ハリス陣営は29日のワシントンでの選挙集会に7万5千人が参加したとみている=ロイター
【ワシントン=飛田臨太郎】
米大統領選が1週間後に迫り、民主党候補のハリス副大統領は29日、選挙戦の総括と位置づける選挙集会に臨んだ。共和党候補のトランプ前大統領を「独裁者」や「暴君」と表現して批判した。
2021年1月6日にトランプ氏が連邦議会議事堂襲撃事件の直前に演説したホワイトハウス前の広場を選んだ。20年大統領選の敗北を認めないトランプ氏の演説が事件の引き金になったとみられている。
ハリス氏はトランプ氏を「復讐(ふくしゅう)に執着し、無限の権力を求めている不安定な人物」だと述べた。「トランプ氏が当選すれば銃撃事件で逮捕された人々を釈放する」などと主張した。
選挙戦が最終盤に入り「トランプ氏は民主主義や自由への脅威」と訴える戦略を鮮明にした。「対立や恐怖、分裂に終止符を打つ時が来た」と力説し「全ての米国人の大統領になる」と強調した。
ハリス陣営は参加者が7万5千人に及んだとみている。ワシントンでの大規模集会を弾みに11月5日の投開票日まで7つの激戦州を訪問し、支持の底上げを狙う。
トランプ氏は29日、激戦州の一つ、東部ペンシルベニア州を訪ねた。最終盤でもバイデン政権下の物価高や不法移民の問題を副大統領であるハリス氏の責任と結びつける戦略を続ける。
選挙戦の総括と位置づける選挙集会は27日にニューヨークで開いた。
この場で応援演説したコメディアンがカリブ海の米自治領プエルトリコを「ごみの島」と発言し、波紋をよんでいる。米メディアによるとペンシルベニアの人口のおよそ4%をプエルトリコ系が占める。
バイデン大統領は29日、「私が目にする唯一のごみは彼(トランプ氏)の支持者だ」と反論した。
「彼の中南米系(ヒスパニック)への悪口は言語道断」と加えた。ホワイトハウスで開いた大統領選の会議で言及した。共和党は反発している。
カマラ・ハリス副大統領に関する最新ニュースや発言・解説などをお届けします。2024年のアメリカ大統領選挙でバイデン大統領の出馬断念をうけ、民主党の候補者として出馬します。