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ロスチャイルド財閥-386 アメリカの歴史ー30 移民制限後の移民

2025-01-16 11:47:43 | 国際政治・財閥

ロスチャイルド財閥-383 アメリカの歴史-29 移民問題 規制から制限へ
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/cd6bf223b619e7071b35fcb55fed1eb1
からの続き

 

国内で賄えるようになった産業労働力

一九ニ四年の移民制限法以後、アメリカへの移民流入は減少したが、アメリカ資本主義の労働力需要の問題はどうなったのであろうか。 

合衆国は一九ニ〇年には人口規模が一国人を超えた。 すでに移民労働力を十分に蓄積しており、労働力を基本的に国内で調達できるようになっていた。 だから産業界も移民制限を阻止しなかったのである。

 

これに加えて、いくつもの要因が考えられる。 一つはアセンブリー・ラインに代表される技術革新である。 アメリカが繁栄を誇った『黄金の一九二〇年代』には、工業生産は四〇%増大したが、雇用の純増はあまりなかった。

技術発展のおかげで大量の移民労働力は必要でなくなっていたのである。

 

第二の要因は、膨大な農村人口が本格的に都市に移動し始めたことである。 アメリカの国勢調査で一九二〇年は、農村人口が都市人口が追い越した年である。二〇年代は農村不況の時代であり、六百万人の人口が農村から都市に移動し、農村人口はアメリカ史上初めて減少した。

また、第一次大戦中の労働力不足を契機に、南部農村黒人の北部工業都市への移動も始まっていた。アメリカも農民層分解によって都市労働力が形成される段階に入ったのである。

 

そして二〇年代には、移民制限法の枠外に置かれたメキシコからも大量の労働力が流入したのだった。

 

 

一九三〇年代の不況時代

一九三〇年代の大不況期には、移民の流入はさらに激減した。 アメリカに行っても仕事がなかったのである。 大部分の移民割当枠が充たされなかったばかりか、到着者数は五十三万人足らずで、出国者をわずかに上回るに過ぎなかった。

不況のどん底だった一九三三年には、移民の入国よりもヨーロッパへの帰国者の方が多かったほどである。 三〇年代から戦時中に書けて特徴的なことは、ユダヤ人を含めてファシズムの犠牲者がアメリカに移住してきたことである。

アルバート・アインシュタインの他、『一次元的人間』などで一九六〇年代の学生反乱に大きな思想的影響を与えることになる哲学者、ハーバート・マルクーゼ、ドイツの代表的思想家テオドール・W・アドルノ、政治思想家ハンナ・アレント、文豪トーマス・マン、指揮者のアルツーロ・トスカニーニ、作曲・バルト・バルトーク、神学者のポール・ティリヒなど枚挙にいとまがない。

 

しかし、ファシズムの犠牲者の避難所というアメリカのイメージは全面的に正しいわけではない。 というのも、当時のアメリカには難問受け入れ法はなかった。 

だから入国を求める人々は、彼らの国についての移民割り当ての枠内に余裕がある場合、そして高度の才能のある者を別枠にした非割り当て移民の資格がある場合にだけ、入国を認められたのであり、多数の人々が入国を拒絶されたのである。

 

一九三九年連邦議会には、ドイツに住む二万人のユダヤの子供たちを国別割り当てを超えて救おうとする法案が提出された。

この計画が発表されると、何千という家族がその子供たちを養子にすると申し込み、クエーカー教徒はそのための奉仕活動を行うと申し出た。

 

しかし、議員たちは、様々な反対の声を上げた。 子供たちなのに不況で職がないとか、子供たちを親から切り離すのは悪いことだという意見まで出され、法案は通過しなかったのだ。 

そして、これた二万人の子供たちは、ガス室で殺されることになったのである

 

 

アメリカ人口構成における移民

一九二〇年代における移民制限から、一九六五年の新移民法制定までの時期は、流入した移民とその子孫がアメリカ社会に定着し、今日のアメリカの社会的構成の基盤が固められて言った時代である。

