○ prologue (3/5-6)
まだ風の冷たい3月、多摩川流域を訪れるツアーに、モコちゃんと参加しました。
多摩川駅伝カヌー大会の観戦がメインの、東京都主催のイベントです。
毎日渡っている多摩川。下流の辺りは知っていても、山に近い上流の方はよくわかりません。
以前、鶴見川の源流を訪ねて行ったことはありますが、多摩川はそこまで詳しくないので、これはいい機会。
知らない場所の多摩川に出かけましょう。
○ 立川スタート
ゆっくり寝ていたい土曜日ですが、早起きして出発します。
集合場所は立川駅。行くまでが時間がかかるのです~。
モコちゃんとも現地集合。お互いに眠い顔をしています。
2人とも、立川は知らない場所。
集合場所は駅から少し歩いたところで、地図を見ながら向かいますが、寝ぼけた頭ではよくわかりませんでした。
女性が集まっている黄色いはとバスを発見。これだわ。
今回は、女性のみのツアー。年の近い女性50人が集まって、はとバス2台に乗っていきます。
不思議な環境だわ~。女子高体験が一度もない私は、女だらけの世界に慣れていません。なんだかドキドキします。
JTBの添乗員さんやはとバスのバスガイドさんがいろいろと説明をしてくれますが、全体的にバスの中は静か。
女性だけなら、もっとワーキャー、ぺちゃくちゃ、騒がしいのかと思いましたが、そんなことはありません。
大人な方々が集まったのかも。というか、朝早いからみんなまだ半分寝ているんでしょう。
モコちゃんと私も半分うとうとしながら、バスに揺られていきます。
○ 青梅市・釜の淵公園
この日のイベントは、「多摩川カヌー駅伝大会」の観戦。
まず行ったのが、青梅の釜の淵公園。
かんぽの宿もあり、かなり奥地にまで来たような気になりましたが、地図で見ると青梅駅のすぐそば。
10時からの開会式に参列します。
そんなに参列者が多くないなあと思ったら、今回から始まる大会なんだそう。
始めが肝心。盛り上げていかなくちゃね!
○ 市長が選手?
まずは浜中青梅市長が開会のあいさつを行いました。
市長はなんと第1区のカヌー選手ということで、挨拶をしたら準備のためにさっと姿を消しました。
市長が選手?一人二役のような活躍ぶりですね。スーパーマンとかスパイダーマンとかバットマンみたい。ヒーローってみんな忙しいんだわ。
壇上から下りた青梅市長を見送る市長たち
続いて、並木羽村市長、加藤福生市長、澤井あきる野市長が挨拶に立ちます。
みんな多摩川流域つながりということで、結束が固いようです。
ぼーっとしていたら、ゆるキャラがぽくぽくと歩いてやってきました。
キャー、かわいい!続々に登場してきます。
全部で6体もいるので、一気にテンションが上がります。
○ 知人とばったり
スーツ姿の、いかにも偉いさん的な人たちが何人もいます。
その中に金髪の男性の姿が見えました。
「ダニエル・カールさんもいるのね」と、隣にいた人が話しかけてきました。
「ああ、あの人が」と言いながら隣の人を見て、おやと思った私。
「あの、前にお会いしませんでしたっけ?」
「あれ、どこで?」
このままだとあやしいナンパになってしまいます。勇気を出して、踏み込んでみました。
「モモブタさんじゃありませんか・・・?」
「やだー、どうして~?」
わ~、よかった、本人でした。
「リカです。前に日光でお会いした」
「あ、リカさんーー!すぐ気づかずにごめんね、この前札幌のブログ上げてたね」
なんと、参加者女性の中に、知り合いがいたのです。
彼女は、以前日光で雨宿りに入った茶店で相席になり、一緒にあんみつを食べた人でした。
ものの10分くらいしか喋らなかったし、大雨に降られてお互い服も髪もぬれねずみ状態だったため、すぐに気が付かないのも当然。
逆に自分がどうしてわかったのか、不思議ー。
○ カールさんと
開会式の後で、ダニエル・カールさんと一緒に写真を撮ってもらいました。
今回の企画担当の美しい多摩川フォーラムの副会長だそう。
山形にいる人だと思っていましたが、もっと活動範囲は広いようです。
「この前クラゲの水族館(加茂)に行きました」と話すと、「ああ、あそこのクラゲすごいよね」と返してもらいました。
やっぱり強い山形弁のイントネーションでした。
多摩川のクイズに答えると、大会用の瓦せんべいをもらえました。
瓦せんべい、おいしいですよね。
おせんべいにカラーの印刷がされているものを、初めて見ました。
モコちゃんは、前に仕事の取引先からもらったことあるそうです。
はやりなのかしら?
