Renaissancejapan

哲学と宗教、財閥、国際政治、金融、科学技術、心霊現象など幅広いジャンルについて投稿しています

ロスチャイルド財閥-410 アメリカの歴史-38 ジョージタウン大学 キャロル・キグリー教授 『悲劇と希望』-7  同じような金融王朝が米国でも発展した

2025-01-26 15:47:07 | 国際政治・財閥


名門ジョージタウン大学

ジョージ・ワシントンが大統領に就任した1789年に、カトリックの司教ジョン・キャロルが
あらゆる宗派に開かれたカレッジとして設立。 フランス革命の起こった同じ年の1789年。

 

 

『TRAGEDY and HOPE(絶望と希望)』(キャロル・キグリー著)の一部より引用

 

 

 

・ロスチャイルド財閥-400 アメリカの歴史-32 ジョージタウン大学 キャロル・キグリー教授 『悲劇と希望』-1
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/d660c110d7d5ef7755ffc1c0c307c3b5

・ロスチャイルド財閥-401 アメリカの歴史-33 ジョージタウン大学 キャロル・キグリー教授 『悲劇と希望』-2 愚かな『急進的右翼』 
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/ddd122e978102fde1d442a0bbf2ded77

・ロスチャイルド財閥-402 アメリカの歴史-34 ジョージタウン大学 キャロル・キグリー教授 『悲劇と希望』-3 外交問題評議会の権力と人脈 
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/9a0d94142376917b688f675c5c58ac6f

・ロスチャイルド財閥-403 アメリカの歴史-35 ジョージタウン大学 キャロル・キグリー教授 『悲劇と希望』- 4 誰が世界制覇を企てているのか 
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/d2594e672f6c8dacd3434d7b5630a9af

・ロスチャイルド財閥-407 アメリカの歴史-36 ジョージタウン大学 キャロル・キグリー教授 『悲劇と希望』-5 キャロル・キグリー博士が世界の秘密権力構造を題材にした本を書く
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/5ff1ac85975166e8a4de04a25df9532b

・ロスチャイルド財閥-409 アメリカの歴史-37 ジョージタウン大学 キャロル・キグリー教授 『悲劇と希望』-6  ロスチャイルド家(最古の銀行王朝のひとつ)
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/cf2528f115e55ee03b3e6d14ce335ac2

からの続き



 

同じような金融王朝が米国でも発展した

一八八四年から一九三三年にかけては金融資本主義全盛期であり、一方では商業銀行や保険に、他方では鉄道や重工業に進出した投資銀行家莫大な富を結集して、経済、政治、社会において存分に権力を振るうことができた。

彼らは『Society』や『400』として知られる目の眩むような豪華な上流階級の生活を享受した。

大きな自家用ヨットや自家用列車で旅行し、パームビーチ、ロングアイランド、バークシャー、ニューポート、バーハーバーにある広大な屋敷と都会の別邸の間を仰々しく行き来した。

そして要塞のようなニューヨークの別邸から集まっては、アスター夫人の値踏みするような視線にさらされながらメトロポリタン・オペラを鑑賞する。

 

一八八〇年から、一九三三年の期間に『大銀行』や『大企業』の大物が構築した金融支配構造は並外れて複雑だった。 ある事業の活動領域に別の事業が展開され、両者が半独立的に連携し、全体として二つの経済、金融権力の頂点ができあがった。

一方はニューヨークに本拠を置いて、J・P・モルガン商会が率い、他方はオハイオに本拠を置いて、ロックフェラー一族が率いた。

この二つが協力すると、たいていはそうだったが、米国の経済界をほぼ支配できたし、政界もほぼ言いなりだった。 少なくとも連邦レベルまでは。

                         (『悲劇と希望』71~72ページ)

 

 

米国における王朝の独占的金融構造

米国の売上高一〇億ドル企業の数は、一九〇九年の一社(モルガンが支配したUSスチール社)から一九三〇年には一五社に増えた。 上位二〇〇社が保有する全法人割合は割合は、一九〇九年の三二%から一九三〇年には四九%に増え、一九三九年には五七%に達した。

一九三〇年までに、この上位二〇社は、国内四万社の全資産の四九.ニ%を占めた(一六五〇億ドル中八一〇億ドル)。

 

事実、一九三〇年には、一社(モルガンが支配する米国電話電信会社)で米国二一州の全財産を凌いだ。 こうした実業家指導者の影響力はとてつもなく大きかったので、モルガンやロックフェラーグループの共同事業、あるいはモルガンの単独事業が展開されると、国内の経済体系は目茶苦茶になったがずだ。

                         (『悲劇と希望』72ページ) 

 

 

米国の金融一族が連邦準備制度の組織化を決める

二〇世紀初頭の米国経済は活況を呈していたので、主立った銀行は強い支配力の維持がしだいに難しくなるとことに気づいた。用心を重ねて秘密にしてきた彼らの支配までが、選挙のときに大きな政治問題として浮上した。

前述したように、英国の『銀行家一族』王朝は、公的政府機関の顔を持つ私的な支配組織としてイングランド銀行を設立して、金融界を独占的に牛耳っていた。

 

同じような金融支配センターがフランス、ドイツ、イタリア、スイスに誕生した。 こうしたヨーロッパの銀行家一族が、姻戚関係や買収を武器に米国の銀行王朝に進出してきたために、米国でもヨーロッパ諸国並の効力をもつ中央支配制度の確立が不可欠となった。

政府並みの仕組みをもつ制度が緊急課題となったのは、その制度を備えている同じような秘密グループによって支配権が脅かされるという現実を反映している。

 

ガブリエル・コルコ博士は次のように指摘している。 「皮肉にも歴史家の意見とは違って連邦政府が経済に干渉したのは、独占があるからではなく、独占がないからだ。  
結局、主だった実業界指導者は、混沌とした統制が欠けた経済の中では利益どころか存在自体さえ脅かされ、一切の特権が奪われるということに気づいた
」(『保守主義の勝利(The Trimph of Conservatism)』)

 



こうした『主だった実業界指導者』徒は誰か?
キグリー博士は『悲劇と希望』の中で人物を特定しており、セラノ・S・プラットは著書『ウォール街の役割』(The work of Wall Street)でキグリー博士の見解を支持している。

「ウォール街で”プライベートバンカー”といえば、国際的な事業規模を誇り、ヨーロッパでロスチャイルド家が保持しているのと同じ力を米国内で発揮している銀行を指す。

J・P・モルガン商会、ブラウンブラザーズ社といったこうした銀行は、他の都市の有力企業と提携して密接な同盟関係を築いていると思われる。 しかも、オーガスト・ベルモント社がばがらくロスチャイルド家の代理を務めているように、米国内においてそれらはヨーロッパの大会社や組織の代理を務めている」(『ウォール街の役割』)

 

二〇世紀の替わり目には、ロックフェラー家が銀行一族の王朝に加わった。 ジョン・D・ロックフェラ-がチェース銀行を、弟のウィリアムがニューヨークのナショナル・シティ銀行を買収した。ロックフェラー・チェース銀行は、その後ウォーバーグのマンハッタン銀行に吸収されてチェース・マンハッタン銀行となったが、現在世界一強力な金融連合といえる。

