政府は3月に米国で開く核兵器禁止条約の締約国会議へのオブザーバー参加を見送る方針だ。
日本周辺の安全保障環境が厳しさを増しており、米国の「核の傘」に抑止力を依存する現状を踏まえた対応が必要と判断した。会議の議論の内容を把握するため、与党の議員を派遣する。
石破茂首相は2024年10月の就任直後のテレビ番組でオブザーバー参加について「等閑視するつもりはない。真剣に考える」と発言した。
その後の国会答弁でオブザーバー参加の経験があるドイツなどの事例を検証する方針を示していた。
同条約は核兵器の開発や使用などを禁じる内容で21年に発効した。米国やロシア、中国といった核保有国は参加していない。
日本も条約を締結しておらず、核保有国が参加する核拡散防止条約(NPT)体制を重視している。
会議へのオブザーバー参加を巡っては、公明党やノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(被団協)が首相に求めていた。
立憲民主党や国民民主党の議員でつくる議員連盟も参加を要望していた。
不参加の判断は、2月前半で調整するトランプ米大統領との首脳会談を控え、米国との信頼関係に配慮したとみられる。
24日の施政方針演説では会議の出席について言及していない。
自民党の石破茂総裁が10月1日、衆参両院の本会議での首相指名選挙で第102代首相に選出されました。石破政権に関する最新のニュースをまとめています。