文部科学省が、子どもの被曝線量の限度を
いきなり「20ミリシーベルト/年」にひきあげた。
これは、1990年に国際放射線防護委員会(ICRP)が
放射線業務従業者にかんして勧告した限度量と同レベル。
(http://www.jaea.go.jp/04/turuga/mext-monju/safety/safe-ri06.htm)
ちなみにICRPが
「一般公衆」にかんして勧めた限度量は1ミリシーベルト/年だ。
この件については、
4月13日に、原子力安全委員会が
「福島県内の学校を再開すべきか判断する目安として、
周辺の年間被曝(ひばく)量が10ミリシーベルト以下とする案を示した」。
(http://www.asahi.com/national/update/0413/TKY201104130527.html)
ところが翌14日にはそれを撤回。
「理由は、
学校の安全基準は文部科学省が検討しており、それに影響を与えないため」。
(http://www.asahi.com/edu/news/TKY201104140401.html)
15日、高木義明・文部科学相は
「(福島県内の学校の安全基準について)目標は20ミリシーベルトで、
(基準厳格化により)学校を頻繁に移動させることはできない」と話し、
考慮の対象としない考えを示した」。
(http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011041500243)
そして19日、文科省は
「福島県内の学校等の校舎・校庭等の利用判断における
暫定的考え方について」を発表、福島県教育委員会や県などに通知した。
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/23/04/1305174.htm
そこで21日、
「子どもの年間被ばく限度は20ミリシーベルトなのか」と
疑問を呈した複数のNGOが政府との交渉をおこなった。
これ関しては次のような背景や事情がある。
1)福島県内の小中学校などでは
汚染レベルが放射線管理区域以上(0.6マイクロシーベルト/時以上)
となっている学校が現在75%以上ある。
2)「放射線管理区域」では、労働基準法により18歳未満の作業が禁止されている。
参考:「福島県放射線モニタリング小・中学校等実施結果」の集計
(http://www.foejapan.org/infomation/news/110413_sakagami3.pdf)
3)20ミリシーベルト/年は3.8マイクロシーベルト/時に相当し、
この「放射線管理区域」の0.6マイクロシーベルトの約6倍に相当する。
4)20ミリシーベルト/年とは、
原発労働者が白血病を発症し労働認定を受けている線量に匹敵する。
さらなる問題点については、以下をご参照ください。
***福島老朽原発を考える会(フクロウの会)のブログより転載***
文部文科省は19日夜、福島県の学校における安全基準を公表しました。
福島の子どもたちに年間20ミリシーベルトの被ばくを
強要するものになっています。
現行の規制値1ミリシーベルトを捨て、
放射線の子どもに対する感受性が成人よりも高いことは
全く考慮されていません。
しかも考慮されるのは外部被ばくだけで、
食品による内部被ばくや原子力安全委員会が指摘した
「校庭で子供が走ると、舞い上がった砂ぼこりを吸い込み、
内部被ばくの危険がある」ことも考慮されていません。
福島の子どもたちは20ミリシーベルトを大きく超える被ばくを
強要されるでしょう。
文部科学省の措置は、避難区域を福島市に広げないためのものに
過ぎません。行政の都合で子どもたちの健康が脅かされています。
(以下略、
続きはhttp://fukurou.txt-nifty.com/fukurou/2011/04/post-5a79.htmlへ)
*** 転載ここまで ***
昨日21日におこなわれた政府との交渉については、
フクロウの会のブログに詳しい(以下のURLからどうぞ)。
http://fukurou.txt-nifty.com/fukurou/
交渉時の映像を以下URLからみることもできる。
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1012
1時間弱の映像は、福島から来た「ただの主婦」の言葉で始まる。
「あなたたちのような、安全なところで
のうのうと生活している人たちに、数字だけで決められたくないです。
半径10キロ以内のところに対策本部をもってきなさい!
文科省を持ってきなさい!」(冒頭から4分~5分)
同サイトに記されている概要を以下にご紹介しておこう。
*** 以下、引用 ***
子どもの安全基準、根拠不透明~市民の追及で明らかに
福島老朽原発を考える会をはじめ3団体の呼びかけで21日、
文部科学省が児童の放射線許容量を
年間20ミリシーベルトとする安全基準を出したことに関して、
その数値を撤回するよう交渉を行った。
出席した文部科学省と内閣府原子力安全委員会の担当者は、
ほとんどの質問に対して回答することができず、
子どもの安全基準の根拠が不透明であり、きちんとしたプロセスが
とられていない可能性があることが明らかとなった。
*** 引用ここまで ***
黙っていたら、
子どもの被曝線量の限度(児童の放射線許容量)が
「年間20ミリシーベルト」で「よし」とされてしまう。
どうぞ、あなたの声も届けてください。
文部科学省学校健康教育科
電話 03-6734-2695
FAX 03-6734-3794
文科省スポーツ・青少年局学校健康教育課
電話 03-5253-4111
原子力安全委員会事務局
電話 03-3581-9948
FAX 03-3581-9837
首相官邸
https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken_ssl.html
文部科学省
https://www.inquiry.mext.go.jp/inquiry09/
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