ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

夜の来訪者

2009-03-27 23:27:27 | Weblog
プリーストリー著、安藤貞雄訳、岩波文庫。

また酔った勢いで、Amazon.comの注文を確定してしまった。
で、家に届いた箱を開けて、「こんな本、注文してたんだ」と思った一冊。

イギリスの劇作家によるサスペンスで、舞台や映画でよく使われているお話。
裕福な実業家の家庭が舞台。
ある夜、娘の婚約祝いの団欒のときに、警部を名乗る男が訪れ、
若い女性が自殺したことを告げ、その自殺に全員が関係していると暴露していくお話なんだけど、
きっと、「裕福な実業家の家庭の傲慢さ」に何となくピントがあって
注文を確定したんだったんじゃないか、と自己分析した。

つまり、いつカートに入れ、注文を確定したのか、まったく記憶にない。
今週は仕事が忙しかったとはいえ、これは末期症状だ。

話の展開はテンポがよく、
また、特権階級だと信じている裕福な家庭のお父さん、お母さんがとても鼻について、
なんだかフラストレーションがたまっている金曜夜の仕事帰りに読むには、
とても痛快な内容だった。
ネガティブな読み方だけど。

「家」に対する忠誠心ねえ・・・。
明日は従弟の結婚式なので、久しぶりに親戚たちが集まるのだけど、
私も久しぶりに血のつながり、というやつを感じるんだろうなあ。
この本の感想が、私の心の中でどのように変化していくか、それも楽しみだ。