○ 優勝予想
全17キロの行程を1チーム4人でつなぐリレー。駅伝というのが珍しいです。
参加する17チームの優勝予想をすることになりました。
モコちゃんは「やっぱり有利だよね」と地元チームを選びましたが、私は横浜から参加したチーム、「ヨコハマボーイズ」にしました。
遠いところお疲れさま。ここまでやってくるハマの応援者はほとんどいなさそうなので、私が応援しましょう。
私たちは水際で応援しようと、河岸に出ました。
「わあ、水がきれい」と声が上がります。
この辺りの多摩川は、とても澄んでいて、魚も住みやすそう。
私の知っている(ガス橋あたりの)多摩川とは違います。
○ カヌーに立つ人
午前10時半にレース開始の号砲がし、カヌーにのった選手たちが上流からやってきました。
先ほどの青梅市長はどこにいるのかな?もうスーツじゃないので、わかりません。
あれれ?なんだか立っている人がいますよ。
落ちないの?初めて見たので、ビックリ。
スタンドアップパドルボーディング(SUP)というそうです。
チーム名にHALAUという言葉がついているのが、サップのチームだそう。
戦国BASARAの武田信玄を思い出しました。(二頭の馬の背に立って乗るキャラ)
吊り橋の上から応援している人もいました。
橋から観戦したモモブタさんは、遠くのスタート地点の様子が見えたとのこと。
カヌーに乗ってスタンバイして「よーい、ドン!」ではなかったそうです。
スタート時、選手は陸にいて、そこから水際にダッシュして、カヌーに乗り込んだそうです。
○ バスに元オリンピック選手
スタート地点で選手たちを見送った後、別の地点に先回りして応援するために、バスに戻ります。
新たに一人の女性が乗り込みました。
バルセロナとアトランタオリンピックに出場したカヌースラローム選手、小林弘子さん(現・笹本)。
「みなさん、どのチームに優勝予想を建てましたか?私は、1番の青梅レジェンドにしました」とのこと。
(青梅市長のチームだから、盛り上げてさしあげたのね)と思ったら、「違うんじゃない。プロの目で見て、ほかのチームの状態もわかってるんだよ」とモコちゃん。
どっちかしらー。
○ 羽村取水堰
2番目の応援地点、羽村取水堰でバスを降り、選手たちを待ちかまえます。
この辺りは、川底が透けており、見るからに浅くて、カヌーが浮かびそうにありません。
モコちゃんとモモブタさんと「どうやるんだろうね」と怪しみます。
選手たちがやってきました。
見守っていると、よっこいせとカヌーをかついで陸に上がり、走り始めました。
ええ~、降りちゃうの?運んじゃうの? ほんとですか~?
目の前の光景に驚いて、目が点になりました。
でも、そうするしかない浅瀬ですからねー。
エッサ、ホイサ。
やはりここは乗れない場所。仲間が登場してカヌーを運ぶのを手伝うチームもありました。
深さのある場所まで歩いて移動し、そこから再びカヌーに乗ります。
「ヨコハマボーイズ」が来ないうちに時間となり、またバスに戻ります。
○ 玉川ブロスの像
玉川兄弟の像があったので「わー!」と近寄っていきました。
羽村って玉川上水の起点になるんですね。
もともと、羽村取水堰は、1654(承応3)年に玉川上水ができた時に設置された出発点。
前に、玉川上水に行きたいなと、玉川上水駅まで行ってみたことがありました。
太宰が入水したのは三鷹の辺りで、そこは散策済みでしたが、上水があるのはもっとずっと上流の方だと、その時に知りました。
つまりその時は収穫なしだったんですが、私が来たかったのは、ここだったんだわ~。
玉川ブラザーズ、後ろが兄で前が弟。
この人たちはたった8カ月で、43キロの水路を作り上げ、その後は多摩川の水を江戸に引き入れられることになったたんだそう。
すごいですねー。
私が知っているすごい水路造りの人は、このブラザーズと京都のインクライン、あとは御茶ノ水の伊達堀を作った政宗です。
でも、ほかの人たちはみんなスルーしていきます。
反応していたのは私くらい?
