歯ブラシのことばかり言っていても仕様がないので、ここらでひとつ、真面目に、愛について、など、考えてみる。
もし君が、「私のことホントに好きなの?」と訊いてきたら、僕は手放しで「好きだ」とは、言えない。
そりゃもちろん、好き、といえば好きだが、嫌い、といえば、嫌いなのだ。いやむしろ、嫌い、のほうが勝っていると言える。
君の良いところと悪いところを挙げつらってみれば、格段に悪いところばかりが目につくし、その悪いところが逆に君の良いところでもあるんだよ、と慰めに言ってみたとて、所詮は、悪いところなのであって、それはもはや、僕にとってはどうしようもないことなのだから。そして逆に、君の良いところが、とても悪いところと感じてしまうのだし・・・。
だが、悪いところばかりだから、君のことが嫌いだ。というのは、違う。
その君の、嫌いな部分もひっくるめて好きなんだ、なんてことは、まず、ないし、そんな面倒臭い逆説を持ってくるまでもなく、とっかえひっかえできるAV女優のほうが『好き』だし、もはや三ヶ月に一度、するかしないかの君では、やはり比べるまでもないのだけど、私のやることなすこと全てに文句をつけやがる君が、猛暑続きの日々の合間に、しれっと、ビールの1本も買ってきてくれたり、タオルが臭いと言えば、悪臭を除去してくれたり、歯ブラシが硬いと愚痴れば、すぐに新しい歯ブラシを買ってきてくれたり、とても嬉しそうに、研ぎたての包丁でトマトを切っていたり、私のオヤジギャグに手厳しい批判をくらわせてくれたり、こっそりオナニーを見逃してくれていたり・・・・そんな日々の暮らしの中で時折垣間見える君の『良さ』を蔑ろにすることは、やはり愚かだ。もちろんそれが、典型的な飴と鞭、だとしても。
しかし、愚かな私は、それらを蔑ろにして、またすぐに、君の悪いところを暴き出し、嫌いな部分に唾を吐く。
君と出逢ってから、もう十年以上の時が経った。
いつの頃からだろうか?こんなにも君を嫌悪するようになったのは?そしてその嫌悪感を我慢するのではなく、ましてや諦めるのでもなく、もちろん許しているわけではなく、ただ、自然に、普通に、「これが、僕の妻なんだよな」って思えるようになったのは?
だから、君。僕に訊くときは、こう訊いておくれ。
「私のこと、愛してる?」
と。
そうしたら、僕は胸を張って応えるから。
「当たり前じゃん」
って。
もし君が、「私のことホントに好きなの?」と訊いてきたら、僕は手放しで「好きだ」とは、言えない。
そりゃもちろん、好き、といえば好きだが、嫌い、といえば、嫌いなのだ。いやむしろ、嫌い、のほうが勝っていると言える。
君の良いところと悪いところを挙げつらってみれば、格段に悪いところばかりが目につくし、その悪いところが逆に君の良いところでもあるんだよ、と慰めに言ってみたとて、所詮は、悪いところなのであって、それはもはや、僕にとってはどうしようもないことなのだから。そして逆に、君の良いところが、とても悪いところと感じてしまうのだし・・・。
だが、悪いところばかりだから、君のことが嫌いだ。というのは、違う。
その君の、嫌いな部分もひっくるめて好きなんだ、なんてことは、まず、ないし、そんな面倒臭い逆説を持ってくるまでもなく、とっかえひっかえできるAV女優のほうが『好き』だし、もはや三ヶ月に一度、するかしないかの君では、やはり比べるまでもないのだけど、私のやることなすこと全てに文句をつけやがる君が、猛暑続きの日々の合間に、しれっと、ビールの1本も買ってきてくれたり、タオルが臭いと言えば、悪臭を除去してくれたり、歯ブラシが硬いと愚痴れば、すぐに新しい歯ブラシを買ってきてくれたり、とても嬉しそうに、研ぎたての包丁でトマトを切っていたり、私のオヤジギャグに手厳しい批判をくらわせてくれたり、こっそりオナニーを見逃してくれていたり・・・・そんな日々の暮らしの中で時折垣間見える君の『良さ』を蔑ろにすることは、やはり愚かだ。もちろんそれが、典型的な飴と鞭、だとしても。
しかし、愚かな私は、それらを蔑ろにして、またすぐに、君の悪いところを暴き出し、嫌いな部分に唾を吐く。
君と出逢ってから、もう十年以上の時が経った。
いつの頃からだろうか?こんなにも君を嫌悪するようになったのは?そしてその嫌悪感を我慢するのではなく、ましてや諦めるのでもなく、もちろん許しているわけではなく、ただ、自然に、普通に、「これが、僕の妻なんだよな」って思えるようになったのは?
だから、君。僕に訊くときは、こう訊いておくれ。
「私のこと、愛してる?」
と。
そうしたら、僕は胸を張って応えるから。
「当たり前じゃん」
って。