍の作者名が据えられる位置に「氏綱(花押)」とある事から北条氏綱作とされる鞍。
戦国大名である氏綱が鞍を作るのかと疑問がある所だが、弟の北条幻庵は手先が器用で鞍作りの名人としても知られ「鞍打幻庵」と呼ばれてたそう。また父である早雲は伊勢氏の支流の出身とされているが、伊勢氏宗家は武家礼法に精通しておりその中に作鞍があったとされています。
話しはやや逸れますが、司馬遼太郎の小説「箱根の坂」は北条早雲が主人公。その登場場面で早雲は伊勢氏宗家の家伝である鞍を作る職人の様な人物として描かれている。
上杉謙信所用 短刀 銘 吉光(号 五虎退)
鎌倉時代、京の粟田口の刀工藤四郎吉光の作。
永禄二年(1559)4月上洛した謙信が正親町天皇より拝領した。上杉景勝が選んだ三十五腰の一振。
上杉謙信所用 緋羅紗陣羽織
上杉神社蔵。袖なしの陣羽織で、表地は猩々緋羅紗で裏地には牡丹・鳳凰・雲紋をあしらった緞子が使われている。上杉神社には8着もの謙信所用の陣羽織が伝わっているそう。
佐竹義重所用 黒塗紺糸威具足
前立は毛虫、脇立は黒の鳥毛の変り兜。毛虫は前にしか進めない、つまり後退しない事を表す。また義重の子である佐竹義宣の兜にも使われている。
毛利元就所用 太刀 銘 一(黒漆太刀拵付)
厳島神社蔵。鎌倉時代備前福岡の刀工一文字派の作。
附属の拵は装飾の抑えられた実用的なもので元就の性格を窺わせる。
飯尾宗祇像
江戸時代初期に描かれた室町時代の連歌師宗祇の肖像画。
宗祇は近江出身。応仁の乱など戦乱の時代に連歌黄金時代を築いた。
連歌懐紙
文明八年(1476)四月二十三日に開催された連歌会の記録。発句に宗祇の草庵「種玉庵」が詠み込まれており庵開きの会であった事が分かる。
発句は畠山政長で河内国などの守護大名であったが、従兄の畠山義就と家督争いを行い連歌会の当時も応仁の乱真っ最中であった。
北野社法楽連歌懐紙 三条西実隆筆
文明十八年(1486)四月二十五日に催された連歌会の記録。皇族・貴族が集まり菅原道真の月命日に行なわれた千句連歌であり、冒頭の百韻は後土御門天皇と三条西実隆が50句ずつを詠み実隆が執筆役を務めている。
太田道灌書状
三月十二日付、鎌倉の円覚寺黄梅院の侍真禅師宛。
陣中に居る道灌が抹茶一合を贈られた事への礼状。
戦国時代を扱う展覧会は多い。だがここまで大規模なものになるとどうだろうか?
扱う時代の長さ、地域は広くどうしても散漫な印象を受けました。
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