 

私的に支配できる連邦準備制度の設立計画は、こうした銀行一族がこぞって支持したのである。

 

 

 

連邦準備制度の最初の試みが失敗する

『悲劇と希望』に述べられているキグリー博士の言葉を吟味するために、連邦準備制度
(FRB=Federal Reserve Board
)の起源と歴史を要約しておく。

ステファン・バーミンガムは著書『私たちの群衆(Our Crowd)』の中で、連邦準備制度の採用にもっとも貢献した人物はポール・ウォーバーグであると述べている。



彼は一九〇二年にドイツから弟のフェリックスとともに米国にやってきた。彼らは一族の銀行を経営するために、フランクフルトの兄マックスのもとを離れた。

ポールはクーン・ローブ商会のニーナ・ローブと、フェリックスはジェイコブ・シフの娘フリーだ・シフと結婚した。

二人ともクーン・ローブ商会の共同経営者となり、年収五〇万ドルを手にしたポールは、米国の中央銀行制度の地ならしをするため全米を回った。

 

ウォーバーグとともに骨を折ったのは、J・P・モルガンのワシントン代表ネルソン・オールドリッチ上院議員(共和党)である。 彼の娘アビーは、ジョン・D・ロックフェラー・ジュニアと結婚した(ニューヨーク州知事ネルソン・ロックフェラーは、母方の祖父にちなんで名付けられた)。

 

オールドリッチ上院議員とポール・ウォーバーグは主だった銀行王朝の代表と秘書会合を重ね、連邦準備制度の素案を用意した。 彼らはジョージア州のモルガン所有のジキル島で会合を開いた。 ロックフェラーの代理人フランク・バンダーリップは後年、こう認めている。

 

「企業の活動内容がより詳しく公開される社会の価値についての私見とは裏腹に、私には一九一〇年ころ、どんな陰謀社よりも内密、行動していた、行動していた時期があった。 連邦準備制度の実現のために密かにジキル島に出かけるなどとは口が裂けても言えなかった」(フランク・バンダーリップ『農夫から金融家へ(Farmboy to Financier)』)


ジキル島での秘密会議にはJPモルガン社からヘンリー・P・デビソン、ロックフェラー所有のナショナル・シティ銀行総裁フランク・A・バンダーリップ、財務副長官A・ピアット・アンドリュー、モルガン系列のバンカーズ・トラスト社からベンジャミン・ストロング、もちろんポール・ウォーバーグも参加した。

 

これぞまさしく、「ウォール街をはじめとする独占権益に束縛されない」連邦中央銀行の創設構想が『バンキング・ロー・ジャーナル』や多数の民族主義的政治家によって進められていた時期と重なる。

そこで、ジキル島での目的は目的はこの要求に合致する、実際にはその逆を狙った、中央銀行を設立することだった。

 

ポールウォーバーグは、英国やヨーロッパの私有銀行をモデルにした計画を携えて参加した。 コルコ教授はこう書いている。

「会議で発表された計画は原則的にウォーバーグの素案に沿っていた。そしてウォーバーグは、実際にはバンダーリップが最終計画を起草したのに、自分が立案者であると主張した」(『保守主義の勝利』184ページ)

 

しかし、計画は頓挫した。 オールドリッチ議案として上院に提出されたものの、オールドリッチがモルガンやウォール街と癒着していたあまり、彼らの影響力に対する反感が高まりただちに廃案となった。 計画立案者たちはいったん後退して新たな戦術を練った。

 

 

 

連邦準備制度がとうとう現実化する

共和党とウォール街のつながりがあまりにも強固なので、中央銀行を設立するには民主党に権力を握らせて新しい議案を提出させる。 ウォール街の力を排除するにはそれしかなかないと大衆に訴えて支持を集めることが方針として決定された。

かのウォール街首脳部は一九一二年の大統領選にこの方針を実行しようとした。 当初はまったく支持されなかったウィリアム・ハワード・タフト大統領(オールドリッチ議案に反対した共和党員)が絶大な人気を誇り、再選は確実に見えた。

 

だが、前大統領テディ・ルーズベルト(共和党員だがタフトと対立)が反タフトを旗印に進歩党の結成を決断すると、その構図は一変した。 当時民主党はウッドロー・ウィルソンを指名しており、三つ巴の争いとなった。

突如として、中央銀行推進者にとっては絶好の機会が生まれた。 モルガンの二人の代理人フランク・マンシとジョージ・パーキンスがウォール街の資金屋人材を動員してテディ・ルーズベルトの陰で暗躍した。

 

フェルディナンド・ランドバーグはこう語っている。


「ルーズベルトが再びタフトに挑戦すると表明するや、現職大統領の敗北は明らかになった。 三つ巴の戦いを通じて、マンシとパーキンスは陰のようにルーズベルトに寄り添い、資金の提供、演説の手直し、ウォール街人脈による人海戦術、反タフトキャンペーンといった重責の一切を担った。


パーキンスとJ・P・モルガン商会が進歩党の実体
だった。 他のものはすべて添え物にすぎない。 つまり、ルーズベルトの選挙資金はタフトの頭皮を剥ごうとするモルガンの二丁の手斧によって賄われていた」(『米国の六〇名家(American's 60 Families』)。

 

その間、ウォール街はウィルソンにも支援の手をさしのべていた。 一九〇六年にさかのぼると、モルガン系列のハーパーズウィーク社長ジョージ・ハーベイはウィルソンを大統領に推したことがある。 

ロックフェラー家は民主党を支持するウォール街の他の銀行家とともに、ウィルソンへの資金調達を開始した。 フェルディナンド・ランドバーグは語る。


「ウッドロー・ウィルソンの背後に控えている金融の天才は、ロックフェラーのナショナル・シティ銀行のクリーブランド・H・ドッジ[訳注:GHQ経済顧問として戦後に日本の金融財政を指導した。 ドッチラインとして有名]だった。

当時ナショナル・シティ銀行副頭取としてドッジと肩を並べていたのはロックフェラーのJJ・オグデン・アーマーとジェームズ・スティルマンである。

 

つまり、ジョージ・F・ベーカーを除いて、議会のプジョー委員会が『金融トラスト』支配者と名指しした全員が、この銀行の人間だったということになる」(『米国の60名家』

 

 

他にウィルソンを支持した銀行一族王朝は、ジェイコブ・シフ、バーナード・バルーク、ヘンリー・モーゲンソー、トーマス・フォーチュン・ライアン、ニューヨークタイムズ社主アドフフ・オクスだった。

テディ・ルーズベルトの選挙戦を取り仕切っていたモルガン社の人間までもがウィルソンに資金を調達していた。

テディ・ルーズベルトを支えてタフトの共和党票を切り崩す一方で、ウィルソンを支援して両者を負かそうという作戦だった。 この戦略が功を奏し、ウィルソンが当選した。

 

しかし、選挙前においても、中央銀行推進者は活動拠点を立ち上げ、連邦準備制度構想を歓迎する国民的な気運を盛り上げた。 コルコ教授は語る。

 

