風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

知らない町をひと駅散歩-1

2016-07-29 | 神奈川
〇 prologue

今回は、3月に見知らぬ土地で私鉄沿線ひと駅分歩いた、小さな旅の話です。
土曜と日曜、2日続けて、違う場所を歩いてみました。

まず1日目は、上京中の親戚のヒナちゃんに会いに、彼女が滞在している相模大野まで行きました。
早めに家を出たら、待ち合わせまでけっこう時間があります。
お茶をして待つのもいいけれど、いい天気なのでひと駅歩いてみようと思いつきました。
距離にして1.7km、電車に乗るとたった2分、歩くと20分ちょっとの道のりです。

〇 この日の移動ルート


この日の移動ルート


少し前までは、地図も持たずに知らない町を歩くなんて、とてもできなかった~・・・
ということはなく(なんとかなるさ)と、けっこうカンで動き回っていました。
それで道に迷って途方に暮れることが、何度もあったものです。

でも今はグーグルマップをネットで確認できるので、大きく間違うことはありません。
便利な世の中になったものですね~。

JR町田駅の南口から、歩き出しました。
町田もほとんど来たことがない、縁遠い場所です。
町田と相模大野が小田急で隣駅同士だということを、この日知りました。

〇 町田駅からスタート

駅を出てみると、思ったよりも小さな口。



メインの裏口側なのか、急に治安が悪そうなネオン街にさしかかります。
といっても休日の昼間なので、人も立っておらずとっても静か。通行人しかいません。
それでも、大手を振って通り抜けるような気分にはなれず、ゴーストタウンのような無人の界隈を、うつむいて通りすぎようとしました。

〇 うつむけばマンホール

すると、下を向いていた視界に、道路のマンホールが入ってきました。
これは町田市の木、ケヤキが描かれた雨水蓋です。



おやおや?道路をよく見ると、いろいろな種類があります。これは楽しいわ。
早々に「さがみはら」と書かれたものに変わりました。知らないうちに県境を越えて、東京から神奈川に入ったようです。
相模原市の木も、ケヤキ。それがモチーフになった汚水蓋。
この辺には、きっと昔からけやきがたくさん生えていたんでしょうね。



すてきなデザインばかりで、嬉しくなります。
こちらは市の花あじさいをデザインした雨水蓋です。



植物系が多いですね。あとは山百合。神奈川県の花だからでしょう。





マンホールを眺めながら歩いて行ったら、そこが夜の繁華街だということをいつしか忘れていました。
マンホールを辿って、道をくねくねと歩いて行ったので、ちょっと挙動不審だったかも。
まあ、足はもつれていなかったので、見ている人がいたら(ラリっているんじゃなくてマンホールを見ているのね)とわかってもらえたことでしょう(たぶん)。

〇 神社とお寺

5分ほど歩いて、繁華街を抜けて閑静な界隈に入りました。
大きな神社がありました。鹿島神社です。
茨城を離れるとなかなか見つからない神社。本家の鹿島神宮で七五三をした身としては、嬉しくなります。



見るからにさわやかな、青々としたしめ縄。
まだ奉納したばかりでしょうか。



樹齢250年の夫婦椿の古木がありました。
こちらのしめ縄も緑色。幹にしっくりなじんでいます。



〇 自在天がわかる人ー?

隣の祠には、大自在天満宮の額がかかっていました。
祀られている自在天とは、菅原道真公のこと。
ちゃんと受験生は天満宮だと分かって、お参りに来るかしら~?



神社と隣り合わせの日蓮宗の青柳寺の方も参拝しました。
大きな寺院で落ち着きます。



〇 ジャングルたんけん

車道をそれて細道を歩いて行くと、じきに広い空地とこんもりとした林が見えてきました。
わあ、子供の頃にあったような茂みだわ。
こういうところでジャングル探検ごっこをして遊んでいたものですが、今では開発が進んで、手つかずのような場所はついぞ見なくなったものです。
うーん、なつかしい!



