ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

ダライ・ラマ 科学への旅

2009-03-21 21:16:44 | Weblog
原子の中の宇宙。ダライ・ラマ著、伊藤真訳、サンガ刊。

ダライ・ラマの魅力のひとつは、あくなき探究心。
その守備範囲は、仏教を中心としつつも、量子物理学や生命科学など、とてもとても広い。
好奇心旺盛な、70歳を超えた一人の魅力的な人間だ。

チベット難民の学校に西洋科学を学ぶ課程を入れたりと、
よいと思ったものは、どんどん取り入れる。
そして、その「よい」という基準が、
この世に生きる人々から「苦」がなくなるように、という慈悲心からだからすごい。
西洋科学というアプローチは、仏教と決して相反するものではない。

そして、仏教を学び深めるなかで育んだ緻密な論理的思考と、
瞑想から得られた深い智慧は、西洋科学を進めるうえでも、
新しいヒントを与えてくれる。
だからこそ、西洋の著名な科学者や哲学者が、ダライ・ラマとの対話を求め楽しむのではないか。

ダライ・ラマは、自分は数学を学習したことがないから、数学は苦手だと言っているけど、
仏教経典の学習をとおして、あらゆる論理的な思考法を学んでいる訳だから、
私の文系受験用高校数学のレベルなどは、はるかに超えている。

さて、さきほどテレビでやっていた古代エジプトの特番。
最後のほうだけ見た。

ふむ。ツタンカーメンは感染症で亡くなったという説なのか。

小学生のときに読んだツタンカーメン王墓の発掘記。
王妃アンケセナーメンがツタンカーメンに最後に送った矢車菊の花束。
あのくだりを読んだとき、とてもとても涙が流れた。

エジプト、一度行ってみたいなあ。