風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

紫陽花の鎌倉散策 2-(2)

2015-06-28 | 神奈川
2-1からの続きです。
「これからどこに行こうか?」
「JRで鎌倉に出る? モノレールで江の島に出る?」
大船って、いろんな観光地にふらっと行ける、いい場所にありますね。
隣駅の北鎌倉に向かうことにしました。

○ 様子を見ながらお寺の中へ

先週、両親と訪れたときには、駅から列が続くほど混んでいた北鎌倉ですが、この日はそこまで混んでおらず、気楽に歩けます。
明月院に行く途中にあるアジサイ。見事でした。





混雑の様子をうかがいながら、明月院に近づいていきます。



なんだかこの日は、並ばずして入れそうな雰囲気。
よーし、入っちゃえ~。



○ 明月院ブルー

6月最後の週末にもなると、アジサイはピークを超えてそろそろ終わり際になっていますが、それでも境内の至る所に咲き乱れています。
どれも、明月院ブルーと呼ばれる青い色です。



このお寺のアジサイを見にきたのは、高校生の頃。
人でびっしりと混んだ境内は、前の人に続いて、じりじりと少しずつ動いていかないといけなくて、花を愛でるどころではありませんでした。

でもこの日は、広い境内を自由に散策できるくらいは、すいていました。
仏像にたむけられる花もアジサイ。品があります。



こちらもそう。アジサイの花を持った静かな表情の仏像が、ロマンチックです。
ペンダントは参拝者がかけたのでしょう。



いくら混んでいても、やはりきれいなものはきれい。
盛りの時期を一週間ずらしたことで、散策を楽しめました。



「地層がすごーい!」とアコリンが声をあげます。
むむ、もしや地層ファン? 私も結構好きで、三浦半島の断層をチェックしに行ったりしているので、お仲間かと反応します。



断層に向けてカメラを構えていたのは、私たちだけでした。

○ そうだ 鎌倉、行こう。

御朱印をいただき、枯山水の庭園を眺め、月見窓をのぞきます。
京都・源光庵の「悟りの窓」のような素晴らしい眺めが、鎌倉にもあったなんて。



「そうだ 鎌倉、行こう。」
ここなら、京都にも対抗できますね。



枯山水の庭もありました。風流です。



住職さんの手作りなのか、いくつも餌箱があり、そこにリスや、ハトヤ、スズメがやってきていました。
かわいーい。このお寺ではウサギを何匹も買っているようで、小屋もありました。







境内には、アジサイを愛でる浴衣の女性も見かけます。とっても絵になるわ~。



すてきです。浴衣の女性はみんな荷物を持っていないので、近くに着替える場所が整っているのかしら。
男性版もあればいいのに。



アコリンが「京都の人は、鎌倉のことをどう思っているんだろう」と言いました。
考えてみましたが、よくわかりません。
「坂東モンの土地」と思われているのかしら。
武士の町なので雅さには欠けますが、ワビサビはあるし、大仏もあるので、京都と奈良を合わせてコンパクトにした古都っていう説明でいいかしら?
さらに海もあって、江の島が近いんです。いいでしょう、ふふふ。



○ いまどきの円覚寺

次は円覚寺に行きました。
北鎌倉に降りるたびに、このお寺の門を眺めながら前を通っています。
中に入るのは、ずいぶん久しぶり。
どんな境内だったか、覚えていないほどです。



入口に「拝観料はSuica・Pasmo対応」と書いてありました。
いまどきで、びっくり~!



去年、京都の建仁寺で、御朱印帳購入時にクレジットカードが使えることにカルチャーショックを受けましたが、それに次ぐ衝撃!!
受付でお財布を開けてコインを数える手間が省けるし、混雑も緩和されるため、一石二鳥なのでしょう。
便利だわ~。勢い余って、出したままのPasmoで、自販機からペットボトルを買いました。



奥に広い造りです。建長寺のよう。
本堂まで伽藍がまっすぐ並んでいる禅寺のつくり、そのままです。



山門の周りには、アジサイの花が咲いていました。
明月院ほどではありませんが、ここでも鑑賞できます。
鎌倉はアジサイに適した土壌らしく、たいていのところで、アジサイを愛でられるのです。



方丈にあがると、人々が池のある庭園を眺めてくつろいでいました。
外国人の参拝者もいました。

「外国人って、ZENが好きだよね。なぜだろう?」
「シンプルだからかなあ?」
境内の売店には「禅」とだけ書かれたTシャツも売られています。



円覚寺といえば、舎利殿。学校で習いましたね。
いつも公開されているわけではなく、普段は遠くから眺めるだけ。
画像のつき当たりの場所になります。



ご本尊は宝冠釈迦如来。冠をかぶった珍しいお釈迦様の像で、明るいお堂内に鎮座していました。

○ 観音巡りの最終地

ここまできたからには、目指したい場所があります。
それは、境内にある仏日庵。
鎌倉三十三観音巡りをしている私は、最後の二つのお寺がなかなか埋まらなずにいましたが、先程その一つ、明月院で御朱印をいただきました。
残る三十三番目の観音様は、円覚寺内の仏日庵のものなのです。

