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【特殊祭祀】山梨県の特定地域にのみ見られる特異な信仰“お腰掛”(part3)

2021-01-11 | 神社・仏閣
 前回まで、主に韮崎市のお腰掛を紹介して来ましたが今回は、お隣甲斐市と北杜市に鎮座するお腰掛の紹介です。
【高原神社のお腰掛】甲斐市下福沢
中央道双葉JCTから北東に、以前訪れた事のあるサントリー登美の丘ワイナリーの横を通り昇仙峡方面へ走る事およそ15㌔。右手に見える坂の上に高原神社が鎮座しています。(トップ写真)
神社と言っても社殿などは無く「お腰掛」自体がご神体として信仰の対象となっています。
ここのお腰掛は、土台こそ井桁ではありますが、上部には幣束立を設ける独特な構造をしています。
上部は、柱との接合部が独特の組み方をしています。
やはりここも祭神は、大山祇で地元では、昔から“氏神”として大切にされて来ているようです。
境内には、丸石神も大切に供えられていました。
【菖蒲澤八幡神社のお腰掛】甲斐市菖蒲澤

 前回紹介した山神社より直線距離1.5㌔南の位置にあります。ここも木枠のお腰掛ですが中央に石棒が祀られています。地元の産土神として永代祭祀が執り行われているようです。
祭祀:誉田別命 
由緒:創立年月不詳なるも、日蓮宗寺院の守護神として当八幡神社に住寺が祭事に加はる慣習あり、よって往古は氏神なく寺の守護神として残存せるを、明治維新神仏分離の際、民の産土神として祭祀せられ、爾来里民の信仰厚く今日に至る。山梨神社庁より)(お断り:ここへは、未訪問です。写真はGoogleマップよりの転載です。)

 実は、我が北杜市にもお腰掛が存在している事実を最近知りました。
情報を知って早速訪れてみることにしました。
【御崎神社のお腰掛】北杜市明野町

ここは、御崎神社と言う名称で、社殿のある神社としてマップに乗っているのですが、写真の様に専用の参道が設けられていることがわかります。

ここも井桁状に組まれているお腰掛で、以前紹介したものに比べやや小振りです。
中央には、お約束の石棒があります。
石棒のアップですが、先端に何かついていますね…!?

なんと!顔面土器の顔の様なものがついています。これは、大変興味深いです。博物館級の貴重な考古資料でしょう。
 さて、最後に同じく明野町にもう一基ありましたので、ご紹介です。
【明野町上手のお腰掛】北杜市明野町
ここは、マップ上で“史跡明野町上手の祠群”として、紹介されているものです。
明野町上手の祠群 先日ご紹介した宇波刀神社から1㌔北東に行った街道辻にあります。旧道との分岐点に置かれているので道祖神としての意味合いがありそうですが着目して欲しいのは、中央の石組の石造物です。
興味深い石造物ですが、良く観察すると…。
組み方は異なりますが、やはりこれもお腰掛と思われます。
こちらに関しては、殆ど情報がありません。
今までのお腰掛は、山の麓などに置かれているものが多かったのですが、先ほどの御崎神社もそうですが人々の暮す里の中にある事に着目しています。
ただ、やはりこれも山の神として祀っているとすれば、この遠方にそびえる茅ヶ岳(3枚上の写真の後方にそびえる山々)への遥拝所と考えてもいいかも知れません。
 まだ全てのお腰掛を巡ったわけではありませんが、まだ気になる場所が数か所残っています。再度訪れる機会がありましたら追記という形でここで、ご紹介していきたいと思います。文献調査も併せて続けて行くつもりですので何か分かりましたらまたご報告したいと思います。
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【マップ】
高原神社
菖蒲沢八幡神社
御崎神社
明野町上手の祠群


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