● prologue
夏の終わりに、兵庫に行く用ができました。
これは、西国観音巡りができるチャンス!
巡礼は、じわじわとコマを進めて、残すところあと4つとなりました。
簡単には行けない場所にあるところばかり残っているため、よく計画立てなくてはなりません。
今回の旅のルートはこんな感じ。
今回はオレンジの線ぞいに動きました。
(この日はカメラの調子が悪く、普段以上に画質がよくありません。あしからず)
● 神戸散策
新幹線を新三宮駅で降りてから、三宮に移動します。
電車の時間まで町を散策しました。
駅の周辺だからと地図を見ずに、線路に沿って歩いて行きます。
生田神社の参道、生田ロードに差し掛かりました。
海の方へ方向変換し、シックですてきな雰囲気の人たちが歩いていく方向に向かって行くと、旧居留地に差し掛かりました。
町全体がシックなファッション街となっていて、おしゃれな雰囲気が漂っています。
レトロな電話ボックスがありました。
横浜には、外人墓地の傍に一つあるのを知っているきりです。
うーん、全体的になんだか差があるわ~。
この辺りで地図を確認すると、知らない間に駅から結構離れたところまで来ていました。駅に戻ろうとしましたが、神戸三宮駅はJR、阪急、阪神とあり、それぞれが微妙に離れているんですね。
駅に戻るのに勝手がわからず、ちょっと混乱します。
急いで駅に戻らないと、在来線が出てしまう時間なので、あせり出します。
混乱したまま人に道を聞いたら「そごうを目指していって、地下に潜れば駅があるから」と教えてもらいました
あっ、そごうみっけ。
地下に潜るとあったのは阪神の改札。阪急のホームはさらに遠く、最後まであせりましたが、乗りたい電車にはなんとか間に合いました。
● 阪急と丹波路快速
いつみても変わらず美しい阪急マルーン色。
西宮北口駅に着きました。
そういえば、三宮と西宮ってあるんですね。
二つの区別があまりついていません。三宮より東にあるけど西宮?
京都の西ということなんでしょうね。
門戸厄神前を通り、宝塚まで。
二つの会社の駅が並んでいる、ここでJRに乗りかえます。
宝塚までは来たことがありましたが、ここから先は見知らぬ場所になります。
見る見るうちに、窓の外は家が減り、反対に畑が増えて、ぐっと田舎の風景になっていきます。
30分近く乗っていき、相野駅で降りました。
● 神姫バス
目下、西国巡礼のお寺に向かっているところですが、まだ目的地ではありません。
ここから、さらに神姫バスに乗り換えます。
「かみひめ」ではなく「しんき」と読みます。
神秘的な名前のようですが、神戸と姫路を走っているバスということでしょう。
前に姫路駅から一乗寺に行く時にも、このバスに乗っています。
今回は1日2本しか走らない貴重な路線なので、なにがなんでも乗り損ねてはなりません。
座席後部についている降車ボタンは、初めて見ました。
ありそうでなかったー。
● おしゃれマダムたち
バスに、続々と人が乗りこんできました。
「婦人画報」とか読んでいそうな、夏服のお上品なマダムたちがたくさん。
みんな巡礼をしているんでしょうか?
とても混んだ状態で出発しました。
もう十分郊外に来ていますが、バスはさらに山の方へと向かいます。
途中、モダンデザインの建物がありました。
兵庫陶芸美術館だそう。
おしゃれマダムたちは、ここで一斉に降り、みんな、私を一瞥していきます。
「あれ、貴女は降りないんですの? 眠っているのなら起こしてさしあげてよ」という感じで。
そう、私は残るのです~。
バスに残った女性は私と一人のおばあさんのみ。
本当にシニアな人たちばかりになりました。
おや、なんだか車内に乾きもののにおいが立ち込め始めましたよ。
前席のおばあさんが、空いたからとさきイカの袋を開けて、食べ始めていました。
ローカル!
