● prologue
3月21日春分の日。京都にやってきました。
4か月ぶり。そしてちょうど1年前にも訪れています。
梅の盛りが終わって桜が咲く直前という頃合いで、去年も桜の花は見られませんでした。
用事ありきの日程なので、仕方がありませんが、願わくは、遅咲きの梅と早咲きの桜が見られますように。
● 寝過ごして終点へ
初日は京都観光一日乗車券を持って、早朝から活動を始めました。
宿泊先は七条にある宿。まだどこも開いていない中、上賀茂神社に行くことにしました。
でも、暖かいバスの中でうとうと眠ってしまい、はっと気づいた時には次は「終点、西賀茂営業所です」というアナウンスが流れていました。
西賀茂営業所そばの鴨川。上流の方です
西賀茂営業所まで来たのは初めて。
まあ、夜ではなく総長の寝過ごしなので、いくらでもやり直しはききます。
せっかく来たので、寝ぼけまなこで近くを流れる鴨川を見下ろしてから、逆方向のバスに乗り直しました。
今日は、あいにくの曇り空。
● 上賀茂神社へ
早朝7時の上賀茂神社にやってきました。
まだ、ほとんど人はいません。
神馬舎はカラですが、今日の日中はいるようです。
ところで神馬も「出社する」って言うのね。なんだかサラリーマンっぽいなあ。
みんな大好き、神山号
普段なら、人が大勢いるため写真を撮ると映り込んでしまいますが、朝早いと撮り放題。
広い境内を歩いているうちに、雨がポツポツと降り始めました。
すぐ止むかと思って雨よけに帽子をかぶりますが、それではしのげないほどザーザー降りになってきました。
もともと少なかった境内の人は、ほとんどいなくなります。
不安になるほどの激しい雨。お参りを済ませたあとは、急いでバス停に戻ります。
バス停には屋根がありますが、外の道路にはあっという間にいくつも水たまりができました。
● 出町ふたば
やってきた京都駅行のバスに乗り、出町柳まで来た頃には8時半になっていました。
ちょうど「出町ふたば」が開店する頃なので、行ってみようとバスを降ります。
店の前にはすでに10人の人が待っており、列ができていました。
祝日の開店直後からこうなんて、すごいなあ。
列に並び、豆餅を2つ包んでもらって、鴨川へと向かいます。
雨はずいぶん弱くなりました。
鴨川デルタには早朝からなにかのグループが集まっていましたが、気にせず先端の方に行きました。
● デルタ de 豆餅
ここでさっそくいただきまーす。
お餅は作りたてが命。今は暖かくやわやわとしている豆餅も、時間がたつほどに風味が失われ、堅くなっていくものです。
ずっしりとした重みのある豆餅ですが、おいしくて2個ぺろりといっちゃいました。
ああおいしかった!
鴨川デルタに立つと、京都に来たんだなと実感します。
あいにくの雨ですが、少しずつ止んできたので、亀岩を渡ってバス通りへ向かいます。
濡れていたので、滑らないかとヒヤヒヤ
● 山科へ
降ったりやんだりしそうな空だったので、いったん宿に戻り、傘を持って再度出発。
朝はがら空きだったのに、9時台にもなるともう町は観光客で混み始めています。
春分の日ですからね。
祝休日には、なるべく人が集中する有名観光地に寄らないのがベター。
そこで、山科方面へ行ってみることにしました。
これまで「そうだ京都、行こう」で紹介された毘沙門堂に行ったことくらいしかないエリアです。
京都駅のインフォメーションセンターでバスの乗り場を聞き、八条口側に出ました。
ホテル阪急前で待っていると、京阪の山科急行バスがやってきました。
車掌さんが一人ついていて、2人体制。
バスは南に向かい、初めての道を通っていきます。
鴨川の橋の上にある、十条相深町(鳥羽街道駅)のバス停。
見晴らしがよくて、バスを待つのに楽しそうですが、嵐の時や川が増水している時にはかなりハードな乗り場になりそう。
(そんなときにはバスも欠航しますね!)
なんと、バスが高速(阪神高速8号京都線)に入ったので、ビックリ。
山科ってそんなに遠い場所なの?