モコちゃんに撮ってもらって「撮る?」と聞いたら「いや、私はいいわ。知らない人たちだし」あ、そうですか・・・。
『逆転裁判』っぽいポーズになりました。。。
○ 福生市・多摩川堤防
第3区地点の福生にやってきました。どことなくアメリカンな店構えが続きます。
地図を見ると福生駅から歩いてこれる場所です。
全くわからなかったこのあたりの土地位置が、少しずつわかってきた感じ。
先ほどはずいぶん距離がありましたが、ここは水際で応援できたので、手を伸ばしたらタッチできるくらいすぐそばを、選手たちが漕いで行きました。
とつぜん私たちの背後から、「太郎、がんばれえぇ~!」の大声が響き渡ります。
振り向くと、それは笹村さんでした。
お友達なんですね。
それを聞いて、私たちもいっせいに「タローさーん!」「ファイトー!」と声援を送ります。
太郎さんは「はーい!」と元気よく返事をして、大きくオールをこいでいきました。
おお、接戦ですね。ピンとした空気が張り詰めています。
応援する側も力が入ります。
どっちもがんばれー!
あっという間に目の前を通り過ぎます。
後ろから見ると、臨場感がさらにたっぷり。
背中にも声援を送ります。
向こう岸には、私たちのキャーキャーという応援はどこ吹く風といった様子で、黒い兄弟犬たちのリードを解いてのんびり遊ばせている人がいました。
○ 昭島市・くじら運動公園
カヌー大会のゴールはクジラ運動公園。
え、川じゃなくて運動場?
どうやってカヌーで陸にゴールするの?
疑問でモヤモヤしながらゴール地点に向かうと、ちょうど一目散に人が走ってきました。
カヌー選手でした。最後にはカヌーから下りて、バトン代わりのオール片手に土手を駆け上がり、走ってゴールするそう。
カヌーは上半身の筋力で決まると思っていましたが、最後の最後には脚力も使うんですね。
もはやトライアスロン状態。全身運動なんですねー。
ゴォール!おめでとーう!
ゴールの横にはゆるきゃらもそろってお祝いしてくれます。
みんなもスタート地点から先回りして、ここまでやってきたのね。
もつれこむようにゴールし、待ち構えていた監督に肩をかかえられ、健闘を祝われる選手。
いい光景ですね。
(ちょうどいいタイミングだったわ!)と思いましたが、彼女チームが優勝ではありませんでした。
私たちが着くよりも早く、すでに1位はゴールした後だったんです。
バスより速かったのね~。
一位のチームは、なんと青梅市長、浜中啓一さんのいる「青梅レジェンド」!
市長はゴールのそばにいて、ニコニコしていました。
○ 燃えつきた選手
ふと、屋台の奥に目をやると、そこにはゴールしたての選手が一人うずくまっていました。
落ち込んでるの?悲しんでるの?感動してるの?
四つん這いになって、ひそかに呼吸を整えていました。
わざわざ人ごみから離れた場所にいるので、一人の時間が欲しいのだろうと、私たちも声をかけずに遠くからそっと見守ります。
あっ、立ちあがった。復活したようです。
呼吸が戻ったようで、普通に歩いて人々の方へと戻っていきました。
ヒーローは、弱音を吐かないものですね。
○ 地元B級グルメ
表彰式を待つ間、特設屋台の地元のB級グルメをいただきました。
私たちが選んだのは、モツ丼。
(モツって固くて、なかなか飲みこめなさそう)と思っていましたが、とってもソフトで固さを感じずに、おいしく食べられました。
13時半。まだゴールしていないチームもありますが、表彰式が始まりました。
そして上位3位の表彰式。
優勝した「青梅レジェンド」。市長は満面の笑みで金メダルを受けます。おめでとう!
さっきみんなでエールを送った太郎さんも、このチームのメンバーで、安藤太郎さんという、やはりオリンピックに出たすごい人でした。
それにカヌー協会の藤野強さん、そして北京オリンピックで第4位だった竹下百合子さん。
皆さん、国の代表レベルのプロ集団だったんじゃないですか!