もしかして、これでコンプリートできちゃう?
ワクワクしてきます。
しかし、境内のあちこちには「百観音」と書かれた木看板が立っているので、(なになに?)とそのたびにキョロキョロ。

どうやら、円覚寺の境内だけで、百観音巡りができるのだそう。そんなにあるのー?
円覚寺には現在、19の塔頭があり、仏日庵はその一つです。
大きなお寺なんですね。



目指す仏日庵にたどり着きましたが、お堂ではなにやら講演会をしている様子。
男性がてきぱきと話す声が、マイクを通じて聞こえてきます。
ひとまず、前を素通りして、境内の一番奥のまで行ってお参りしました。
戻ってくると、ちょうど講演会が終わったところで、人々が帰るところでした。
年齢層は広けれど、女性がほとんど。

○ 北条時宗つながり

「どなたの講演会だったんですか?」とお坊さんに尋ねると、「和泉元彌さんです」と教えてもらいました。
「いずみもとや!」と2人で声を合わせます。
思いもよりませんでした。
禅寺と狂言は、どちらも和の世界のものではありますが、なんとなく意外な組みあわせ。

でも、そのわけがわかりました。
円覚寺は、北条時宗が立てたお寺で、ここ仏日庵は、時宗を祀るお寺。
和泉元彌は、かつて大河ドラマ『北条時宗』で主役を演じた人。
その縁から、彼と円覚寺とは、今でもつながりがあるようです。
なるほど~。

『風林火山』で上杉謙信役を演じたGacktが、新潟の謙信公祭に何度も呼ばれているという話は聞いていましたが、別の作品でも、役者とゆかりの地の縁は続いていたんですね。

見せていただいたチラシには、こう書かれていました。

 『北条時宗公×和泉流宗家』
  北鎌倉狂言の会
 とき:6月28日(日)14:00〜
ところ:北鎌倉・円覚寺山内 佛日庵本堂
 番組:狂言のおはなし
    狂言小舞
    狂言『盆山』『二人袴』

会の終了後、時宗(元彌)は、建物の横で待っていた黒塗りの車に乗って、サーッと帰って行きました。



○ 観音巡りコンプリート

お参りをして、御朱印をいただきました。
ここは鎌倉観音巡りの最後、第三十三番目になるので、あわせて「結願」印を押していただきました。
第一番目の杉本寺で「発願」印をいただいてから、約2年。
とうとう、33のお寺をコンプリートしたのです。
やったあーー!!
ここに辿り着くまでに、いろんな苦労があったのだわ。
じわじわと感動がこみ上げます。



アコリンも「おめでとう!」と言ってくれました。
彼女にはほかの巡礼にも、付き合ってもらったりしています。
そして彼女は、秋に白装束姿で四国八十八カ所巡りにチャレンジする予定だそう。がんばって~。

○ 早めに帰り、雨をしのぐ

スキップ気分で石段を降り、帰途につきました。
洞窟寺に、あじさい寺に、元彌、いえ北条時宗ゆかりのお寺。
どれも堪能できたので、帰りの電車が混む前に、横浜に戻ることにします。

電車に乗ると、急に空が暗くなりました。
アメッシュで見てみると、この辺りだけ、局地的に雨雲が密集しています。
そのうちに、雨粒が窓を伝いはじめました。
電車に乗っていて、ラッキー!



○ ふたたびLUMINE

横浜でお茶をすることにしました。
昼に大船LUMINEに入りましたが、夕方には横浜LUMINEに入ります。
大船LUMINEよりも通路が狭くて人がたくさん。
BARBARA a tableに入ると、南仏を基調としたような白くて広い店内。お客さんは、見事に女子ばかりでした。
おお~、壮観だわ~。男子はどこに行ったんだろう?



塩キャラメルクレープと紅茶を頼み、次の旅についてのおしゃべり。
それぞれに次に行く予定の旅の話や、今度一緒に出かける旅の予定など。
あれこれ話していると、時間がたつのを忘れます。

○ 秘境ブーム到来?

カフェを出てから、下の階の有隣堂でブックチェックをしました。
アコリンの本もちゃんと置かれています。
「今、秘境と日本刀が流行っているんですって」
確かに、いくつもの雑誌で、どちらの特集も組まれています。

この日入った洞窟も、秘境度数はかなり高かったです。
今回は、それほど人混みに遭うことなく、鎌倉の一番いい季節を愉しめた2日間となりました。



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