「一九一一年春に、計画支持者が動いて、目標達成のために『健全な銀行制度の推進を求める全米市民同盟』を立ち上げた。 オールドリッチの計画を進めるウォーバーグとニューヨークの他の銀行家たちは、同盟の本拠地をシカゴに置こうとした」(『保守主義の勝利』)

 

 

ロックフェラー家がシカゴ大学に大きな影響をもっていたので、この活動拠点はシカゴ大学のJ・ローレンス・ラフリンに率いられ、彼の教え子で腹心のH・パーカー・ウィルスが必要な法律条文を書いた。 単にオーをけしゅなおしを化粧直ししたに過ぎないが。

新任の大統領に適格な顧問をつけようとして、ウィルソンの資金源たちは彼の側近に自分たちの代理人を送り込んだ。

 

この中の最重要人物『大佐(コロネル)』エドワード・マンデル・ハウスは、南部諸州で英国の利益を代表する金融家の息子として生まれ、英国で教育を受けた。

ハウスはしだいにウィルソン政権の実質的な大統領となる。

 

ウィルソン政権が推進する計画、中央銀行と所得税の累進課税の二つは、巧妙なハウスの裏工作が功を奏して採用された。

ハウスは『フィリップ・ドウルー:行政官(hilip Dru Administrator)』の著者として知られており、この書にはドウルーが「カール・マルクスの夢社会主義主義」を確立するために奮闘した様子が描かれている。

 

『ハウス大佐の真実(The Intimate Papers of Colomel House)』の著者チャールズ・シーモア教授は、ハウスが連邦準備法の『陰の守護天使』だったと断定する。

ハウスはつねにポール・ウォーバーグと連絡を絶やさなかった。 ハウスの伝記作家はさらにこう断言している。

 

「シフ家、ウォーバーグ家、カーン家、ロックフェラー家、モルガン家はハウスに絶大な信頼を寄せていた」

 

ウォール街の反対者から連邦準備法が国際銀行家のたくらみであると見破られないように、この制度に反対する煙幕が張られた。

ウィルソン政権の財務長官で女婿のウィリアム・マカドウーは自伝にこう書いている。

 

「銀行家は山火事と粘り強く闘う消防士といえよう。 連邦準備法の制定や連邦準備法の条項に一一文句をつける。彼らは口々に大衆迎合的、社会主義、中途半端、破壊的、幼稚、ひどい思いつき、実行不可能との非難に終始した」

 

しかし、マカドウーはウィルソン大統領の連邦準備制度計画にカリカリしている反対者と話し合ってみて、反対の煙幕を懐柔する手がかりをつかんだ。 

「銀行家との懇談からおもしろい結論が得られた。 彼らと議論を尽くした結果、銀行界は表面上見えるほど議案に反対していないことが次第に分かってきた」  

こうしてぶたいはが整った。 一九一三年一二月ニニ日、連邦準備法が二九八対六〇で下院を通り、四三対二五で上院を通過した。

 

 

 

しかし、誰が連邦準備制度連邦準備制度をコントロールするのか?

連邦準備制度の運営は、米国でもっとも興味深く不可解な結びつきのひとつである。 一九一三年に制定されてこのかた、業務監査の目を巧みに逃れている。 その制度は一二の『国立銀行』からなりたつが、重要なのはニューヨークのものだけだ。

ニューヨーク連邦準備銀行の運営が任されたのは国際銀行家の利益を完全に体現する人物だけである。

運営上、株式は毎年六パーセントの配当お受け取る十二の国立銀行二所有され、利益が上がると財務省二還元されることになっている。 大統領が一四年任期の連邦準備制度理事会の理事七名を任命する権限を持つが、これは体裁だけで、連邦準備制度理事会は完全に独立した意思決定機関である。

 

任期中に公然と反旗をひるがえされたジョンソン大統領がこの事実を是認した。 そして、連邦準備制度の貸出引き締め策について問われたニクソン政権のデービッド・ケネディ財務長官はこう答えた。

「それを認めるかどうか私には権限がない。 連邦準備制度の仕事だ」 (USニュース&ワールド・レポート、一九六九年五月五日)

 

したがって連邦準備制度の大がかりで秘かな活動は、キグリー博士曰く、国際銀行家の意向に沿って運営されている。 彼らは英国と米国の金融力を使って、すべての大国が

「一切の政治支配を除去した中央銀行を介在にして活動すること。 そして、国際金融に諸問題が諸問題が政府の干渉を排除した中央銀行の合意によって解決されることを求めた」                        (『悲劇と希望』326ページ)

 

そうした計画の動機付けも、米国政府を筆頭に、政府への貸付がきわめて実入りの良いビジネスであると分かれば納得がいくだろう。 現時点[訳注:1969年時点]で米国は、世界中の他国の合計よりも多額の負債がある(大半は国際銀行組織からの借金だ)。

米国の負債は今のところ三七二〇億ドルにのぼる。 毎年、米国の納税者はこの負債の利息として二〇〇億ドルを負担しなければならない。連邦予算のなかでは、三番目に大きな支出である。 

 

貸出審査や利率を決定している連邦準備制度の高官に任命された人々が、世界で一番決定的な影響力を持つ地位を占めているというのも納得がいく。

キグリー博士はこう言う。 

 

「計画の全体的規模をもっとよく知るには、次に述べる銀行家王朝の遠大な目的を理解することだ」

 

 

各国の政治体制と世界経済全体を支配下におさめることができる民間の力によって、世界的な金融管理制度を創設することに他ならない。 この制度は、頻繁な私的協議を重ねて得られる秘かな合意に基づいて世界中の中央銀行が協力し合う、といった封建的な手法を支配原則としていた。

この制度の頂点に君臨したのは、スイスのバーゼルにある国際決済銀行(BIS)であり、民間企業体である世界中の中央銀行がこの民間銀行を共同で所有し、支配していた。



イングランド銀行のモンタギュー・ノーマン、ニューヨーク連邦準備銀行のベンジャミン・ストロング、フランス銀行のチャールズ・リスト、イヒスバンクのヒャルマール・シャハトなどに牛耳られていた各国中央銀行は、財務省債権の調整、外国為替の操作、経済活動ビジネス面でのビジネス面での経済的引き換え引き換えにした協力的政治家への働きかけ、といった手段を弄して政治的支配力の強化に努めた。                       (『悲劇と希望』326ページ)

 

 

国際銀行家が当初から、米国の連邦準備制度を完全に掌握していたことは容易に例証できる。 キグリー博士は、ニューヨーク連邦準備銀行の初代総長がベンジャミン・ストロングだったことを挙げる。 ストロングはイングランド銀行のモンタギュー・ノーマンと泥墾の仲なのだ。

ストロングが要職にに就けたのは、モルガン銀行に気に入られたからである。 なかでもヘンリー・P・デビソンは一九〇四年に彼をニューヨークのバンカーズ・トラスト・カンパニー総裁に据え(トーマス・W・ラモントの後任)、一九〇七年銀行再編や破綻時にモルガンの代理人として彼を重用し、一九〇九年にはバンカーズ・トラストの副総裁に就けた(これもラモントの後任)。 

二年後、ストロングとノーマンは初対面でただちに意気投合し、両人が信奉する方針の金融活動で協力し合う約束をした。

 