2位は「Team POSI」。三島三兄弟という、カヌー業界では名の知られたジュニア代表3人がいるそうですが、その2人がいたとのこと。
3位は「Team OME Jr」。
十代の参加者もいますが「東京オールディーズ」のメンバーは60ー70代。
年齢関係なく楽しめるのがカヌーの魅力だそうです。
表彰式の真っ最中に、ようやくゴールした選手が。
なんと、私が推していた「ヨコハマボーイズ」じゃないですか。
まあ、間の悪いときに。
横浜出身者は私のほかにいないかもしれないので、同郷のよしみとしてゴールに駆け寄ってねぎらおうと思っていましたが、式の最中だったのでできませんでした。
成績は、参加17チームのうち、後ろから3位くらい。
土地勘がない場所で早朝にコンディションを合わせなくてはならない不利な状況の中、途中棄権せずに最後まで戦ったのがすばらしい!
お疲れ様でした。またがんばりましょう!
さっきは名前がわからなかったゆるキャラも、わかってきました。
茶色い2匹は、あきる野市のキャラクターの兄弟キャラ「森っこサンちゃん」だそうです。
モデルはなんだろうと思ったら、秋川渓谷のトウキョウサンショウウオがモチーフなんだとか。
思いつかなかったー!
正直、サンショウウオとシーラカンスの区別があんまりついていない私。
「昭島の水はおいしいですよ」といただきました。
地下水なのだそう。都内で地下水が飲めるなんていいですね。
ゆるキャラはカッパの「ちかっぱ」。
「ち、ってなんだろう?カッパのチカちゃん?」と言ったら「地下水じゃない?」とモコちゃん。
そうだね!冴えてるゥ~。ていうより私の頭、まだ寝てるゥ~。
○ ゆるキャラほったらかし
スタート地点で会った時には、私たちみんなでキャーキャー彼らを取り囲んでいましたが、もはや見慣れてしまったため、ここでは割と放置されています。
マスコミも、表彰式の方ばかり注目して、全くカメラは向けられていません。
それでもちゃんとおとなしくしている、空気を読めるゆるキャラたちでした。
そんな彼らに興味津々なのが、犬と子ども。
これはこれで、いい絵でした。
○ 東京の市とカヌー
開会式にも閉会式にも、多摩川流域の市長たちが勢ぞろい。
北川昭島市長の閉会挨拶で幕を閉じました。
実は23区外の東京の市って、よくわかっていない私。
正直、23区だって全部そらで言えるか自信がありませんもの。
市は全部でいくつあるのかさえわかっていないし、地理もさっぱり。
そこで、地図でこの日観戦した場所をチェックしてみました。
開会式地点の青梅が一番都心から離れていて、そこから、羽村、福生、昭島と、少しずつ朝の集合場所の立川に戻ってきたんですね。
地図だけ見ると「あれれ?」ですが、カヌーは多摩川の流れに乗っていくスポーツ。
まずは遠い上流へ行き、それから少しずつ下流へと戻っていったというわけです。
カヌーには乗ったことがないし、正直(おもしろいのかな)と不安でしたが、すごく楽しかったです。
見ているだけでもワクワクしました。
自分も今度やってみたいわ~。
モコちゃんは、シーカヤック体験をしたことがあるそう。
カヌーとカヤックの違いって何かしら?大きさかな?