膨大な移民流入によって、アメリカはアングロサクソン中心の社会から、『民族のモザイク』とまで言われる『多民族社会』へと変貌していった。

 

移民と移民二世を合わせて『外国系』(フォーリン・ストック)と呼ぶが、その比率は一八七〇年の二八%から一九二〇年の三千六百三千六百六十万人)へと増大した。

一九二〇年の北東部の主要都市における外国系人口の比率は、ニューヨーク七六%、ボストン七三%、ピッツバーグ五七%だった。 まさに『他民族共住』のアメリカといわねばならない。

 

ごのんじのように、アメリカという国は、まず一~二万年前から我らの先祖縄文人がアメリカ大陸に渡り、一家帝国を創り、インディアンとして定住した。 一四九二年、コロンブスの新大陸(アメリカ)発見から、スペインから始まり、スペインの王様はハプスブルグ帝国(神聖ローマ帝国)のカール五世である。そして、その後は、ヨーロッパ列強のオランダ、フランス、イギリスの草刈場、植民地となっていた。

アメリカという国が世界覇権を握るのは、第一次世界大戦後の一九二〇年である。 これは鋭い嗅覚で第一次世界大戦開戦(1914-)を嗅ぎとったロスチャイルドが、代理人ポール・ウォーバーグをアメリカに送り込み、ロスチャイルドの下僕人のモルガン、ロックフェラー、ロックフェラーと婚姻関係になる共和党・上院議員のネルソン・オルドリッチらと私立の中央銀行(FRB)を、大戦一年前に創立してからである。

 

・DS陰謀論の本丸FRB(アメリカ中央銀行)を分かり易く説明
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/1928f3096af970fb561f43a7179cfffb

・【解説】ポール・ウォーバーグ|アメリカ中央銀行・連邦準備銀行創設者
https://www.youtube.com/watch?v=RNRB0Frq-Vs&list=TLPQMTUxMjIwMjQHSVY66QVE7g&index=3

 

第一次世界大戦で大英帝国はアメリカに巨額の借金し、金世界覇権は大英帝国やフランスなどの欧州列強から、アメリカに移動しました。 そしてアメリカは『黄金の一九二〇年』の好景気を迎えました。 

 

 

 

 

(アメリカの歴史シリーズ 関連資料)

 

・ロスチャイルド財閥ー354 アメリカの歴史ー13 イギリスからの移民

https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/de61f4da665308b114fbb4d7db63985d

・ロスチャイルド財閥ー355 アメリカの歴史ー14 ドイツ系移民
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/15a7f400915e2a71d0fc0c3a51d03cac

・ロスチャイルド財閥-356 ドイツ第一、二、三帝国とは
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/f308fbcee48d50583bda46a6298069dc

・ロスチャイルド財閥-357 アメリカの歴史-15 北欧系移民
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/ded59146873e462b286f88e0fb4ee82d

・ロスチャイルド財閥-358 アメリカの歴史ー16  アイルランド系移民
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/2dcba0475a1204638b915d5dfd17f3be

・ヨーロッパでのハロウィーン、クリスマス、そしてサンタクロース(聖ニコラウス)https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/db3151190683a6a0de87586277abf4b4

・ロスチャイルド財閥ー347 アメリカ影の政府と言われるCFR(ロスチャイルドとロックフェラーが出資)の歴史概略
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/83fd467338774d9126ff5db3a40c110d

・ロスチャイルド財閥ー346 【ロスチャイルド家】世界を裏で牛耳る一族の始まりと繁栄https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/94b4ab90bd14a2b6217a50eb7db7c83f

・ロスチャイルド財閥-359 【馬渕睦夫】事実上、アメリカより力を持っているのは、戦後ずっと●●です! 【ひとりがたり/振り返りpart304】https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/83a57020c55e429cd5533f17b50111a2

・ロスチャイルド財閥-360 アメリカの歴史-17 南・東ヨーロッパからの新移民
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/74a4a048a60ec4c43bd8cf8763c9fb59

・ロスチャイルド財閥ー361 アメリカの歴史ー18 旧移民から新移民(南・東ヨーロッパ)https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/0cd379ea0d9a0d1f488986136381625e