次にバスはこんだ薬師温泉前に停まり、そのおばあさんは降りていきました。
県内では有名な温泉なんだとか。
● 残るは紅一点
さて、これで乗客は6名。私以外はオール男性です。
いよいよガチにお寺巡りが目的の人ばかりが残りました。
さらにどんどんバスは山の中へ。
「清水」というバス停になり、「歩いて参拝する方は、ここで降りて下さい」とアナウンスが入りました。
ここから参道を歩いて行く人もいるのでしょうけれど、誰も降りません。
すると運ちゃんが「ここからお寺の敷地内に入ります。ちょっと人数を数えさせてください」と言って、おもむろに後ろを向き、座席の私たちを数えはじめました。
「いち、に、さん・・・6人ですね」
じきに、高速料金所のような場所にさしかかりました。
京都の善峯寺にも、こんな車用の入口がありましたが、そこは入山料ではなく、駐車料金を払う場所でした。
ここの料金所には、お寺の名前が書かれていて、本格的です。
一人500円の入山料を、運ちゃんがまとめて払いました。
観光バスでもないふつうの路線バスなのに、そういうことをしてくれるんですね。
次が終点。降りるときにバス代と入山料を一緒に払うシステムでした。
「帰りのバスは12時8分ですよ。5分前には着いているようにします」
運行が日に2本のみだから、取りこぼしのないように、帰りのバスの時間もしっかりアナウンスしてくれます。
ゆるいというか親しげな運ちゃん。
乗客が降りる時に「ありがと~」「行ってらっしゃい」などと声をかけています。
私が降りるときにも「気をつけてね~」と言って、手を振ってくれました。
運ちゃんに手を振られたのは初めて。優しげな人でうれしかったです。
● 播州清水寺
とうとう、西国第25番札所・播州清水寺に着きました。
降りると、目の前には京都の清水寺のような、朱色の立派な仁王門がありました。
その前には、仁王様の顔はめパネル。
お寺はすぐにはなく、門をくぐってから結構歩きます。途中に茶屋もありました。
金剛力士像は、奈良の仏師、菅原大三郎氏の遺作。
その後、大三郎氏の子息で東京芸大名誉教授、菅原靖男先生が修復しました。
親子で協力したんですね。
この前、醍醐寺で出会った親切なおじさんが「この寺には説明がなにもなくて不親切だ」と言っていました。
やっぱり説明パネルがあると、ずいぶん理解が深まります。
● 坂上田村麻呂と清水寺
平安初期の征夷大将軍、坂上田村麻呂がここに刀を奉納した絵がありました。
彼は、京都の音羽山清水寺を建立した人です。
西国観音霊場のお寺である二つの清水寺。
播州清水寺の方が古い創建で、坂上田村麻呂がこのお寺の霊験により征夷を成し遂げたため、よく似たお寺を京都の東山に建てたという言い伝えがあるそうです。
じつはこっちがオリジナルなのね!
● 広い境内
広い境内はうっそうとした緑に覆われ、山の中なので起伏があります。
あちこちに、古い石段が続いています。
「洗心甘露水」と彫られた手水舎。
放生池の前には「世界に一つ!加東遺産」の碑が。
お寺のある加東市は、市内十箇所の文化遺産や史跡を加東遺産に選定しているそうです。
薬師堂には、東京芸術大学の藪内佐斗司教授作の「十二神将」が安置されています。
「南無観世音菩薩」と背中にかかれたTシャツを着たスタッフの人が、お花をお供えしていました。
725年に創建された古い大講堂。聖武天皇の時代に建立されたんですね。
大きくてファインダーに入りきりません。
お堂の中には大勢の参拝者。
おみくじのバリエーションが豊富なことに驚きます。
飛び出し禁止坊やのおまもりがありました。
● 巡礼遍路
辺りは完全な山の中。コンビニなんてどこにもありません。
菅笠姿の巡礼遍路さんもいました。
この笠と金剛杖の持ち主は「山の下から歩いてきました」と話していました。
● 30年ぶりの御開帳
長い石段を登った先にある根本中堂。
ここのご本尊の観音様は秘仏で、今年11月に30年ぶりに御開帳されるそう。
でもそれを待ってはいられません。
一人の女性がお堂におり、お経を読み上げては、身体を丸めてお祈りしていました。
平清盛の武運を祈願して祇園女御が建てたといわれる多宝塔は、焼失して土台だけ。
再建が予定されているそうですが、この状態もまたロマンがあっていいと思います。
● 二十六夜の月見
敷地内にあった月見亭。
ここで、大法会回二十六夜の月見が行われます。
旧暦の1月と7月26日の夜に、月の出を拝む行事が二十六夜。
開催はちょうど明日、8月26日。