最初の連邦準備制度はハウス大佐の苦心の作で、ポール・ウォーバーグがメンバーとして入っていた。

 

編集中

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(関連情報)


・ロスチャイルド財閥-400 アメリカの歴史-32 ジョージタウン大学 キャロル・キグリー教授 『悲劇と希望』-1
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/d660c110d7d5ef7755ffc1c0c307c3b5

・ロスチャイルド財閥-401 アメリカの歴史-33 ジョージタウン大学 キャロル・キグリー教授 『悲劇と希望』-2 愚かな『急進的右翼』 
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/ddd122e978102fde1d442a0bbf2ded77

・ロスチャイルド財閥-402 アメリカの歴史-34 ジョージタウン大学 キャロル・キグリー教授 『悲劇と希望』-3 外交問題評議会の権力と人脈 
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/9a0d94142376917b688f675c5c58ac6f

・ロスチャイルド財閥-403 アメリカの歴史-35 ジョージタウン大学 キャロル・キグリー教授 『悲劇と希望』- 4 誰が世界制覇を企てているのか 
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/d2594e672f6c8dacd3434d7b5630a9af

・ロスチャイルド財閥-407 アメリカの歴史-36 ジョージタウン大学 キャロル・キグリー教授 『悲劇と希望』-5 キャロル・キグリー博士が世界の秘密権力構造を題材にした本を書く
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/5ff1ac85975166e8a4de04a25df9532b

・ロスチャイルド財閥-409 アメリカの歴史-37 ジョージタウン大学 キャロル・キグリー教授 『悲劇と希望』-6  ロスチャイルド家(最古の銀行王朝のひとつ)
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/cf2528f115e55ee03b3e6d14ce335ac2

 

 

 

・ハプスブルク家、今日も世界に大きな影響力
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/51f449486c28e15e8b7e71d3a9b318ca

・アメリカ国家解体は、すでに計画されている (FACT資料付)  RJ人気記事
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/b30ce46134ef1946733cc07d57a043e4

アメリカ影の政府と言われるCFR(ロスチャイルドとロックフェラーが出資)の歴史概略  RJ人気記事
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/5e5e580efa2b7b6c5ccfc488923a4d48

・ロスチャイルド財閥-399 第二次大戦以降、ロックフェラーに騙されている日本人
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/2c6cf7129edbc6a6820fd21296783583

・ロシアに原発技術とウラニウムを渡したアメリカ RJ人気記事
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/6b80e70347fe84c8d8180f3d5bc952d9

・アメリカ影の政府と言われるCFR(ロスチャイルドとロックフェラーが出資)の歴史概略  RJ人気記事
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/5e5e580efa2b7b6c5ccfc488923a4d48

・ネオコンと新自由主義 そしてシカゴ学派
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/7a4dd1ffa9653df0dca4fd8fca723980

・アメリカ歴史のダークサイド RJ人気記事
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/110dd2daca4c080c477a856fbf96045a

・希代のペテン師トランプ (今だけ・金だけ・自分だけ、そしてペテンだけ) RJ人気記事
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/02cd2c28a4fb789a18cac5cf12cbb25c

 

 

 

 

(おまけ)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

哲学・宗教・思想 ここまでの投稿記事一覧
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/7da98797504886d8b9eaa2e5936655e6

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ロスチャイルド財閥 今まで投稿してきた記事リスト (1/4)
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/1f87a836a42cfdcf5bc18c8a5e212fe5

ロスチャイルド財閥 今まで投稿してきた記事リスト (2/4)
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/40a30f12de3651f13810a90405370238

ロスチャイルド財閥 今まで投稿してきた記事リスト (3/4)
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/47e334f8ba710639aefdcc8d7824f9fa

ロスチャイルド財閥 今まで投稿してきた記事リスト (4/4)https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/b33a59636d98b97ec0575f2d8a22bd83

ロスチャイルド財閥 今まで投稿してきた記事リスト (1/5)https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/a965d85a37a1937e6c9a6ebc0e4650b2

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

世界の財閥 ここまでの投稿記事リスト
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/14d30c37bfae00d834c78d49da070029

日本の財閥 ここまでの投稿記事リスト 
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/6958fc72746302160416dd6dad039f68

ゴールドマン・サックス ここまでの投稿記事リスト
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/0b4c5b8ba383a38e0af1df7b1a477ea3

Black Rock ここまでの投稿記事リスト
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/93ef8de49c1ff9039ce7446f1f3fb0e8

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・フリーメーソン・イルミナティ・秘密結社 ここまでのまとめ
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/d52e37f7e9a7af44f93554ed333744b3
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

・ハプスブルク家、今日も世界に大きな影響力
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/51f449486c28e15e8b7e71d3a9b318ca

・ロスチャイルド財閥-385 世界の覇者ロスチャイルド ゆっくり解説シリーズ
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/810bb6f5daf5cb7ee98a82bca6f627fe

・ロスチャイルド財閥-399 第二次大戦以降、ロックフェラーに騙されている日本人
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/2c6cf7129edbc6a6820fd21296783583

・ロスチャイルド財閥-111 国際金融財閥の序列
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/af41696ec05203f68b46d63b897e9b3d

・ロスチャイルド財閥-215 ロスチャイルド当主 ANAホテル(赤坂)プライベート会合
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/15e42c79348485224e0b9ae63ca899e4

・現在、日本の政財界で最も注目される女性 経団連副会長・野田由美子(ロスチャイルド系大手企業の会長)、日本初の女性総理?  RJ人気記事
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/11660fd16625dc0796f332f6ceb41bc9

・ヴェオリア・ジャパン 野田由美子会長メッセージ
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/642a48f5e05a140d58c5756d14d4036e

・ロスチャイルド財閥ー224 Black Rock と親会社 Black Stone、そしてワシントンコンセンサス
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/9e5f232ed05a223f6fabc318428554b7

・ロスチャイルド財閥-103 ジョージタウン大学とキグリー博士
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/e588ec6b5d1d6325d7f8de8f01524e64

アメリカ影の政府と言われるCFR(ロスチャイルドとロックフェラーが出資)の歴史概略  RJ人気記事
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/5e5e580efa2b7b6c5ccfc488923a4d48

・【ロスチャイルド家】世界を裏で牛耳る一族の始まりと繁栄  RJ人気記事
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/1083125d04acb6e42464305b1b3ebdfa

 

・DS陰謀論の本丸FRB(アメリカ中央銀行)を分かり易く説明
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/1928f3096af970fb561f43a7179cfffb

・【解説】ポール・ウォーバーグ|アメリカ中央銀行・連邦準備銀行創設者
https://www.youtube.com/watch?v=RNRB0Frq-Vs&list=TLPQMTUxMjIwMjQHSVY66QVE7g&index=3


・現在、日本の政財界で最も注目される女性 経団連副会長・野田由美子(ロスチャイルド系大手企業の会長)、日本初の女性総理?  RJ人気記事
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/11660fd16625dc0796f332f6ceb41bc9

・ヴェオリア・ジャパン 野田由美子会長メッセージ
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/642a48f5e05a140d58c5756d14d4036e