・ロスチャイルド財閥ー362 アメリカの歴史ー19 南・東ヨーロッパからの出移民の背景https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/31c0d80f5dea734b62ea71cac2b1e275

・ロスチャイルド財閥ー363 アメリカの歴史ー20 大西洋経済圏の発達とペリー来航https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/2b44e8108830dc88f9329852e43a396c

・ロスチャイルド財閥ー364 アメリカの歴史ー21 アメリカ産業労働力の構成https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/e8b9a73a8a95ecc3e8e50d8461a778fa

・ロスチャイルド財閥ー367 アメリカの歴史ー22 メディア支配に対する警告
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/901bf0902d5cbbf21a1779896c29e633

 ・ロスチャイルド財閥ー370 アメリカの歴史ー23 移民の作ったエスニック社会 彼らの住んだ居住環境
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/ae39b239f907fd359255ae3872f08896

・ロスチャイルド財閥ー371 アメリカの歴史ー24 エスニック・コミュニティのモザイクと故国を忍んで
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/2b8439ab55db58e7b4c948b95bc8c1c5

・ロスチャイルド財閥-372   アメリカの歴史ー25 自由放任の移民政策
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/7fbb40ee129cafb8cea7c6d3a0e605fb

 ・ロスチャイルド財閥-374 アメリカの歴史-26 移民受け入れをめぐるイデオロギーhttps://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/c04acddaad05ae58202c3a10b2a646f6

・ロスチャイルド財閥-375 アメリカの歴史-27 排撃されたアジア系移民https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/17ad169cfb5250b886304ad9cbfe94b2

・ロスチャイルド財閥-382  アメリカの歴史-28 アメリカ歴史のダークサイド
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/e5289fee1607bb74cb694de8ea18408c

・ロスチャイルド財閥-383  アメリカの歴史-29 移民問題 規制から制限へhttps://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/cd6bf223b619e7071b35fcb55fed1eb1

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・ロスチャイルド財閥-386 アメリカの歴史ー30 移民制限後の移民https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/eae412452e7ba12618ea12dfc7c2aeea

 

 

 


米国務長官候補「何よりも米国益」 戦後秩序は時代遅れ

2025-01-16 10:48:59 | トランプ政権


ルビオ氏は「戦後80年を経て、我々は混沌から自由の世界を再構築するよう求められている」と述べた=ロイター

 

【ワシントン=坂口幸裕】

次期米国務長官に指名されたマルコ・ルビオ上院議員は15日、上院外交委員会で指名承認の公聴会に臨んだ。「世界に関与し、再び米国の核心的利益を何よりも優先する」と述べた。

「戦後の国際秩序は時代遅れだ」と訴え、再構築する必要性を強調した。

 

ルビオ氏は現在53歳で、南部フロリダ州出身のキューバ系移民の家庭で育った。同州議会議員などを経て、2010年上院選で初当選して現在3期目。

20日に就任するトランプ次期米大統領が外交トップの国務長官に指名した。来週初めにも上院で人事案が承認される公算が大きい。

 

 

「戦後80年を経て、混沌から自由世界の再構築を」

ルビオ氏は公聴会で「米国が自国の核心的利益より国際秩序を優先し続けてきた一方、他国は自国にとって最善の利益であると認識する行動をこれからも続けていくだろう」と指摘した。

現在の国際秩序は「米国に対する武器になっている」とも主張。「戦後80年を経て、我々は混沌から自由の世界を再構築するよう求められている。再び自国の核心的利益を何より優先する、強固で自信に満ちた米国がいなければ不可能だ」と表明した。

 

トランプ氏が掲げる「米国第一」を念頭に「国益を何より優先するのは孤立主義でない。国益を最優先する外交政策は時代遅れな遺物などではない」と力説。

「米国が自国の安全を維持できなければ『世界平和』という大義を推進できない。米国が強くなければ同盟国にどれだけ有益なのか」と提起した。

 

 