○ クジラゆかり
クジラ運動公園ではマンホールもクジラでした。その写真を見た友人が「何故クジラ?」と疑問に思って、調べてくれました。
昭和36年に、クジラの化石がこの辺りの多摩川から発見されたため、クジラが市のシンボルになっているんだそう。
今では海から遠く離れている場所なのに、大昔には、この辺りにクジラがいたなんて、ロマンですね。
ゴーッというごう音と主に、ものすごく近くを飛行機が通っていきました。
福生飛行場に降りるのでしょうか。
あまりに接近していたので、驚いて見上げていたら、写真に撮り損ねました。
その2に続きます。
まだ風の冷たい3月、多摩川流域を訪れるツアーに、モコちゃんと参加しました。
多摩川駅伝カヌー大会の観戦がメインの、東京都主催のイベントです。
毎日渡っている多摩川。下流の辺りは知っていても、山に近い上流の方はよくわかりません。
以前、鶴見川の源流を訪ねて行ったことはありますが、多摩川はそこまで詳しくないので、これはいい機会。
知らない場所の多摩川に出かけましょう。
○ 立川スタート
ゆっくり寝ていたい土曜日ですが、早起きして出発します。
集合場所は立川駅。行くまでが時間がかかるのです~。
モコちゃんとも現地集合。お互いに眠い顔をしています。
2人とも、立川は知らない場所。
集合場所は駅から少し歩いたところで、地図を見ながら向かいますが、寝ぼけた頭ではよくわかりませんでした。
女性が集まっている黄色いはとバスを発見。これだわ。
今回は、女性のみのツアー。年の近い女性50人が集まって、はとバス2台に乗っていきます。
不思議な環境だわ~。女子高体験が一度もない私は、女だらけの世界に慣れていません。なんだかドキドキします。
JTBの添乗員さんやはとバスのバスガイドさんがいろいろと説明をしてくれますが、全体的にバスの中は静か。
女性だけなら、もっとワーキャー、ぺちゃくちゃ、騒がしいのかと思いましたが、そんなことはありません。
大人な方々が集まったのかも。というか、朝早いからみんなまだ半分寝ているんでしょう。
モコちゃんと私も半分うとうとしながら、バスに揺られていきます。
○ 青梅市・釜の淵公園
この日のイベントは、「多摩川カヌー駅伝大会」の観戦。
まず行ったのが、青梅の釜の淵公園。
かんぽの宿もあり、かなり奥地にまで来たような気になりましたが、地図で見ると青梅駅のすぐそば。
10時からの開会式に参列します。
そんなに参列者が多くないなあと思ったら、今回から始まる大会なんだそう。
始めが肝心。盛り上げていかなくちゃね!
○ 市長が選手?
まずは浜中青梅市長が開会のあいさつを行いました。
市長はなんと第1区のカヌー選手ということで、挨拶をしたら準備のためにさっと姿を消しました。
市長が選手?一人二役のような活躍ぶりですね。スーパーマンとかスパイダーマンとかバットマンみたい。ヒーローってみんな忙しいんだわ。
壇上から下りた青梅市長を見送る市長たち
続いて、並木羽村市長、加藤福生市長、澤井あきる野市長が挨拶に立ちます。
みんな多摩川流域つながりということで、結束が固いようです。
ぼーっとしていたら、ゆるキャラがぽくぽくと歩いてやってきました。
キャー、かわいい!続々に登場してきます。
全部で6体もいるので、一気にテンションが上がります。
○ 知人とばったり
スーツ姿の、いかにも偉いさん的な人たちが何人もいます。
その中に金髪の男性の姿が見えました。
「ダニエル・カールさんもいるのね」と、隣にいた人が話しかけてきました。
「ああ、あの人が」と言いながら隣の人を見て、おやと思った私。
「あの、前にお会いしませんでしたっけ?」
「あれ、どこで?」
このままだとあやしいナンパになってしまいます。勇気を出して、踏み込んでみました。
「モモブタさんじゃありませんか・・・?」
「やだー、どうして~?」
わ~、よかった、本人でした。
「リカです。前に日光でお会いした」
「あ、リカさんーー!すぐ気づかずにごめんね、この前札幌のブログ上げてたね」
なんと、参加者女性の中に、知り合いがいたのです。
彼女は、以前日光で雨宿りに入った茶店で相席になり、一緒にあんみつを食べた人でした。
ものの10分くらいしか喋らなかったし、大雨に降られてお互い服も髪もぬれねずみ状態だったため、すぐに気が付かないのも当然。
逆に自分がどうしてわかったのか、不思議ー。
○ カールさんと
開会式の後で、ダニエル・カールさんと一緒に写真を撮ってもらいました。
今回の企画担当の美しい多摩川フォーラムの副会長だそう。
山形にいる人だと思っていましたが、もっと活動範囲は広いようです。
「この前クラゲの水族館(加茂)に行きました」と話すと、「ああ、あそこのクラゲすごいよね」と返してもらいました。
やっぱり強い山形弁のイントネーションでした。
多摩川のクイズに答えると、大会用の瓦せんべいをもらえました。
瓦せんべい、おいしいですよね。
おせんべいにカラーの印刷がされているものを、初めて見ました。
モコちゃんは、前に仕事の取引先からもらったことあるそうです。
はやりなのかしら?