 

・Bloomberg ブラックロックCEO、現代金融理論を支持せず-「くず」と一蹴https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/f8723862229429fc9507648b3cfd56e2

・アホの一つ覚えのMMT信者https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/edfec0faeef39871e87a42779cd369b4

 

・『死の商人』デュポン財閥 今まで投稿してきた記事リストhttps://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/5aed80e18c285ccaa9f5fb87e06a08ad

・日本の『死の商人』 今まで投稿してきた記事リストhttps://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/878b15c4eaa371f00e54ec6f1fd489aa

・シャープの歴史と物語
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/1f62e622090b68cdccbc94c432d5b8c3

・ト-マス・グラバー ここまでの投稿記事一覧
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/659dadfd8abcded85689534cb5c627a6

 

・【ロスチャイルド家】世界を裏で牛耳る一族の始まりと繁栄  RJ人気記事
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/1083125d04acb6e42464305b1b3ebdfa

・アメリカ影の政府と言われるCFR(ロスチャイルドとロックフェラーが出資)の歴史概略  RJ人気記事
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/5e5e580efa2b7b6c5ccfc488923a4d48

・【ゆっくり解説】世界を裏で牛耳る一族5選【陰謀】
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/c0ce944695e168f383fc05cf48b2dda6

・ロスチャイルド財閥-385 世界の覇者ロスチャイルド ゆっくり解説シリーズ
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/810bb6f5daf5cb7ee98a82bca6f627fe

・アメリカ歴史のダークサイド RJ人気記事
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/110dd2daca4c080c477a856fbf96045a

・スカル&ボーンズ(米国版イルミナティ)  RJ 人気記事
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/05c0c15c7d2a2bcb21cba6fc58bfb8e0

・アメリカを操るイスラエルロビー・AIPAC  RJ 人気記事
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/f929da106e0e30decfedf237095f964c

・科学と宗教と生命、そして創造主の存在      RJ 人気記事
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/35d0301135ca4553bdb16ed031ac2257

・アメリカ影の政府と言われるCFR(ロスチャイルドとロックフェラーが出資)の歴史概略  RJ人気記事
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/5e5e580efa2b7b6c5ccfc488923a4d48

 

 

・希代のペテン師トランプ (今だけ・金だけ・自分だけ、そしてペテンだけ) RJ人気記事
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/02cd2c28a4fb789a18cac5cf12cbb25c


・希代のペテン師・高市早苗(整形中毒・政界の公衆〇〇)  RJ人気記事
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/2a6100fa6dadae57b58fbfbe6bac8260



・アメリカ国家解体は、すでに計画されている (FACT資料付)  RJ人気記事
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/b30ce46134ef1946733cc07d57a043e4

 

 

 

★Renaissancejapanの自己紹介 記事一覧
https://blog.goo.ne.jp/admin/entries?ymd=&category_id=863afcc284ad7e9435b8d005d847a1ec#block1

 

 

 

 


NVIDIAエンジニア年収4000万円 不振インテルから流入

2025-01-26 14:19:44 | エレクトロニクス・自動車・通信・半導体・電子部品・素材産業

 

<picture class="picture_p166dhyf"></picture>
 
日経ビジネス電子版

世界中の人工知能(AI)開発企業が米エヌビディア製の画像処理半導体(GPU)を入手しようと躍起になる中、テック業界では「もう一つの争奪戦」が繰り広げられている。AI人材の奪い合いだ。

戦いに勝ち抜くため、各社は数年来、給与をはじめとする待遇を引き上げ続けている。米半導体メーカー数社の採用に関わるヘッドハンターは現状をこう説明する。

 

「腕の立つエンジニアを採用するのに、5年前は年収15万ドル(約2250万円)のオファーで十分だった。今は20万〜25万ドル(3000万〜3750万円)もざらにある」

ソフトウエアエンジニアも半導体エンジニアも水準は変わらないという。ざっと日系半導体関連企業の3〜4倍が必要となる計算だ。

 

この人材獲得競争でエヌビディアは優位に立っている。「2014年の米フェイスブック(現メタ)をほうふつとさせる人気ぶりだ」。米シリコンバレーに本社を置く採用支援会社の幹部はこう語る。

14年のフェイスブックはモバイル広告が大幅に伸びてSNS事業で一人勝ちの状態だった。応募数が急増して「採用面接の枠を取ることさえ難しい状態だった」(採用支援会社幹部)。

 

エヌビディアは応募数や採用倍率を公表していないが、「日本も米国も伸びているのは確か」(日本代表兼米国本社副社長の大崎真孝氏)と認める。

 

 

巨大テックから軒並み流入

では、エヌビディアに転職しているのはどんな人材なのか。日経ビジネスがビジネスSNSの「リンクトイン」を分析すると、半導体関連などの競合他社から人材が大量になだれ込んでいる様子が明らかになった。

 

 

中でも米インテルから約3300人がエヌビディアに転職しており、まさに草刈り場。逆にエヌビディアからインテルへの転職者は687人にとどまり、力関係は明白だ。

インテルは業績不振が続いており、24年8月には全従業員の15%に当たる1万5000人以上のレイオフ(一時解雇)を実施すると発表した。

 

例えば、インテルが研究開発拠点を縮小する見込みのイスラエルでは、レイオフが数百人規模になると米メディアは報じている。

リンクトインでイスラエルにおける転職状況を調べたところ、24年8月以降、インテルからエヌビディアへ少なくとも28人が転職した可能性が高いことが分かった。

 

レイオフに伴うエヌビディアへの移籍が世界各地で発生していると見られる。

インテルのほか、米アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)や米クアルコム、米アップル、米グーグルなどの巨大テック企業からも1000人規模で転職している。いずれもエヌビディアへの流入超だ。

 

 

「特許発明者」が3.5倍に急増

リンクトインを使った調査では、職種で絞り込んだり、転職の時期を指定したりといった詳細な分析はできない。

そこで、日経ビジネスは特許調査会社のスマートワークス(長野県原村)と共同で、米国の特許出願に「発明者」として名を連ねるトップエンジニアやトップ研究者だけを対象に調査を実施した。

 

 

 

その結果、近年になってエヌビディアがトップエンジニアを急増させていることが明らかになった。15年に334人だった発明者は23〜24年に約3.5倍の1153人に増えた。

20年と比較しても300人以上増加している。逆にインテルやクアルコムは発明者の数が15年比で1000人程度減少した。

 

発明者を名寄せした結果、エヌビディアの発明者は15〜24年で計1876人。そのうち109人が、インテル、クアルコム、AMD、グーグル、アップルの名義で過去に特許を出願していたことも分かった。

この間に、エヌビディアに転職した可能性が高い。特許を申請するトップ技術者層が、続々とエヌビディアに集まっている様子が明らかになった格好だ。

 

エンジニアから圧倒的な支持を集めている理由の一つは待遇にある。米求人情報大手グラスドアの集計によると、エヌビディアのソフトウエアエンジニアの年収(中央値)は26万2000ドル(3930万円。グーグルやアップルの中央値を上回り業界トップ水準だ。