自由貿易について「多くの先進国が自国の経済を犠牲にして無制限に、ほぼ宗教的なまでに固執した」と総括した。

「中間層が縮小し、労働者階級が危機に陥り、産業が崩壊し、重要なサプライチェーン(供給網)が敵やライバルの手に渡った」と断言した。

 

(世界最貧国の一つであった一党独裁共産党政権の中国にに技術援助・巨額の資金提供・一つの中国を認める最恵国待遇をあたえたのは、ロックフェラーと共和党ですけどね・・・。 それで今日、中国はアメリカの世界覇権を脅かすまでに急成長・発展し、科学技術・産業では米国より上にまでなりました。

1972年に共和党のニクソン大統領が訪中、北京で毛沢東主席と首脳会談上記内容上記内容を約束しました。それが起点です。 Renaissancejapan)

 

 

中国の台湾侵攻「多大な代償と中国に信じ込ませて抑止を」

意識するのは中国の存在だ。「我々は中国を国際秩序に迎え入れ、彼らはその恩恵をすべて享受したが、その義務や責任をすべて無視した」と話した。

「中国は嘘をつき、盗みを働き、我々を犠牲にして世界的な超大国の地位を手に入れた」と述べた。

 

米情報機関は中国が27年までに台湾を侵攻する能力を保有すると分析する。

ルビオ氏は「中国が台湾侵攻を成功させるのは可能かもしれないが、その代償があまりに大きすぎると中国に信じ込ませることで思いとどまらせたい」と明かした。

 

「それは台湾を守るためだけでなく、インド太平洋地域での大規模な軍事介入を防ぐためにも極めて重要だ」と訴えた。

ロシアによるウクライナ侵略について「この戦争を終わらせるべきだと米国が公式に表明すべきだ」と主張した。侵略を続けるロシアのプーチン大統領を「ウラジーミル・プーチン」と呼び捨てにし「容認できない」と明言した。

 

停戦の実現には「ロシアだけでなくウクライナも譲歩する必要がある」と言及。「プーチンは最大限の影響力を持ち、ウクライナに(米欧との関係で)中立を強いて、4年か5年後に再び同じことを繰り返すのが目標だ」と語り、再侵攻に踏み切るとの見方を示した。

停戦協議では米欧などによる対ロ制裁も議題にすべきだと訴えた。「平和的解決を考慮するにはこの問題も話し合いの一部として取り上げなければならない」と制裁緩和の可能性を示唆した。

 

トランプ氏は「力による平和」を外交・安保政策の基軸に据える。ルビオ氏は第1次政権を振り返り「新たな戦争は起こらず、米国民はより安全になった」と分析。

「有権者は強い米国を望んでいる。海外では平和を、国内では安全と繁栄を促進する」と発言した。

 

 
 
 
 

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

 

 

 

鶴岡路人のアバター
鶴岡路人
慶應義塾大学総合政策学部 准教授
 
分析・考察

米国が強くなること、米国にとってよいことは、米国のみならず同盟国にとってもよいはずだという信念だ。

従来のように「ルールに基づく国際秩序」を守るといったロジックは通用しないことになる。

日本は、唯一の同盟国である米国とともにあることに、従来以上の覚悟を決められるかが問われる。

と同時に、しかしそれだけが世界ではない。豪州や欧州など、価値や秩序観を共有する米国の他の同盟国、さらには東南アジア諸国などとの連携を強化し、国際秩序のうち、力だけではない部分をこれまで以上に支える努力をすることが求められる。

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神保謙
慶應義塾大学総合政策学部 教授
 
分析・考察

マルコ・ルビオ氏の証言は「洗練された米国第一主義」と言えそうで、強い米国が自信を持って世界に関与することが、米国民の利益と国益に適い、世界にも裨益するという考え方だ。

世界秩序の維持のために米国益を犠牲にすることを強く批判することが全ての前提にある。

トランプ大統領が目立つディールと同盟国のコスト負担に置かれていることと比較しても、広範な米国に対する脅威と増進すべき利益を見据えた世界観を提示している。

上院外交委員会に所属し国際関係に精通している。

その意味では、(第1期のティラーソン/ポンペオ元長官と比較しても)戦略を話し合う相手として十分相応しい。

第2期トランプ政権とのケミストリーだけは心配だ

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トランプ次期政権

ドナルド・トランプ次期アメリカ大統領に関する最新ニュースを紹介します。11月の米大統領選挙でハリス副大統領と対決し、勝利しました。次期政権の行方などを解説します。 