○ 優勝予想
全17キロの行程を1チーム4人でつなぐリレー。駅伝というのが珍しいです。
参加する17チームの優勝予想をすることになりました。
モコちゃんは「やっぱり有利だよね」と地元チームを選びましたが、私は横浜から参加したチーム、「ヨコハマボーイズ」にしました。
遠いところお疲れさま。ここまでやってくるハマの応援者はほとんどいなさそうなので、私が応援しましょう。
私たちは水際で応援しようと、河岸に出ました。
「わあ、水がきれい」と声が上がります。
この辺りの多摩川は、とても澄んでいて、魚も住みやすそう。
私の知っている(ガス橋あたりの)多摩川とは違います。
○ カヌーに立つ人
午前10時半にレース開始の号砲がし、カヌーにのった選手たちが上流からやってきました。
先ほどの青梅市長はどこにいるのかな?もうスーツじゃないので、わかりません。
あれれ?なんだか立っている人がいますよ。
落ちないの?初めて見たので、ビックリ。
スタンドアップパドルボーディング(SUP)というそうです。
チーム名にHALAUという言葉がついているのが、サップのチームだそう。
戦国BASARAの武田信玄を思い出しました。(二頭の馬の背に立って乗るキャラ)
吊り橋の上から応援している人もいました。
橋から観戦したモモブタさんは、遠くのスタート地点の様子が見えたとのこと。
カヌーに乗ってスタンバイして「よーい、ドン!」ではなかったそうです。
スタート時、選手は陸にいて、そこから水際にダッシュして、カヌーに乗り込んだそうです。
○ バスに元オリンピック選手
スタート地点で選手たちを見送った後、別の地点に先回りして応援するために、バスに戻ります。
新たに一人の女性が乗り込みました。
バルセロナとアトランタオリンピックに出場したカヌースラローム選手、小林弘子さん(現・笹本)。
「みなさん、どのチームに優勝予想を建てましたか?私は、1番の青梅レジェンドにしました」とのこと。
(青梅市長のチームだから、盛り上げてさしあげたのね)と思ったら、「違うんじゃない。プロの目で見て、ほかのチームの状態もわかってるんだよ」とモコちゃん。
どっちかしらー。
○ 羽村取水堰
2番目の応援地点、羽村取水堰でバスを降り、選手たちを待ちかまえます。
この辺りは、川底が透けており、見るからに浅くて、カヌーが浮かびそうにありません。
モコちゃんとモモブタさんと「どうやるんだろうね」と怪しみます。
選手たちがやってきました。
見守っていると、よっこいせとカヌーをかついで陸に上がり、走り始めました。
ええ~、降りちゃうの?運んじゃうの? ほんとですか~?
目の前の光景に驚いて、目が点になりました。
でも、そうするしかない浅瀬ですからねー。
エッサ、ホイサ。
やはりここは乗れない場所。仲間が登場してカヌーを運ぶのを手伝うチームもありました。
深さのある場所まで歩いて移動し、そこから再びカヌーに乗ります。
「ヨコハマボーイズ」が来ないうちに時間となり、またバスに戻ります。
○ 玉川ブロスの像
玉川兄弟の像があったので「わー!」と近寄っていきました。
羽村って玉川上水の起点になるんですね。
もともと、羽村取水堰は、1654(承応3)年に玉川上水ができた時に設置された出発点。
前に、玉川上水に行きたいなと、玉川上水駅まで行ってみたことがありました。
太宰が入水したのは三鷹の辺りで、そこは散策済みでしたが、上水があるのはもっとずっと上流の方だと、その時に知りました。
つまりその時は収穫なしだったんですが、私が来たかったのは、ここだったんだわ~。
玉川ブラザーズ、後ろが兄で前が弟。
この人たちはたった8カ月で、43キロの水路を作り上げ、その後は多摩川の水を江戸に引き入れられることになったたんだそう。
すごいですねー。
私が知っているすごい水路造りの人は、このブラザーズと京都のインクライン、あとは御茶ノ水の伊達堀を作った政宗です。
でも、ほかの人たちはみんなスルーしていきます。
反応していたのは私くらい?
