記者会見する林肇・駐英大使(21日、ロンドン)
【ロンドン=江渕智弘】
林肇・駐英大使は21日の離任の記者会見で、足元の日英関係について「かつてないほどの高いレベル、広がり、深みをもつ」と述べた。
英国の欧州連合(EU)からの離脱に伴う新たなパートナー探しに日本が応じてきたと語った。
林氏は2020年12月に駐英大使に就任し、今月25日に離任する。
20年のEU離脱を機に「英国がEUとは別の緊密なパートナーになり得る相手を探し、日本側として一貫してパートナーシップの強化に応えてきた」とふり返った。
岸田文雄前首相とジョンソン元首相やスナク前首相の関係も支えになったという。
英国が環太平洋経済連携協定(TPP)に加盟する議定書は12月15日に発効する。安全保障面では35年の配備をめざして日本とイタリアとともに次期戦闘機を開発する。自衛隊と英軍が互いの国を訪問しやすくする円滑化協定も結んだ。
こうした協力項目はEU離脱を主導した保守党政権時代に合意したものだ。7月に発足した労働党のスターマー政権が日本との関係にどこまで熱心かはまだ見通せない。
日経記事2024.10.22より引用