 

 

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日経記事2025.1.16より引用

 

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ガザ停戦、バイデン氏「次期政権と緊密調整」 主導を誇示

2025-01-16 09:00:11 | トランプ政権


バイデン氏はトランプ次期政権との「緊密調整を指示していた」と明かした=ロイター

 

【ワシントン=坂口幸裕】

バイデン米大統領は15日、パレスチナ自治区ガザを巡るイスラエルとイスラム組織ハマスの停戦合意について「2024年5月に私が提案した合意の枠組みそのものだ」と誇示した。

トランプ次期政権との「緊密調整を指示していた」と明かした。

 

 

合意を受けてホワイトハウスで演説したバイデン氏は「とても良い午後だ。

ついに停戦を発表できる」と安堵した様子で切り出した。自ら主導した停戦案の公表から7カ月あまりがたち、20日の退任まで残り5日に迫るタイミングだった。

 

演説後に記者団からトランプ次期米大統領の返り咲きが合意実現に与えた影響を問われ「この合意が次の政権に実施される必要があるとわかっていた。

次期政権と緊密に調整し(新旧政権が)足並みをそろえて主張していると確認するよう担当チームに指示した」と表明した。

 

バイデン氏が示した停戦案は

①ガザの人口密集地からのイスラエル軍撤退を含む6週間の停戦

②すべての人質解放とイスラエル軍の全面撤退

③ガザの復興計画への移行――の行程を想定してきた。

 

15日の演説では第1段階の6週間で「完全な停戦でイスラエル軍がガザのすべての居住地域から撤退し、ハマスが拘束している女性や高齢者、負傷者といった多数の人質を解放する」と説明した。

人質には米国人も含み、見返りとしてイスラエルが拘束するパレスチナの囚人を引き渡すと明かした。

 

第2段階に移行するまでに「戦争の恒久的な終結に必要な準備へ交渉する」と述べた。

6週間以上かかる場合、交渉が続く限り停戦を継続すると確認したと明言した。第2段階では男性兵士を含む残る人質全員が解放され、イスラエル軍のガザ撤退で恒久停戦につなげると主張した。

 

第3段階では殺害された人質の遺体を家族に返還し、壊滅的な打撃を受けたガザの再建計画を始動させると表明した。

バイデン氏は「合意に至る道のりが決して容易でなかった」と回顧。「イスラエルが米国の支援を受けてハマスに圧力をかけ、ここに到達できた」と話した。

 

長引く戦闘で「かつてハマスを保護し、支えていたテロ組織が弱体化した。イランはここ数十年で最も弱くなっている」との認識を示した。

「パレスチナの人々は地獄を経験した。あまりに多くの罪のない人が命を落とし、地域社会が破壊された。この合意でガザを再建できる」と唱えた。

 

 

 
 
トランプ次期政権

トランプ次期政権

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ドナルド・トランプ次期アメリカ大統領に関する最新ニュースを紹介します。11月の米大統領選挙でハリス副大統領と対決し、勝利しました。次期政権の行方などを解説します。 

 

 

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日経記事2025.1.16より引用

 

 

 


極右AfD「ドイツを再び強国に」 トランプ流に若者熱狂

2025-01-16 07:49:59 | 国際政治・財閥


AfDの党大会で演説するワイデル党首(11日、独東部リーザ)=ロイター

 

総選挙を2月23日に控えるドイツで、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が支持率を伸ばしている。

選挙戦では反移民を掲げ、第1党の獲得を意識した宣伝戦略を始めた。反ナチスを国是とするドイツでAfDはなぜ台頭するのか。党大会で支持者の熱狂に迫った。

 