ディレクタークラスでは70万ドル(1億500万円)を超える

<picture class="picture_p166dhyf"><source srcset="https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5881577017012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=638&h=424&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=b49c5eb42b04654adb553128977d4099 1x, https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5881577017012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1276&h=848&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=4c0d21c5588d556c11ed8c3a14c81107 2x" media="(min-width: 1232px)" /><source srcset="https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5881577017012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=638&h=424&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=b49c5eb42b04654adb553128977d4099 1x, https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5881577017012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1276&h=848&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=4c0d21c5588d556c11ed8c3a14c81107 2x" media="(min-width: 992px)" /><source srcset="https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5881577017012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=600&h=398&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=9f2a6c735c8d033972e8f75ee802238e 1x, https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5881577017012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1200&h=797&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=f516a0e7796680223f3f81b903e3ac07 2x" media="(min-width: 752px)" /><source srcset="https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5881577017012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=600&h=398&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=9f2a6c735c8d033972e8f75ee802238e 1x, https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5881577017012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1200&h=797&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=f516a0e7796680223f3f81b903e3ac07 2x" media="(min-width: 316px)" /><source srcset="https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5881577017012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=600&h=398&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=9f2a6c735c8d033972e8f75ee802238e 1x, https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5881577017012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1200&h=797&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=f516a0e7796680223f3f81b903e3ac07 2x" media="(min-width: 0px)" /></picture>

 

 

ハードウエアエンジニアでも24万9000ドル(3735万円)。インテルやAMDを大きく引き離す。

 

 

社員に株価10倍の恩恵

高い年収を可能にしているのが譲渡制限付株式ユニット(RSU)だ。日本でもソニーグループメルカリが導入している仕組みで、企業が指定した勤務条件を達成した場合のみ株式が報酬として付与される。

エヌビディアの人事制度設計に詳しい関係者によれば、同社では4年間以上の勤続がRSU付与の条件となっている。

 

RSUはストックオプションと異なり、権利確定の際に無償で株式が譲渡される。権利付与から4年後の権利確定までの間に株価が伸びた分だけ、報酬が増える。

4年前の20年11月末と比較すると、エヌビディアの株価は10倍。企業の人事制度に詳しい京都大学経営管理大学院特命教授の鵜澤慎一郎氏は、RSUによる株式付与が「エヌビディアに転職するモチベーションになっている」と見る。

 

 

最高の職場ランキングで2位

もう一つ、エヌビディアが従業員から高い評価を受けている点が働く環境だ。

グラスドアが毎年発表している「最高の職場ランキング」の24年版で、同社は全米2位。直近5年間はいずれもトップ10に入っている。ランキングは社員からのレビューのみに基づいており、内部評価の高さがうかがえる。

 

グラスドアの分析部門を率いるダニエル・ザオ氏は、ジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)のリーダーシップに加えて、「働き方が評価されている」と説明する。

一つがリモートワークだ。米アマゾン・ドット・コムやグーグルなどが23年後半からオフィス回帰にかじを切り、週3〜5日の出社を義務化している。

 

そのトレンドを無視するかのように、エヌビディアは完全在宅勤務を可とし続けている。「従業員は働き方の柔軟性を高く評価している」(ザオ氏)

もう一つはレイオフが少ないという心理的安全性だ。ファン氏は「解雇するなら育てたい」との考えを示している。

 

 

22〜23年には米マイクロソフトやメタなど米国で1万人規模のレイオフの嵐が吹いた。

一方で、米国内の解雇情報を調査しているサイト「Layoffs.fyi」によると、少なくとも20年以降、エヌビディアはレイオフを実施していない。

 

ザオ氏は「従業員は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で誰も出社しない時でさえ、ファン氏がケータリングスタッフを解雇しなかったことを逸話として語っている。会社への信頼が非常に強い」と分析している。

京都大学の鵜澤氏は、エヌビディアで働くことがエンジニアのキャリアアップにつながることも大きいと指摘する。「1990年代の米ゼネラル・エレクトリック(GE)、2000年代のグーグルのように注目企業で働いた経験はエンジニアの箔になる。エヌビディアも同様のブランドになりつつある」

 

 

株価急騰を背景とした厚待遇と社員からの信頼は、同社のさらなる強みになりそうだ。米国では半導体産業への政府の支援もあり、人手不足が顕在化している。

 


米労働省が発表した直近の全産業の求人倍率が3年ぶりの低水準に落ち込む中、半導体産業では逆に求人が伸びている。

AI需要拡大で需給がタイトになり、米半導体工業会(SIA)は30年までに、米国内で計6万7000人のエンジニアなどが不足すると警鐘を鳴らす。

 

売り手市場では待遇や評価の高い企業に求人が集中し、そうでない企業は採用のハードルを下げざるを得ないため格差が広がりやすい。採用面でもエヌビディアの強者ぶりはしばらく続きそうだ。

(日経BPシリコンバレー支局 島津翔)

[日経ビジネス電子版 2024年12月16日の記事を再構成]

 

 

 
 
 
 
 
 
 

企業経営・経済・社会の「今」を深掘りし、時代の一歩先を見通す「日経ビジネス電子版」より、厳選記事をピックアップしてお届けする。月曜日から金曜日まで平日の毎日配信。

 

 

 

 

日経記事2025.1.26より引用

 

 

 

 

<picture class="picture_p166dhyf"><source srcset="https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5881578017012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=638&h=340&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=c376e93a33c270497fb971276deea423 1x, https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5881578017012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1276&h=680&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=0fadce757ee962c620dbdcc9c7dd1e7d 2x" media="(min-width: 1232px)" /><source srcset="https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5881578017012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=638&h=340&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=c376e93a33c270497fb971276deea423 1x, https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5881578017012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1276&h=680&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=0fadce757ee962c620dbdcc9c7dd1e7d 2x" media="(min-width: 992px)" /><source srcset="https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5881578017012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=600&h=319&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=c40ff5903d636dd8d95d071083cc704c 1x, https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5881578017012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1200&h=639&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=2dfab9fc1fe1713e8c89d4691669a2bf 2x" media="(min-width: 752px)" /><source srcset="https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5881578017012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=600&h=319&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=c40ff5903d636dd8d95d071083cc704c 1x, https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5881578017012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1200&h=639&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=2dfab9fc1fe1713e8c89d4691669a2bf 2x" media="(min-width: 316px)" /><source srcset="https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5881578017012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=600&h=319&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=c40ff5903d636dd8d95d071083cc704c 1x, https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5881578017012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1200&h=639&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=2dfab9fc1fe1713e8c89d4691669a2bf 2x" media="(min-width: 0px)" /></picture>

富士フイルム、半導体材料の投資倍増 日米韓で増産

2025-01-26 14:06:52 | エレクトロニクス・自動車・通信・半導体・電子部品・素材産業


富士フイルムは半導体材料でインド進出を検討する(写真は半導体ウエハー)

 

 

富士フイルムホールディングスは2027年3月期までの3年間で半導体製造に使う材料事業の設備増強に1000億円強を投じる。

24年3月期までの3年間と比べて投資額を倍増させ、日本や米国、韓国などで増産する。急拡大する生成AI(人工知能)の需要などに対応するため、世界で半導体材料の供給網を構築する。