年に2度しかないチャンスですが、バスのない夜だから、どのみち参加できないわ~。
沙羅双樹の樹がありました。
「沙羅の木は、はかないもののたとえ」と書かれています。
平家物語の冒頭で詠まれている樹なので、たしかに諸行無常を意味しているんでしょうね。
● 鐘を鳴らすことば
古めかしい、立派な鐘楼がありました。
中に入ってみました。独特の建築様式です。
梵鐘を撞く時に唱える偈文(げもん)があるとは知りませんでした。
願此鐘聲超法界 鐵圍幽暗悉皆聞
三塗難苦生安養 一切眾生成正覺
お坊さんはみんな、こうした言葉を唱えてから鐘を打っているものなのかしら。
私も鳴らしてみたかったのですが、お参りした後に鐘を打ってはいけないものなので、下から見上げてがまん、がまん。
● おかげの井戸
お寺の名前のもととなった場所まで来てみました。
山の上のこの辺りは水に乏しく、開山した僧侶が水神に祈り、湧き水が出たという場所がありました。
池の水をのぞき込んで自分の姿が見えたら、寿命が3年延びるのだそう。
寿命の長さよりも、健康体でいられることの方が大事。と思いながらも近寄ります。
泉の上を大きな八チが2匹ぶんぶん飛んでいたので、寿命の長さよりもハチの攻撃の方が大事とばかりに、そっと立ち去りました。
見どころの多い、敷地の広いお寺。
バスの時間が気になって、少し早めに戻ってみると、すでに先ほど乗ってきた乗客の方々がいました。
やはりみなさん同じですね。
朝は曇り空だったのが、快晴になりました。
かんかん照りになり、暑くてみんな日陰で待機。
そのうち、バスがやってきました。また同じ運ちゃんでした。
行きのメンバーが再び集結し、乗客は先ほどと同じ6名。
とはいえ、みんなで一致団結するわけでもなく、淡々と乗り込みます。
97番目のお寺を訪れた安心感からか、私はすぐに眠りに落ちました。
山の中を通ってきたので、右に左にぶんぶん揺れたはずなのに、終点までもうぐっすり。
● 三田ビール
第1回三田ビール検定が行われるそうです。
三田というと有名私立大を思い出しますが、この辺りの地名で「みた」じゃなくて「さんだ」と読みます。
電車を待っていると、大勢の制服の高校生たちがやってきました。
夏休み中の登校日なのか、すでに半日授業の日なのか、よくわかりません。
電車が近づくと、向かいのホームから一斉にダッシュして、跨線橋を越えてきました。
素朴で元気な地方の高校生たち。南アルプス天然水っぽいです。(いや六甲おろしでしょう)
その2に続きます。
夏の終わりに、兵庫に行く用ができました。
これは、西国観音巡りができるチャンス!
巡礼は、じわじわとコマを進めて、残すところあと4つとなりました。
簡単には行けない場所にあるところばかり残っているため、よく計画立てなくてはなりません。
今回の旅のルートはこんな感じ。
今回はオレンジの線ぞいに動きました。
(この日はカメラの調子が悪く、普段以上に画質がよくありません。あしからず)
● 神戸散策
新幹線を新三宮駅で降りてから、三宮に移動します。
電車の時間まで町を散策しました。
駅の周辺だからと地図を見ずに、線路に沿って歩いて行きます。
生田神社の参道、生田ロードに差し掛かりました。
海の方へ方向変換し、シックですてきな雰囲気の人たちが歩いていく方向に向かって行くと、旧居留地に差し掛かりました。
町全体がシックなファッション街となっていて、おしゃれな雰囲気が漂っています。
レトロな電話ボックスがありました。
横浜には、外人墓地の傍に一つあるのを知っているきりです。
うーん、全体的になんだか差があるわ~。
この辺りで地図を確認すると、知らない間に駅から結構離れたところまで来ていました。駅に戻ろうとしましたが、神戸三宮駅はJR、阪急、阪神とあり、それぞれが微妙に離れているんですね。
駅に戻るのに勝手がわからず、ちょっと混乱します。
急いで駅に戻らないと、在来線が出てしまう時間なので、あせり出します。
混乱したまま人に道を聞いたら「そごうを目指していって、地下に潜れば駅があるから」と教えてもらいました
あっ、そごうみっけ。
地下に潜るとあったのは阪神の改札。阪急のホームはさらに遠く、最後まであせりましたが、乗りたい電車にはなんとか間に合いました。
● 阪急と丹波路快速
いつみても変わらず美しい阪急マルーン色。
西宮北口駅に着きました。
そういえば、三宮と西宮ってあるんですね。
二つの区別があまりついていません。三宮より東にあるけど西宮?