その隣にあった竹藪をのぞきこんでみました。
うんうん、こういう感じ。
親に叱られるたびに逃げ込んだ、幼き日のアジトを思い出します。



中は十分広くて楽しめそう。
でも、人がいる気配はありませんでした。
今どきの子供は、外で遊ばないのね~。ネットよりもおもしろいのに。



入る場所はここからですね。異世界へとつながる入り口です。
ああいいなあ。入ってみたいなあ。



茂みの向こうには、天高くそびえる相模大野のビル群が見えます。
こういう場所は、残念だけれどそのうちなくなってしまうんだろうな。
今でも中にもぐりたいところですが、これから保護者代わり?をするので、ここで子供要素を解き放ったら、大人の要素を忘れてしまいそう。
いけないいけない。



茂みを離れて先に進んでいくと、レトロな塀がありました。
子供の頃には、こうした塀の上をネコと一緒に歩いてたっけ。



〇 メトロポリス・相模大野

さらにテクテクと歩いて行くと、じきに相模大野駅に着きました。
林や藪をのぞきながらやってきた目には、あまりにも巨大な駅に映ってびっくり。
こらぁ、マンハッタンのようだべさ~!



駅前の相模大野ステーションスクエアのコンコースには、桜の木とベンチがありました。
待ち合わせも楽しそう。



〇 イトコッコと待ち合わせ

ヒナちゃんは、私のイトコの子。
それってどういうつながりなのかしら?
よくわからないので、勝手に「イトコッコ」と呼んでいます。
伊豆諸島の三宅島にはアカコッコという鳥がいます。(関係ないけど!)

彼女の滞在先は、駅直結のセンチュリーホテル。リッチ~!
フロントと同じ階のお店、Ducky Duckの前で待っていてくれました。
「神奈川にようこそ!」と言いたいところですが、来るたびにここに泊まっている彼女は、私よりずっとこの辺りに詳しいので、逆に「お、おじゃまします」気分です。



女性好みの内装で、店内のあちこちでは、いろいろな年代の女子会が行われていました。
歩いておなかがすいた私はベーコンカルボナーラ、彼女はシフォンケーキとドリンク。
なかなか会えないイトコッコちゃんと、久しぶりにいろいろなお話をしました。

相模大野は小田急線沿いなので、相模大野片瀬江の島までまっすぐ行けるんですね。
じゃあ次に会う時は、湘南の海で!



お店に飾られていたアレンジチョコケーキが、熊さんになっていました。
かわいーい!でもなかなかナイフを入れられなさそうです。



〇 お散歩ふたたび

食事を済ませて、彼女はホテルの部屋へ戻っていきました。
一人になって、地図を見てみると、近くに気になる神社があります。
せっかくなので、ちょっと行ってみることにしました。
屋根付き通路のボーノ相模大野を通っていきました。



もう夕暮れに差し掛かっています。
向かったのは、報徳二宮神社。
珍しい水色の鳥居がありました。



〇 二宮金治郎の出身地

ご祭神は、二宮尊徳こと金治郎。
将軍や政治家ではないのに神として祀られている人って、本当に民衆に慕われていたんだろうなあと思います。



だって「二宮町」と神奈川県の地名になっているくらいですからね!
と思っていましたが、調べてみると、これは町内の川勾神社が「相模国二之宮」と呼ばれたことに由来したそうで、金治郎の出身地ではありませんでした!
生まれは小田原市だそうです。たしかに、この神社は小田原城内の報徳二宮神社から分霊したところ。
でも二宮町のおとなりの市じゃありませんか!紛らわしいわ!



「大事を成さんと欲する者は、まず小事を務むべし。」と言った人ですね。
最近は「歩きながらの読書は危険」という理由で撤去が続いている金次郎像。
これを歩きスマホと一緒にするなんて、変だわ~。
どんどん姿を見かけなくなってきて、寂しいばかりです。

〇 夕暮れのメトロポリス

参拝後は、どんどん暗くなりつつあったので、再び駅に戻りました。
遠くから見た駅ビル総合体はとても大きかったです。



改札前の桜は、間接照明に照らされていました。
夜桜っぽくなってすてきだわ~。ヒナちゃんも、ホテルの窓から見下ろしているかしら。



知らない町を散策するのって、楽しいですね。
会いたかった人ともお喋りできて、満足して帰りました。

その2に続きます。




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