 

トランプ米大統領は米オープンAIやソフトバンクグループなどが5000億ドル(78兆円)規模の資金を投じ、AIインフラを整備する方針を表明した。世界でAI投資がさらに加速すれば、半導体材料の投資競争も激しくなる。

富士フイルムは半導体に回路を形成するための感光材料で世界5位のシェアを持つ。台湾積体電路製造(TSMC)や韓国サムスン電子などを顧客に持つとみられている。顧客企業の近くにある生産拠点を拡充し、半導体大手と連携を強める。

 

25年秋に日本と韓国でEUV(極端紫外線)露光装置向けの製造棟を稼働させる。同装置は最先端の半導体の製造に欠かせない。静岡県では約130億円を投じて開発と生産を担う製造棟を建設する。

韓国・平沢(ピョンテク)市の既存拠点には新たに生産設備を導入して25年秋に量産を始める。平沢市にはサムスンが拠点を構えている。

 

韓国の天安(チョナン)市の別の拠点では、数十億円を投じて半導体の表面を平たんにする研磨剤を生産する新工場棟を建てる。27年春ごろまでの量産開始を目指す方針で、同拠点の生産能力は3割増える。

インド市場も開拓する。25年にも現地に拠点を持つ化学メーカーに対し、半導体材料の製造技術を供与する契約を結ぶか、合弁会社を設立するかどうかを検討する。

 

顧客の半導体メーカーの工場の設立状況に応じ、28年3月期以降に自社の製造拠点を建設する見通し。インド政府は国内での半導体産業の育成に向けて、7600億ルピー(約1兆4000億円)の支援策を掲げている。

半導体の製造分野では米国や韓国、台湾などが高いシェアを持つが、日本は半導体材料では強く、主要な半導体材料の世界シェアで半分程度を握るとされる。

 

富士フイルムは半導体材料事業を成長分野に位置づけている。31年3月期には売上高を5000億円と25年3月期の計画から倍増させる。

調査会社の富士経済によると、世界の半導体材料の市場規模は29年に583億ドルと23年から35%拡大する見通し。

 

 
 
 

パソコンやスマホの半導体や、電気自動車(EV)に使われるパワー半導体とは。TSMCやラピダス、キオクシアなどのメーカーの動向や供給不足、シェア推移など関連業界や市場の最新ニュース・解説をタイムリーに発信します。

 

 

続きを読む
 

 

 

 

日経記事2025.1.25より引用

 

 

 


タタが半導体工場新設の印アッサム州、日系企業も誘致   州首相、介護人材の日本派遣にも意欲

2025-01-26 13:45:14 | エレクトロニクス・自動車・通信・半導体・電子部品・素材産業


インド北東部アッサム州のサルマ首相は日本の半導体メーカーの投資拡大に期待を示した

 

インド北東部アッサム州のヒマンタ・ビスワ・サルマ首相は24日、都内で日本経済新聞のインタビューに応じた。

インド財閥タタ・グループが州内に半導体工場を新設している点を踏まえ「(半導体の)全体のエコシステム(生態系)を発展させたい。

 

日本は(パートナーとして)きわめて強力だ」と述べ、日本の半導体関連企業に幅広く投資を呼びかけた。

日本に介護分野を中心に技能実習生を送り出すため、2月に日本語学習施設を開設することも明らかにした。

 

 

米マイクロンの広島工場視察、ルネサス幹部らと会談

タタ財閥系のタタ・セミコンダクター・アセンブリー・アンド・テスト(TSAT)は半導体の後工程の工場をアッサム州内に建設中で、2025年中の稼働を計画している。

日本企業に投資を呼びかけたのは、タタの工場を中核として半導体産業の一大集積地をつくる狙いからだ。サルマ氏は米マイクロン・テクノロジーの広島工場を視察したほか、ルネサスエレクトロニクス、ディスコ、トヨタグループの幹部らと会談したという。

 

サルマ氏は「半導体には(前工程の)ファブ(工場)、組み立て工場、そして研究開発(R&D)が必要だ。

多くの半導体産業は日本の(半導体)製造装置を使っている」と語り、日本の企業を2月25〜26日に州内で開くイベント「グローバル投資サミット」に招待する考えを表明。

 

サルマ氏のX(旧ツイッター)には半導体製造装置の東京エレクトロンの関係者とも会談したことを伝えている。

<picture class="picture_p166dhyf"><source srcset="https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5902785022012025000000-2.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=638&h=415&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=f5f9d3ca9ce3bf7d794904449c8301b0 1x, https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5902785022012025000000-2.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1276&h=830&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=9ed96cc2a4deedc7e57291ecabbb9a0d 2x" media="(min-width: 1232px)" /><source srcset="https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5902785022012025000000-2.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=638&h=415&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=f5f9d3ca9ce3bf7d794904449c8301b0 1x, https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5902785022012025000000-2.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1276&h=830&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=9ed96cc2a4deedc7e57291ecabbb9a0d 2x" media="(min-width: 992px)" /><source srcset="https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5902785022012025000000-2.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=600&h=390&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=8b94ac676061d3cb1fcf81c8765b39ee 1x, https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5902785022012025000000-2.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1200&h=780&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=eb5647271cd280a53e83efa50f06a53d 2x" media="(min-width: 752px)" /><source srcset="https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5902785022012025000000-2.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=600&h=390&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=8b94ac676061d3cb1fcf81c8765b39ee 1x, https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5902785022012025000000-2.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1200&h=780&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=eb5647271cd280a53e83efa50f06a53d 2x" media="(min-width: 316px)" /><source srcset="https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5902785022012025000000-2.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=600&h=390&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=8b94ac676061d3cb1fcf81c8765b39ee 1x, https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5902785022012025000000-2.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1200&h=780&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=eb5647271cd280a53e83efa50f06a53d 2x" media="(min-width: 0px)" /></picture>

 


 

インド北東部にあるアッサム州は紅茶の産地として有名で、人口は3000万人超。ブータンやバングラデシュとの間で国境を持ち、ミャンマーにも近いことから東南アジアとの市場の結びつきが期待される戦略的な要衝にある。

人手不足に直面している日本は今、アッサム州の若い労働力に着目している。



日本への介護分野の技能実習生派遣に意欲、覚書署名へ

<picture class="picture_p166dhyf"><source srcset="https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5903014022012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=638&h=395&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=7e6ecd708fb2d09d901af28ebeb4c909 1x, https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5903014022012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1276&h=790&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=cc06b015037fe573ac707cbf6be95ffd 2x" media="(min-width: 1232px)" /><source srcset="https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5903014022012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=638&h=395&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=7e6ecd708fb2d09d901af28ebeb4c909 1x, https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5903014022012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1276&h=790&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=cc06b015037fe573ac707cbf6be95ffd 2x" media="(min-width: 992px)" /><source srcset="https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5903014022012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=600&h=371&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=b077cbf5a9b310126419b34eab8805bf 1x, https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5903014022012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1200&h=742&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=054e9c83f4e67bf5382d93290297b150 2x" media="(min-width: 752px)" /><source srcset="https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5903014022012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=600&h=371&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=b077cbf5a9b310126419b34eab8805bf 1x, https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5903014022012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1200&h=742&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=054e9c83f4e67bf5382d93290297b150 2x" media="(min-width: 316px)" /><source srcset="https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5903014022012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=600&h=371&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=b077cbf5a9b310126419b34eab8805bf 1x, https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5903014022012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1200&h=742&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=054e9c83f4e67bf5382d93290297b150 2x" media="(min-width: 0px)" /></picture>


