ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

スポーツの実況中継

2009-03-20 11:02:39 | Weblog
ふだんは野球を見ないのだけど、WBCの中継はなるべく見ている。

スポーツは、二度と同じ試合が見られない。
刻一刻と風がかわり、人の強さと弱さが出る。

舞台の芝居に似ているけれども、目に見える「勝負」という結果がついてくるものなだけ、
厳しさがあると思う。
また、ある個人が演出などで「大いなる神」を演じたいと思ったとしても、
そんなエゴは通用しないのが、スポーツの世界。
私が芝居よりもスポーツ観戦にひかれるのは、
きっと、ある個人が描く「大いなる物語」に対する期待が小さく、
もっと混沌としたものに惹かれるからだと思う。

さて、スポーツをテレビ観戦していて、最近思う。
日本の野球中継は、レベルが高い。
カメラアングルも実況や解説の話し方も、ある落ち着く型ができている。
試合のペースにあわせた間合いというか、進行がみな上手だと思う。
あるチャンネルでは、無理にアイドル的な人を出そうと無理することもあるが、
全般的に見て、レベルは安定している。
さすが、ほぼ毎晩中継をしている国民的スポーツなだけあるし、
きっと日本人メジャーリーガーが増えたおかげで、
海外の中継との比較も加速し、全般的に中継レベルが向上したのだろう。

それに比べると、サッカーやバレーボールの中継は劣ると思う。
まず、音が多すぎるし、騒がしすぎる。

サッカーについては、カメラワークも実況や解説の話し方も、まだ歴史があさく、
「これでいいの? みんなわかる? 楽しい?」と探っているように感じるし、
解説で来ている専門家のコメントが、まったく解説になっていないことも多くてびっくりする。

確かにスカパー!で海外リーグの放送を見ていると、
かなり「自由」にやっているから、サッカーとはこういう競技なのだ、と言えばそうかもしれない。
でも、海外の中継の場合は、無音の時間と言うか、間合いのとり方がうまいんだよな。
野球とサッカーはリズムが違うから、同じ方法は使えないけど、もう少しこなれて欲しいと思う。
サッカーは、テレビ中継よりラジオ中継のほうが上手なので、
たまにテレビの音を消して、画面はテレビ、音はラジオ、というコンビで観戦している。

バレーボールは、もともと好きだったので、20年前はよく見ていたけど、
最近は、私の守備範囲をこえたアイドルの若い人たちが映る回数が多くて、
試合に集中できるような雰囲気ではないから、まったく見なくなった。
あれは、すでにスポーツの中継ではないと私は思う。

その点、テニスはスポーツの特性が出ているのか、静かで集中できる中継だ。
その他、あまり人気がないスポーツの解説も、変に盛り上げようとしていないから、
落ち着いてていい。

WBCの韓国チームの監督、きっとものすごくいい人で、
尊敬を集めているんだろうと思う。
5回目の対戦がかなって、そしていい試合ができますように。