モコちゃんに撮ってもらって「撮る?」と聞いたら「いや、私はいいわ。知らない人たちだし」あ、そうですか・・・。
『逆転裁判』っぽいポーズになりました。。。
○ 福生市・多摩川堤防
第3区地点の福生にやってきました。どことなくアメリカンな店構えが続きます。
地図を見ると福生駅から歩いてこれる場所です。
全くわからなかったこのあたりの土地位置が、少しずつわかってきた感じ。
先ほどはずいぶん距離がありましたが、ここは水際で応援できたので、手を伸ばしたらタッチできるくらいすぐそばを、選手たちが漕いで行きました。
とつぜん私たちの背後から、「太郎、がんばれえぇ~!」の大声が響き渡ります。
振り向くと、それは笹村さんでした。
お友達なんですね。
それを聞いて、私たちもいっせいに「タローさーん!」「ファイトー!」と声援を送ります。
太郎さんは「はーい!」と元気よく返事をして、大きくオールをこいでいきました。
おお、接戦ですね。ピンとした空気が張り詰めています。
応援する側も力が入ります。
どっちもがんばれー!
あっという間に目の前を通り過ぎます。
後ろから見ると、臨場感がさらにたっぷり。
背中にも声援を送ります。
向こう岸には、私たちのキャーキャーという応援はどこ吹く風といった様子で、黒い兄弟犬たちのリードを解いてのんびり遊ばせている人がいました。
○ 昭島市・くじら運動公園
カヌー大会のゴールはクジラ運動公園。
え、川じゃなくて運動場?
どうやってカヌーで陸にゴールするの?
疑問でモヤモヤしながらゴール地点に向かうと、ちょうど一目散に人が走ってきました。
カヌー選手でした。最後にはカヌーから下りて、バトン代わりのオール片手に土手を駆け上がり、走ってゴールするそう。
カヌーは上半身の筋力で決まると思っていましたが、最後の最後には脚力も使うんですね。
もはやトライアスロン状態。全身運動なんですねー。
ゴォール!おめでとーう!
ゴールの横にはゆるきゃらもそろってお祝いしてくれます。
みんなもスタート地点から先回りして、ここまでやってきたのね。
もつれこむようにゴールし、待ち構えていた監督に肩をかかえられ、健闘を祝われる選手。
いい光景ですね。
(ちょうどいいタイミングだったわ!)と思いましたが、彼女チームが優勝ではありませんでした。
私たちが着くよりも早く、すでに1位はゴールした後だったんです。
バスより速かったのね~。
一位のチームは、なんと青梅市長、浜中啓一さんのいる「青梅レジェンド」!
市長はゴールのそばにいて、ニコニコしていました。
○ 燃えつきた選手
ふと、屋台の奥に目をやると、そこにはゴールしたての選手が一人うずくまっていました。
落ち込んでるの?悲しんでるの?感動してるの?
四つん這いになって、ひそかに呼吸を整えていました。
わざわざ人ごみから離れた場所にいるので、一人の時間が欲しいのだろうと、私たちも声をかけずに遠くからそっと見守ります。
あっ、立ちあがった。復活したようです。
呼吸が戻ったようで、普通に歩いて人々の方へと戻っていきました。
ヒーローは、弱音を吐かないものですね。
○ 地元B級グルメ
表彰式を待つ間、特設屋台の地元のB級グルメをいただきました。
私たちが選んだのは、モツ丼。
(モツって固くて、なかなか飲みこめなさそう)と思っていましたが、とってもソフトで固さを感じずに、おいしく食べられました。
13時半。まだゴールしていないチームもありますが、表彰式が始まりました。
そして上位3位の表彰式。
優勝した「青梅レジェンド」。市長は満面の笑みで金メダルを受けます。おめでとう!
さっきみんなでエールを送った太郎さんも、このチームのメンバーで、安藤太郎さんという、やはりオリンピックに出たすごい人でした。
それにカヌー協会の藤野強さん、そして北京オリンピックで第4位だった竹下百合子さん。
皆さん、国の代表レベルのプロ集団だったんじゃないですか!