サルマ氏はインド国内でも精力的にアッサム州への投資誘致のため駆け回っている(6日、ムンバイで)=AP

 

サルマ氏は「日本人の平均年齢は49歳。インド全体では27歳だが、アッサム州は22歳と若い」と語り、アッサム州の若手人材を技能実習生として日本に派遣したい考えを示した。

 

そのため2月25日に日本政府などと協力するための2つの覚書に署名し、州の中心都市グワーハーティーに日本語学習施設をつくる。そこで1年間、日本語を学習した後、日本各地の介護施設などで働くことを想定しているという。

 

アッサム州の人材は東アジアの人材と比較的外見上の特徴が似ているとされる。サルマ氏は日本と「多くの面で文化的に近い」点もアピールした。

日本との間の人的交流の拡大については経済産業省幹部らとも意見交換したという。

 

 

日本からの観光客増めざし、外務省に渡航制限緩和を要請

<picture class="picture_p166dhyf"><source srcset="https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5903034022012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=638&h=425&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=dd8c1a80dd55dc28ec13d2a7d1b82c20 1x, https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5903034022012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1276&h=850&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=55466f3706de80fe502d02de7061512b 2x" media="(min-width: 1232px)" /><source srcset="https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5903034022012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=638&h=425&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=dd8c1a80dd55dc28ec13d2a7d1b82c20 1x, https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5903034022012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1276&h=850&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=55466f3706de80fe502d02de7061512b 2x" media="(min-width: 992px)" /><source srcset="https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5903034022012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=600&h=399&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=c624df50d26d12604de898fc62c0736d 1x, https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5903034022012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1200&h=799&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=f1efdd12d16edab68a1b3772b8536c7c 2x" media="(min-width: 752px)" /><source srcset="https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5903034022012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=600&h=399&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=c624df50d26d12604de898fc62c0736d 1x, https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5903034022012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1200&h=799&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=f1efdd12d16edab68a1b3772b8536c7c 2x" media="(min-width: 316px)" /><source srcset="https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5903034022012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=600&h=399&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=c624df50d26d12604de898fc62c0736d 1x, https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5903034022012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1200&h=799&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=f1efdd12d16edab68a1b3772b8536c7c 2x" media="(min-width: 0px)" /></picture>


サルマ氏は「アッサム州はインドで最も平和的な地域の一つ」として、日本の外務省による渡航制限緩和を要請している(2023年8月15日、地元のインド独立記念日にて)=AP

 

アッサム州が注力する3つ目の分野は観光だ。

州内にはカジランガ国立公園など複数の世界遺産があり、米紙ニューヨーク・タイムズが掲載した「2025年に訪れるべき52カ所」のうち4位に選ばれた。

 

「国立公園には4000頭ものサイがいるが、こんな場所は他にはない。州内には800の紅茶庭園があり、22のゴルフコースがある。日本からの観光客を増やしたいと思っている」。サルマ氏はそう語った。

ハードルの一つが、日本人にアッサム州の一部地域に「不要不急の渡航中止」を呼びかけている外務省の海外危険情報だ。

 

州内にインドからの分離独立運動をしている武装勢力がいるとされる。サルマ氏は24日に生稲晃子外務政務官と会談し、「アッサム州はインドで最も平和的な地域の一つで、ここ数十年で何の事件も起きていない」として渡航制限の呼びかけを撤回するよう求めた。

生稲氏は在インド大使館に現状を評価するよう求めるとともに、日本人観光客を増やすために協力していく考えを示したという。

(聞き手は編集委員 瀬能繁)

 

 

Himanta Biswa Sarma アッサム州のグワーハーティー大学で法学士、政治学博士号を取得。弁護士、州議会議員を経て2021年から現職。モディ首相と同じインド人民党(BJP)所属。55歳。
 
 
 
 
 
<picture class="picture_p166dhyf"><source srcset="https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5903034022012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=638&h=425&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=dd8c1a80dd55dc28ec13d2a7d1b82c20 1x, https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5903034022012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1276&h=850&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=55466f3706de80fe502d02de7061512b 2x" media="(min-width: 1232px)" /><source srcset="https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5903034022012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=638&h=425&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=dd8c1a80dd55dc28ec13d2a7d1b82c20 1x, https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5903034022012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1276&h=850&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=55466f3706de80fe502d02de7061512b 2x" media="(min-width: 992px)" /><source srcset="https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5903034022012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=600&h=399&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=c624df50d26d12604de898fc62c0736d 1x, https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5903034022012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1200&h=799&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=f1efdd12d16edab68a1b3772b8536c7c 2x" media="(min-width: 752px)" /><source srcset="https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5903034022012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=600&h=399&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=c624df50d26d12604de898fc62c0736d 1x, https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5903034022012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1200&h=799&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=f1efdd12d16edab68a1b3772b8536c7c 2x" media="(min-width: 316px)" /><source srcset="https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5903034022012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=600&h=399&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=c624df50d26d12604de898fc62c0736d 1x, https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5903034022012025000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1200&h=799&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=f1efdd12d16edab68a1b3772b8536c7c 2x" media="(min-width: 0px)" /></picture>

島津製作所、インドに新工場 液体分析装置など現地生産

2025-01-26 13:39:19 | 医療・病気・疫病・ヘルスケア・健康・食事・睡眠 及び産業


島津製作所がインド・カルナータカ州に新設する液体分析装置などの新工場(イメージ)

 

島津製作所はインドに生産拠点を立ち上げると発表した。25億円を投じて液体分析装置などの工場を新設し、2027年に稼働させる。バイオ医薬品向けの分析装置などの需要を取り込む。

新工場はインド南西部のカルナータカ州ベンガルールに設ける。建物の面積は5500平方メートルで液体や気体の分析装置を製造する。従業員数はまず50人で始め、35年に150人に増やす。

 

インドでは低分子のジェネリック医薬品製造が盛んだ。島津は生産工程の品質管理などに使う液体分析装置についてインド市場で4割のシェアを持つ。

現地では近年、高分子のバイオ医薬品関連の産業も拡大しており、新工場では高度な分析装置も現地生産して提案する。

 

インドに2つあった販売会社は統合して夏に新会社を立ち上げる。これまでは分析装置と医療機器の販売子会社が分かれていた。一体にすることで顧客である医療機関などにまとめて提案しやすくする。

新工場の建設は、インド政府が公的機関による入札の際に国産品を優遇する政策をとっていることに対応する狙いもある。

将来は分析装置に加えて医療機器や半導体製造装置用の機器などを現地生産することも視野に入れる。島津は生産や販売体制の整備を通じ、インドでの売上高を35年度に470億円と23年度比2.6倍に伸ばす目標だ。

 

日経記事2025.1.24より引用