雲跳【うんちょう】

あの雲を跳び越えたなら

御手洗潔の挨拶

2006-06-08 | 小説
 推理小説の主たるものは、やはり「トリック」「アリバイ」「動機」「意外な犯人」などだろうが、自分はそんなことよりも「名探偵」の魅力に重きを置いている。
 明智小五郎、金田一耕助、鹿谷門実、法月綸太郎、湯川学、etc・・・。皆、一様に奇人変人扱いされ、最後にはその確実な手腕で周りを圧倒させる。それが実に爽快である。
 さて、その奇人変人扱いを受ける最たる名探偵「御手洗潔」の短編集『御手洗潔の挨拶』を読んだ。
 相変わらずのへそ曲がり、よく言えば反骨精神であるが、そんな御手洗がとても魅力的な一冊である。と云うより御手洗が出ていなければ、ただの暇つぶしのサスペンスになりかねない(いや、ちょっと言い過ぎか)
 ともあれ、ここ最近の人を喰ったかのようなミステリ小説を熟読されている方には、事件性にしてもトリックにしても物足りなさを感じてしまうであろうが、
「これぞ本格ミステリ!」
 そう断言できる一冊である。それもこれも、御手洗潔の魅力が存分に発揮されているためだと、私は思うのだが。
 名探偵論をここで長々と説明する気はないが、名探偵を魅力的に描いている推理小説は、自ずから名作につながっていくのだと私は思う。

 ちなみに、謎のミステリィ作家『K氏』の小説に登場する名探偵「井南くん」の活躍を私はずっと心待ちにしている。
コメント (2)
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