そんなことはなく、長い稲荷山トンネルの向こうは、もう山科の里でした。
かつて山科は、京都の人に別の地方だと思われていたそう。
住民も、京都というより、大津とほとんど一緒という感覚なのだそう。
近いのに、独特の気持ちの距離があるんですね。
● 岩屋神社
山科は静かで落ち着いた雰囲気。京都中心部からさほど離れていないのに、確かにがらりと空気が変わります。
まずは岩屋神社へ。
1日乗車券がぎりぎり使えるエリア内のバス停で降りて、そこからテクテク歩いていきます。
石段を登りつめたところにあった、堂々とした構えの神殿。
凛とした空気がみなぎっています。
狛犬の目が、こっちを見てる~。
ひょうきん?こわい?
うーん、怖いかも!
境内の手水舎に目が留まりました。
一見普通に見えますが、両側にベンチがあり、あずまやのよう。
参拝者は、ここで一息入れて、世間話に興じたりするのでしょうか。
舞殿の奥に神殿があります。
普通は大回りしていきますが、ここは舞殿の間に通路があり、まっすぐ歩いて行ける構造になっています。
いいのかな。真ん中を通りますよ・・・。
いよいよ参拝します。
参拝者用の芳名帳を開けてみると、見事にほとんど山科の人ばかり。
たまーに大津の住所がある程度です。
そこに、遠い自分の住所と名前を書いたら、あまりに浮いてしまい、ヨソ者感タップリでした。
● 奥の院へ
奥の院に巨石が祀られているとのことで、向かいます。
かなり勾配がきつい山。鳥居が上までずっと続いています。
山はかなり荒れていて、あちこちで倒木していました。
手入れされていないのでしょうか。
荒れた木々の間を縫って歩いて行きます。
道も山も荒れていて、ワイルド~!
倒れてしまっている鳥居もありました。
ここにきて、はたと気づきます。
これはおそらく、去年の台風21号で受けた被害なんですね。
岩屋神社の本殿にさえ誰もいなかったわけですし、山の中に入ったら、なおさら誰もいません。
みごとに独りぼっち。
でも孤独なんて噛みしめている余裕のない、ハードな傾斜を登っていきます。
ほかのことを考えて足元への集中が欠けると、山道を踏み外してしまいそう。
● 陰石
じりじりと上に上っていくと、まずは陰石がありました。
隕石ではありません。陰石です。
小山ほどに、大きな石です。
傾斜途中で足場が限られているため、岩全体はファインダーに入りきりません。
すごい迫力に圧倒されます。
● 陽石
さらに上に上がっていくと、今度は陽石がありました。
陰石と同じくらいの巨石。
もう山と一体化していますが、ここだけ岩石。
こんな巨大な一枚岩が、山の上にあるものなんですね。不思議でなりません。
もともと、約千百年前の宇多天皇の時代に、この二つの大岩を磐座として祀ったのが岩屋神社の起こりとされています。
人の力では到底作りえない、自然の威力を目の当たりにしました。
● 川崎大師京都別院
岩屋神社の本殿から奥の院へ向かう途中に、川崎大師京都別院、笠原寺があります。
歴史的な重みから、寺社関係は京都がナンバーワンだという雰囲気がありますが、ここは川崎大師の別院なんですね。
母が毎月通っているお大師様は、私にとってもなじみ深いお寺。
なので、ここ京都でもお参りします。
ところで川崎大師は真言宗智山派で、その総本山は、京都七条にある智積院じゃなかったかしら。
となると、ヒエラルキーは
智積院(京都東山)>川崎大師(川崎)>笠原寺(京都山科)?