京都の西ということなんでしょうね。
門戸厄神前を通り、宝塚まで。
二つの会社の駅が並んでいる、ここでJRに乗りかえます。
宝塚までは来たことがありましたが、ここから先は見知らぬ場所になります。
見る見るうちに、窓の外は家が減り、反対に畑が増えて、ぐっと田舎の風景になっていきます。
30分近く乗っていき、相野駅で降りました。
● 神姫バス
目下、西国巡礼のお寺に向かっているところですが、まだ目的地ではありません。
ここから、さらに神姫バスに乗り換えます。
「かみひめ」ではなく「しんき」と読みます。
神秘的な名前のようですが、神戸と姫路を走っているバスということでしょう。
前に姫路駅から一乗寺に行く時にも、このバスに乗っています。
今回は1日2本しか走らない貴重な路線なので、なにがなんでも乗り損ねてはなりません。
座席後部についている降車ボタンは、初めて見ました。
ありそうでなかったー。
● おしゃれマダムたち
バスに、続々と人が乗りこんできました。
「婦人画報」とか読んでいそうな、夏服のお上品なマダムたちがたくさん。
みんな巡礼をしているんでしょうか?
とても混んだ状態で出発しました。
もう十分郊外に来ていますが、バスはさらに山の方へと向かいます。
途中、モダンデザインの建物がありました。
兵庫陶芸美術館だそう。
おしゃれマダムたちは、ここで一斉に降り、みんな、私を一瞥していきます。
「あれ、貴女は降りないんですの? 眠っているのなら起こしてさしあげてよ」という感じで。
そう、私は残るのです~。
バスに残った女性は私と一人のおばあさんのみ。
本当にシニアな人たちばかりになりました。
おや、なんだか車内に乾きもののにおいが立ち込め始めましたよ。
前席のおばあさんが、空いたからとさきイカの袋を開けて、食べ始めていました。
ローカル!
次にバスはこんだ薬師温泉前に停まり、そのおばあさんは降りていきました。
県内では有名な温泉なんだとか。
● 残るは紅一点
さて、これで乗客は6名。私以外はオール男性です。
いよいよガチにお寺巡りが目的の人ばかりが残りました。
さらにどんどんバスは山の中へ。
「清水」というバス停になり、「歩いて参拝する方は、ここで降りて下さい」とアナウンスが入りました。
ここから参道を歩いて行く人もいるのでしょうけれど、誰も降りません。
すると運ちゃんが「ここからお寺の敷地内に入ります。ちょっと人数を数えさせてください」と言って、おもむろに後ろを向き、座席の私たちを数えはじめました。
「いち、に、さん・・・6人ですね」
じきに、高速料金所のような場所にさしかかりました。
京都の善峯寺にも、こんな車用の入口がありましたが、そこは入山料ではなく、駐車料金を払う場所でした。
ここの料金所には、お寺の名前が書かれていて、本格的です。
一人500円の入山料を、運ちゃんがまとめて払いました。
観光バスでもないふつうの路線バスなのに、そういうことをしてくれるんですね。
次が終点。降りるときにバス代と入山料を一緒に払うシステムでした。
「帰りのバスは12時8分ですよ。5分前には着いているようにします」
運行が日に2本のみだから、取りこぼしのないように、帰りのバスの時間もしっかりアナウンスしてくれます。
ゆるいというか親しげな運ちゃん。
乗客が降りる時に「ありがと~」「行ってらっしゃい」などと声をかけています。
私が降りるときにも「気をつけてね~」と言って、手を振ってくれました。
運ちゃんに手を振られたのは初めて。優しげな人でうれしかったです。
● 播州清水寺
とうとう、西国第25番札所・播州清水寺に着きました。
降りると、目の前には京都の清水寺のような、朱色の立派な仁王門がありました。
その前には、仁王様の顔はめパネル。
お寺はすぐにはなく、門をくぐってから結構歩きます。途中に茶屋もありました。
金剛力士像は、奈良の仏師、菅原大三郎氏の遺作。
その後、大三郎氏の子息で東京芸大名誉教授、菅原靖男先生が修復しました。
親子で協力したんですね。
この前、醍醐寺で出会った親切なおじさんが「この寺には説明がなにもなくて不親切だ」と言っていました。
やっぱり説明パネルがあると、ずいぶん理解が深まります。
● 坂上田村麻呂と清水寺
平安初期の征夷大将軍、坂上田村麻呂がここに刀を奉納した絵がありました。
彼は、京都の音羽山清水寺を建立した人です。
西国観音霊場のお寺である二つの清水寺。
播州清水寺の方が古い創建で、坂上田村麻呂がこのお寺の霊験により征夷を成し遂げたため、よく似たお寺を京都の東山に建てたという言い伝えがあるそうです。
じつはこっちがオリジナルなのね!