旧東ドイツの古都ドレスデンから北西に約50キロ。夜には通りを歩く人もいない田舎町のリーザで、AfDが11日から2日間の党大会を開いた。

氷点下の早朝からAfDへの抗議デモが始まり、閑静な街は一転して緊迫した空気に包まれた。記者も催涙ガスとみられるものを浴びた。

 


「AfDの禁止を!」と呼びかけるデモ参加者(11日、リーザ)

 

警察の身分確認を4回終えて党大会の会場ホールにたどり着くと、真っ先に目に飛び込んできたのは壇上に並ぶ多数のドイツ国旗だ。

会場にはAfDの政党カラーである青色の服を身にまとった熱心な支持者らが詰めかけていた。

 

「ドイツを再び強国に!」。総選挙を戦う「党の顔」である首相候補に決まったワイデル党首が壇上から力強く呼びかけた。党員や議員は何度も立ち上がり、ドイツ国旗を振りながら喝采を送った。

トランプ次期米大統領が掲げてきたスローガン「MAGA(米国を再び偉大に)」と重なるのは言うまでもない。党大会に関連したイベントではトランプ氏のイラストを模したバッジを胸に付けた参加者も見かけた。

 

欧州連合(EU)の否定と単一通貨ユーロからの離脱、原子力発電やロシア産ガス購入の再開、難民支援の削減――。

 

AfDの選挙公約の資料には、景気低迷で疲弊する大衆に受けやすいポピュリズム的な内容がズラリと並ぶ。

一見するとそれぞれ脈絡のない主張だが、一つのイデオロギーが通底している。国民に向けた「強国への憧れ」だ。

 

世界最大の米国経済が好調を維持するのとは対照的に、ドイツは2024年も2年連続でマイナス成長になった。これまで東西ドイツ統一を果たした1990年以降で1度しかなかった異常事態だ。

「欧州の盟主」として君臨してきたはずが自信も余裕も失った。

 

党員のダニエルさん(40)は以前は政治活動に関心がなかったという。転機はシリア内戦などで100万人規模の難民や移民が押し寄せた2015年だった。

移民流入の制限を唱え、「家のドアを閉めるのと同じだ。冷蔵庫の中にみんなの分があるわけではない」と話す。

 

 


党大会でドイツ国旗を振るAfDの党関係者や支持者(壇上はワイデル党首)

 

党大会の熱狂ぶりは世論調査にも見て取れる。公共放送ARDが9日公表した最新の世論調査によると、政党別の支持率はAfDが2番手で1年ぶりに20%台に浮上した。

首位は国政最大野党で保守陣営のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が31%と死守するものの、AfDとの差は縮まりつつある。

 

選挙戦で第1党を意識した戦い方も、いまのAfDを象徴する変化だ。党大会でも批判の矛先はショルツ首相が率いる中道左派のドイツ社会民主党(SPD)ではなく、総選挙で第1党が有力視されるCDUに集中させた。

ショルツ政権は与党SPDの支持率が15%で、連立を組む環境政党「緑の党」も14%。いずれもAfDを下回る。支持率低迷から瓦解したショルツ政権はもはやAfDの眼中から消えつつある。

 

総選挙の焦点は、政権交代ではなく次期政権で中心となりうるCDUがどれだけAfDと差を広げて逃げ切れるか。そうした不穏な空気が漂い始めている。

 

 

 

次の総選挙でAfDが得票を伸ばしても、政権入りの可能性は現時点ではない。「魂を売る行為だ」と語るCDUのメルツ党首を筆頭に、主要政党はAfDとの連立を明確に否定しているためだ。「AfD抜き」で新しい連立政権の枠組みを探ることになる。

だが、政権入りしないからといって過小評価すべきではない。欧州債務危機をきっかけにした13年の結党から10年あまりで、AfDは国政選挙で主要政党と張りあうようになった。

 

15年の難民危機、22年のウクライナ侵略。危機のたびにAfDは既存政党への不満を吸い上げる形で支持を伸ばしてきた。

24年9月に実施した東部チューリンゲン州の州議会選挙では、極右政党として州議会レベルで第2次世界大戦後で初めて第1党になった。

 