うーん、ややこしや。考えると複雑になってくるので、とりあえずお参りします。
本堂を参拝後、周囲をぐるりと回って鐘をひとつき。
重々しい響きが反響して、長い尾を引いて辺りに響き渡りました。
その2に続きます。
3月21日春分の日。京都にやってきました。
4か月ぶり。そしてちょうど1年前にも訪れています。
梅の盛りが終わって桜が咲く直前という頃合いで、去年も桜の花は見られませんでした。
用事ありきの日程なので、仕方がありませんが、願わくは、遅咲きの梅と早咲きの桜が見られますように。
● 寝過ごして終点へ
初日は京都観光一日乗車券を持って、早朝から活動を始めました。
宿泊先は七条にある宿。まだどこも開いていない中、上賀茂神社に行くことにしました。
でも、暖かいバスの中でうとうと眠ってしまい、はっと気づいた時には次は「終点、西賀茂営業所です」というアナウンスが流れていました。
西賀茂営業所そばの鴨川。上流の方です
西賀茂営業所まで来たのは初めて。
まあ、夜ではなく総長の寝過ごしなので、いくらでもやり直しはききます。
せっかく来たので、寝ぼけまなこで近くを流れる鴨川を見下ろしてから、逆方向のバスに乗り直しました。
今日は、あいにくの曇り空。
● 上賀茂神社へ
早朝7時の上賀茂神社にやってきました。
まだ、ほとんど人はいません。
神馬舎はカラですが、今日の日中はいるようです。
ところで神馬も「出社する」って言うのね。なんだかサラリーマンっぽいなあ。
みんな大好き、神山号
普段なら、人が大勢いるため写真を撮ると映り込んでしまいますが、朝早いと撮り放題。
広い境内を歩いているうちに、雨がポツポツと降り始めました。
すぐ止むかと思って雨よけに帽子をかぶりますが、それではしのげないほどザーザー降りになってきました。
もともと少なかった境内の人は、ほとんどいなくなります。
不安になるほどの激しい雨。お参りを済ませたあとは、急いでバス停に戻ります。
バス停には屋根がありますが、外の道路にはあっという間にいくつも水たまりができました。
● 出町ふたば
やってきた京都駅行のバスに乗り、出町柳まで来た頃には8時半になっていました。
ちょうど「出町ふたば」が開店する頃なので、行ってみようとバスを降ります。
店の前にはすでに10人の人が待っており、列ができていました。
祝日の開店直後からこうなんて、すごいなあ。
列に並び、豆餅を2つ包んでもらって、鴨川へと向かいます。
雨はずいぶん弱くなりました。
鴨川デルタには早朝からなにかのグループが集まっていましたが、気にせず先端の方に行きました。
● デルタ de 豆餅
ここでさっそくいただきまーす。
お餅は作りたてが命。今は暖かくやわやわとしている豆餅も、時間がたつほどに風味が失われ、堅くなっていくものです。
ずっしりとした重みのある豆餅ですが、おいしくて2個ぺろりといっちゃいました。
ああおいしかった!
鴨川デルタに立つと、京都に来たんだなと実感します。
あいにくの雨ですが、少しずつ止んできたので、亀岩を渡ってバス通りへ向かいます。
濡れていたので、滑らないかとヒヤヒヤ
● 山科へ
降ったりやんだりしそうな空だったので、いったん宿に戻り、傘を持って再度出発。
朝はがら空きだったのに、9時台にもなるともう町は観光客で混み始めています。
春分の日ですからね。
祝休日には、なるべく人が集中する有名観光地に寄らないのがベター。
そこで、山科方面へ行ってみることにしました。
これまで「そうだ京都、行こう」で紹介された毘沙門堂に行ったことくらいしかないエリアです。
京都駅のインフォメーションセンターでバスの乗り場を聞き、八条口側に出ました。
ホテル阪急前で待っていると、京阪の山科急行バスがやってきました。
車掌さんが一人ついていて、2人体制。
バスは南に向かい、初めての道を通っていきます。
鴨川の橋の上にある、十条相深町(鳥羽街道駅)のバス停。
見晴らしがよくて、バスを待つのに楽しそうですが、嵐の時や川が増水している時にはかなりハードな乗り場になりそう。
(そんなときにはバスも欠航しますね!)
なんと、バスが高速(阪神高速8号京都線)に入ったので、ビックリ。
山科ってそんなに遠い場所なの?