● 広い境内
広い境内はうっそうとした緑に覆われ、山の中なので起伏があります。
あちこちに、古い石段が続いています。
「洗心甘露水」と彫られた手水舎。
放生池の前には「世界に一つ!加東遺産」の碑が。
お寺のある加東市は、市内十箇所の文化遺産や史跡を加東遺産に選定しているそうです。
薬師堂には、東京芸術大学の藪内佐斗司教授作の「十二神将」が安置されています。
「南無観世音菩薩」と背中にかかれたTシャツを着たスタッフの人が、お花をお供えしていました。
725年に創建された古い大講堂。聖武天皇の時代に建立されたんですね。
大きくてファインダーに入りきりません。
お堂の中には大勢の参拝者。
おみくじのバリエーションが豊富なことに驚きます。
飛び出し禁止坊やのおまもりがありました。
● 巡礼遍路
辺りは完全な山の中。コンビニなんてどこにもありません。
菅笠姿の巡礼遍路さんもいました。
この笠と金剛杖の持ち主は「山の下から歩いてきました」と話していました。
● 30年ぶりの御開帳
長い石段を登った先にある根本中堂。
ここのご本尊の観音様は秘仏で、今年11月に30年ぶりに御開帳されるそう。
でもそれを待ってはいられません。
一人の女性がお堂におり、お経を読み上げては、身体を丸めてお祈りしていました。
平清盛の武運を祈願して祇園女御が建てたといわれる多宝塔は、焼失して土台だけ。
再建が予定されているそうですが、この状態もまたロマンがあっていいと思います。
● 二十六夜の月見
敷地内にあった月見亭。
ここで、大法会回二十六夜の月見が行われます。
旧暦の1月と7月26日の夜に、月の出を拝む行事が二十六夜。
開催はちょうど明日、8月26日。
年に2度しかないチャンスですが、バスのない夜だから、どのみち参加できないわ~。
沙羅双樹の樹がありました。
「沙羅の木は、はかないもののたとえ」と書かれています。
平家物語の冒頭で詠まれている樹なので、たしかに諸行無常を意味しているんでしょうね。
● 鐘を鳴らすことば
古めかしい、立派な鐘楼がありました。
中に入ってみました。独特の建築様式です。
梵鐘を撞く時に唱える偈文(げもん)があるとは知りませんでした。
願此鐘聲超法界 鐵圍幽暗悉皆聞
三塗難苦生安養 一切眾生成正覺
お坊さんはみんな、こうした言葉を唱えてから鐘を打っているものなのかしら。
私も鳴らしてみたかったのですが、お参りした後に鐘を打ってはいけないものなので、下から見上げてがまん、がまん。
● おかげの井戸
お寺の名前のもととなった場所まで来てみました。
山の上のこの辺りは水に乏しく、開山した僧侶が水神に祈り、湧き水が出たという場所がありました。
池の水をのぞき込んで自分の姿が見えたら、寿命が3年延びるのだそう。
寿命の長さよりも、健康体でいられることの方が大事。と思いながらも近寄ります。
泉の上を大きな八チが2匹ぶんぶん飛んでいたので、寿命の長さよりもハチの攻撃の方が大事とばかりに、そっと立ち去りました。
見どころの多い、敷地の広いお寺。
バスの時間が気になって、少し早めに戻ってみると、すでに先ほど乗ってきた乗客の方々がいました。
やはりみなさん同じですね。
朝は曇り空だったのが、快晴になりました。
かんかん照りになり、暑くてみんな日陰で待機。
そのうち、バスがやってきました。また同じ運ちゃんでした。
行きのメンバーが再び集結し、乗客は先ほどと同じ6名。
とはいえ、みんなで一致団結するわけでもなく、淡々と乗り込みます。
97番目のお寺を訪れた安心感からか、私はすぐに眠りに落ちました。
山の中を通ってきたので、右に左にぶんぶん揺れたはずなのに、終点までもうぐっすり。
● 三田ビール
第1回三田ビール検定が行われるそうです。
三田というと有名私立大を思い出しますが、この辺りの地名で「みた」じゃなくて「さんだ」と読みます。
電車を待っていると、大勢の制服の高校生たちがやってきました。
夏休み中の登校日なのか、すでに半日授業の日なのか、よくわかりません。
電車が近づくと、向かいのホームから一斉にダッシュして、跨線橋を越えてきました。
素朴で元気な地方の高校生たち。南アルプス天然水っぽいです。(いや六甲おろしでしょう)
その2に続きます。
不思議さを感じなかったけれど
言われてみれば面白いところに気づきましたね。
神姫バスもしかり。
路線バスが拝観料を立て替えるシステムも
面白いですね。
大勢いてたらどうするんでしょうね?
知らない土地の旅は面白いですね。
南関東人なので、北関東方面に疎くって…。
神姫バス、なんだか素敵なイメージですよ。でも気づけば神奈川も、省略すれば神ですね~。
初めての土地って、本当におもしろいです (*^∀゚)!