ドイツ国内を見渡せば町長や市長の選挙でも勝利するなど、AfDが行政運営を担う地域は着実に増えている。

当初は反ユーロが旗印だったが、次第に反移民などの排外主義的な主張を強めている。

 

独情報機関の連邦憲法擁護庁は過激な極右組織との疑いから監視対象に指定する。実際、AfDの幹部や支持者はナチス時代のスローガンを唱える問題も繰り返してきた。

 

 


AfDに反対する抗議デモのために集まった参加者ら(11日午前6時、リーザ駅前)

 


ロシアによるウクライナ侵略や高関税政策を掲げるトランプ米政権の誕生で、欧州は結束が求められる局面にある。

それにもかかわらずAfDが反EUを主張するのは、他国に干渉されずに自国だけで政策決定の主導権を握りたいという反動だ。

 

経済合理性を欠く単一通貨ユーロからの離脱も、主眼は強い自国通貨への回帰という物語にある。

AfDの幹部や支持者によるナチスのスローガンや人種差別的な言動も、こうした文脈の中で出てくる。

 

いまのAfDを支えるのは若者を中心とした現役世代だ。党大会に駆けつけた党員のローランドさん(23)は「共感すべき政党に投票すべきだ」と力説する。

党員になったのはまだ1年前。2月の総選挙ではエネルギーの安定と不法移民の問題を重視する。

 

24年9月の東部ブランデンブルク州議選では若者票がAfDの躍進を支えた。

16〜24歳の若年層が支持したのはAfDで、70代以上の高齢者はSPDを応援した。AfDの支持層全体では30代前後が厚かった。CDUや環境政党の緑の党より若者の支持が高いという調査もある。

 

その支持層は着実に広がりつつある。独メディアによると党員数は5万人規模に達した。30万人を超える与党SPDの足元にも及ばないにも関わらず、20%という高い支持率は裾野の広がりを映す。

既存政党への不満から一般の有権者は消去法で票を投じようとしている。

(独東部リーザにて、南毅郎)

 

 

 

 

日経記事2025.1.1.16より引用

 

 


イスラエルとハマス、ガザ停戦で合意 まず人質33人解放

2025-01-16 07:29:03 | 中東情勢・基礎知識・歴史・問題・真実


停戦合意の報道を受けて喜ぶパレスチナの人々(ガザ、15日)=ロイター

 

【イスタンブール=渡辺夏奈】

イスラエルとイスラム組織ハマスが15日(日本時間16日未明)、パレスチナ自治区ガザでの戦闘停止で合意した。停戦協議を仲介したカタールのムハンマド首相兼外相が発表した。

ガザで4万6000人以上が犠牲になった激しい戦闘が収束に向かう可能性が出てきた。

 

停戦は19日に発効し、段階的に実施する。第1段階としてハマスが捕らえている人質のうち、女性や高齢者など33人を解放する。

引き換えにイスラエルはガザへの攻撃を一時停止し、パレスチナ人囚人を解放する。その後の計画については停戦発効後に交渉する。

 

第1段階の停戦は6週間を想定している。合意を受けて15日に記者会見した米国のバイデン大統領は「交渉に6週間以上かかれば、その間も停戦は継続する」と強調した。

次の段階では「恒久的な戦争の終了を目指す」と繰り返し、成果を誇った。

 

合意は24年5月にバイデン氏が公表した構想に基づいている。3段階で構成し、最終的にはイスラエル軍がガザから完全に撤退し、ガザの復興を目指す内容だった。

停戦は米国、カタール、エジプトが仲介した。12日からカタールの首都ドーハに各国の代表団が集まり、合意内容を詰めていた。

 

仲介国はこれまで何度も停戦を試みてきた。双方の溝は深く、23年11月に実現した1週間の戦闘休止以降は目立った成果が出ていなかった。

ここにきて交渉が急速に進んだ背景には、外交成果をあげたいトランプ米次期大統領の存在がある。

 

トランプ氏は15日、カタールによる合意の発表に先立ち、自身のSNSでイスラム組織ハマスが拘束する米国人などの人質解放で関係国と合意したと明らかにした。

「中東の人質取引で合意した。まもなく解放されるだろう!」と記した。

 