そんなことはなく、長い稲荷山トンネルの向こうは、もう山科の里でした。
かつて山科は、京都の人に別の地方だと思われていたそう。
住民も、京都というより、大津とほとんど一緒という感覚なのだそう。
近いのに、独特の気持ちの距離があるんですね。
● 岩屋神社
山科は静かで落ち着いた雰囲気。京都中心部からさほど離れていないのに、確かにがらりと空気が変わります。
まずは岩屋神社へ。
1日乗車券がぎりぎり使えるエリア内のバス停で降りて、そこからテクテク歩いていきます。
石段を登りつめたところにあった、堂々とした構えの神殿。
凛とした空気がみなぎっています。
狛犬の目が、こっちを見てる~。
ひょうきん?こわい?
うーん、怖いかも!
境内の手水舎に目が留まりました。
一見普通に見えますが、両側にベンチがあり、あずまやのよう。
参拝者は、ここで一息入れて、世間話に興じたりするのでしょうか。
舞殿の奥に神殿があります。
普通は大回りしていきますが、ここは舞殿の間に通路があり、まっすぐ歩いて行ける構造になっています。
いいのかな。真ん中を通りますよ・・・。
いよいよ参拝します。
参拝者用の芳名帳を開けてみると、見事にほとんど山科の人ばかり。
たまーに大津の住所がある程度です。
そこに、遠い自分の住所と名前を書いたら、あまりに浮いてしまい、ヨソ者感タップリでした。
● 奥の院へ
奥の院に巨石が祀られているとのことで、向かいます。
かなり勾配がきつい山。鳥居が上までずっと続いています。
山はかなり荒れていて、あちこちで倒木していました。
手入れされていないのでしょうか。
荒れた木々の間を縫って歩いて行きます。
道も山も荒れていて、ワイルド~!
倒れてしまっている鳥居もありました。
ここにきて、はたと気づきます。
これはおそらく、去年の台風21号で受けた被害なんですね。
岩屋神社の本殿にさえ誰もいなかったわけですし、山の中に入ったら、なおさら誰もいません。
みごとに独りぼっち。
でも孤独なんて噛みしめている余裕のない、ハードな傾斜を登っていきます。
ほかのことを考えて足元への集中が欠けると、山道を踏み外してしまいそう。
● 陰石
じりじりと上に上っていくと、まずは陰石がありました。
隕石ではありません。陰石です。
小山ほどに、大きな石です。
傾斜途中で足場が限られているため、岩全体はファインダーに入りきりません。
すごい迫力に圧倒されます。
● 陽石
さらに上に上がっていくと、今度は陽石がありました。
陰石と同じくらいの巨石。
もう山と一体化していますが、ここだけ岩石。
こんな巨大な一枚岩が、山の上にあるものなんですね。不思議でなりません。
もともと、約千百年前の宇多天皇の時代に、この二つの大岩を磐座として祀ったのが岩屋神社の起こりとされています。
人の力では到底作りえない、自然の威力を目の当たりにしました。
● 川崎大師京都別院
岩屋神社の本殿から奥の院へ向かう途中に、川崎大師京都別院、笠原寺があります。
歴史的な重みから、寺社関係は京都がナンバーワンだという雰囲気がありますが、ここは川崎大師の別院なんですね。
母が毎月通っているお大師様は、私にとってもなじみ深いお寺。
なので、ここ京都でもお参りします。
ところで川崎大師は真言宗智山派で、その総本山は、京都七条にある智積院じゃなかったかしら。
となると、ヒエラルキーは
智積院(京都東山)>川崎大師(川崎)>笠原寺(京都山科)?
うーん、ややこしや。考えると複雑になってくるので、とりあえずお参りします。
本堂を参拝後、周囲をぐるりと回って鐘をひとつき。
重々しい響きが反響して、長い尾を引いて辺りに響き渡りました。
その2に続きます。
バスで寝過ごしても
7時に目的地に到着とは、どんだけ早起き!?
そのあと一気に山科! 相変わらずの行動範囲ですね。
応援P
なんか京都に行くと、早起きになるんですよね。
お寺が多いから!?(^^)
山科、きちんと行くのは初めてでした。京都の中心から近いような遠いような、不思議な場所ですね~。
ぐんと観光客が減るのに、歴史的な名所がいっぱいで、穴場感満載でした☆彡