2位は「Team POSI」。三島三兄弟という、カヌー業界では名の知られたジュニア代表3人がいるそうですが、その2人がいたとのこと。
3位は「Team OME Jr」。
十代の参加者もいますが「東京オールディーズ」のメンバーは60ー70代。
年齢関係なく楽しめるのがカヌーの魅力だそうです。
表彰式の真っ最中に、ようやくゴールした選手が。
なんと、私が推していた「ヨコハマボーイズ」じゃないですか。
まあ、間の悪いときに。
横浜出身者は私のほかにいないかもしれないので、同郷のよしみとしてゴールに駆け寄ってねぎらおうと思っていましたが、式の最中だったのでできませんでした。
成績は、参加17チームのうち、後ろから3位くらい。
土地勘がない場所で早朝にコンディションを合わせなくてはならない不利な状況の中、途中棄権せずに最後まで戦ったのがすばらしい!
お疲れ様でした。またがんばりましょう!
さっきは名前がわからなかったゆるキャラも、わかってきました。
茶色い2匹は、あきる野市のキャラクターの兄弟キャラ「森っこサンちゃん」だそうです。
モデルはなんだろうと思ったら、秋川渓谷のトウキョウサンショウウオがモチーフなんだとか。
思いつかなかったー!
正直、サンショウウオとシーラカンスの区別があんまりついていない私。
「昭島の水はおいしいですよ」といただきました。
地下水なのだそう。都内で地下水が飲めるなんていいですね。
ゆるキャラはカッパの「ちかっぱ」。
「ち、ってなんだろう?カッパのチカちゃん?」と言ったら「地下水じゃない?」とモコちゃん。
そうだね!冴えてるゥ~。ていうより私の頭、まだ寝てるゥ~。
○ ゆるキャラほったらかし
スタート地点で会った時には、私たちみんなでキャーキャー彼らを取り囲んでいましたが、もはや見慣れてしまったため、ここでは割と放置されています。
マスコミも、表彰式の方ばかり注目して、全くカメラは向けられていません。
それでもちゃんとおとなしくしている、空気を読めるゆるキャラたちでした。
そんな彼らに興味津々なのが、犬と子ども。
これはこれで、いい絵でした。
○ 東京の市とカヌー
開会式にも閉会式にも、多摩川流域の市長たちが勢ぞろい。
北川昭島市長の閉会挨拶で幕を閉じました。
実は23区外の東京の市って、よくわかっていない私。
正直、23区だって全部そらで言えるか自信がありませんもの。
市は全部でいくつあるのかさえわかっていないし、地理もさっぱり。
そこで、地図でこの日観戦した場所をチェックしてみました。
開会式地点の青梅が一番都心から離れていて、そこから、羽村、福生、昭島と、少しずつ朝の集合場所の立川に戻ってきたんですね。
地図だけ見ると「あれれ?」ですが、カヌーは多摩川の流れに乗っていくスポーツ。
まずは遠い上流へ行き、それから少しずつ下流へと戻っていったというわけです。
カヌーには乗ったことがないし、正直(おもしろいのかな)と不安でしたが、すごく楽しかったです。
見ているだけでもワクワクしました。
自分も今度やってみたいわ~。
モコちゃんは、シーカヤック体験をしたことがあるそう。
カヌーとカヤックの違いって何かしら?大きさかな?
○ クジラゆかり
クジラ運動公園ではマンホールもクジラでした。その写真を見た友人が「何故クジラ?」と疑問に思って、調べてくれました。
昭和36年に、クジラの化石がこの辺りの多摩川から発見されたため、クジラが市のシンボルになっているんだそう。
今では海から遠く離れている場所なのに、大昔には、この辺りにクジラがいたなんて、ロマンですね。
ゴーッというごう音と主に、ものすごく近くを飛行機が通っていきました。
福生飛行場に降りるのでしょうか。
あまりに接近していたので、驚いて見上げていたら、写真に撮り損ねました。
その2に続きます。
たった10分しか会ってなかったら
解らないですよね。
それもねずみ状態なら尚更。
大雨の中、ずぶぬれで雨宿りした仲、というのが、逆にインパクトが強かったのかも!?
鳥取県浦富行った時も
北海道でもカヌーしてる人を見かけました。
とってみ気持ちよさそうで
一度はトライしたい競技です。
立っててもひっくり返らないのですね。
誰でもってわけじゃないのでしょうが・・・
浦富!いい場所に行かれましたよね~。
カヌーはこれからの季節、見ているだけでも気持ちがよさそうですね。
私は四万十川で見かけて、やってみたくなりました。
転覆しても問題ない格好でトライしてみたいです!
でも立つのは難しそう~。初めて見たので、驚きました。