20日に大統領に返り咲くトランプ氏は就任前に人質を解放しなければ「とんでもないことになる」「地獄をみることになる」とハマスに警告していた。

 

 

 

トランプ氏が中東担当特使に指名した不動産投資家のウィットコフ氏は11日、イスラエルでネタニヤフ首相と会談した。

同国メディアによると、ネタニヤフ氏に対し停戦案の受け入れを強く迫ったという。ウィットコフ氏はドーハでの協議にも参加した。

 

ブリンケン米国務長官が14日明らかにした戦後構想によると、ガザではまず、パレスチナ自治政府やガザ住民の代表者による暫定政権が統治を担い、国際社会が支援する。

ヨルダン川西岸地区を統治する自治政府は国際的にパレスチナの代表と認められているが、ハマスとは長年対立し、統治はガザに及んでいない。

 

戦闘が収束に向かうかは見通せない部分も残る。停戦の発効にはイスラエル閣議での承認が必要となる。地元メディアによると、閣議は16日に開かれる。

イスラエル連立政権に参加する極右勢力は停戦に反対しており、承認を得られるかがカギとなる。

 

スモトリッチ財務相は15日、停戦が「危険な取引だ」と反発した。ベングビール国家治安相も停戦に応じた場合、連立を離脱するなどとしている。

ヘルツォグ大統領は15日、閣僚に対して停戦を受け入れるよう訴えた。

 

ガザ衝突のきっかけとなったハマスの奇襲では、約1200人が犠牲となり、251人が人質として捉えられた。

イスラエルはハマスの壊滅と人質の奪還を掲げて空爆や地上作戦を仕掛け、最高指導者のシンワール氏ら幹部や戦闘員を多数殺害した。

 

レバノンのシーア派民兵組織ヒズボラなど周辺の敵対組織にも戦闘は広がった。こうした組織を支援するイランとイスラエルが史上初めて直接戦火を交える事態に発展した。

人質を巡っては、現在も約100人がガザに残っている。中には既に死亡している人もいる。合意に含まれる人質の帰還には遺体の返還も含まれているもようだ。

 

人質の家族団体は15日、今回の停戦が「全員の安全な帰還を保証する包括的なものになることを願っている」との声明を出した。

 

 
 
 
 

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

 

 

 

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植木安弘
上智大学特任教授
 
ひとこと解説

この停戦合意は、バイデン大統領が昨年5月に提唱し国連安保理でも翌6月に支持された三段階案に基づいていると同大統領が記者会見で述べている。

第一段階での停戦はイスラエル政府の承認を経て19日(日曜日)に開始され、42日間の間に33名の女性、年寄り、負傷者の人質の釈放と多数のパレスチナ人拘束者の解放が逐次実施され、イスラエル軍の人口集中地域からの撤退、パレスチナ避難民の帰宅、大規模な人道支援の再開などが含まれる。

停戦監視のメカニズムは米、カタール、エジプトで構成され、カイロに置かれる。第二段階の交渉は16日目から開始されるが、恒久停戦やその後のガザの統治など難題は多い。

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鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
 
ひとこと解説

注意しなければならないのは、これはバイデンが提唱していた3段階の停戦の第一段目ということ。

停戦合意というよりは人質交換合意というニュアンスが強く、人道支援をすることを目的とした停戦である、ということ。

これから第二段目に向けての交渉が始まらなければならないが、イスラエルの極右閣僚の二人がどのように対応するのか、ということが大きな問題。

彼らも支持者を抱える中で、容易に妥協するということを選択することは難しい。この停戦で人道的な支援がきちんとなされることを切に願う。

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中東情勢

2023年10月にイスラエルとパレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスの衝突が始まって以降、中東情勢が大きく揺れ動いています。

地域大国イランとイスラエルが直接、交戦する事態に発展し、シリアでは半世紀以上続いたアサド家の政権が崩壊しました。最新ニュースと解説記事をまとめました。

 

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日経記事2025.1.16より引用

 

 

 

 

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