原子力にかんするおすすめ情報源を、
連休に先だって、思いつくままご紹介しておこう。
そもそも原子力ド素人のわたしだけれど、
それでも門前の小僧のように積み重ねてきたストックから、
共有できるものがあればと、ささやかながら。
1)物理学者・藤田祐幸さんの講演2011.3.16
「はじまりのはじまり」福島原発でいま何が起きているのか
http://www.youtube.com/watch?v=3UAY2oXyInk
→学生時代、卒論の仕上げの時期は
データの宝庫だった慶応大学の藤田研究室に通いつめた。
学生時代のように研究室に通えなくなってからも、
肝要な時にはいつも、約束しなくても現場でお会いできた。
まぎれもなく、藤田さんは行動する科学者のひとりだ。
この映像で、藤田さんの話はときに苦渋に満ち、
聞きながら「そうそう」とすぐに思える単純簡潔さが
ない場面もあるかもしれない。
けれど、スリーマイルにチェルノブイリを経てなお
フクシマを防げなかった日本のわたしたちは、
その苦渋や逡巡にも向きあう必要があると思う。
そうでないとフクシマは、また安易に繰り返されてしまうだろう。
http://www.youtube.com/watch?v=umYDamvdYzQ&feature=related
には、福島第一原発事故についての詳細解説や、
ICRPの被曝限度のレベルの変遷についての言及も。
2)経済評論家・内橋克人氏さんの
「原子力安全神話はいかにして作られたか」(3月29日)
http://www.youtube.com/watch?v=ZpbWmejc63Y&feature=related
→直接の面識はないけれど、
内橋さんの著書『原発への警鐘』(1982、講談社)はわたしにとって
入門書だった。学生時代の卒論指導にあたってくださった先生が、
「ペレット」も知らなかったわたしに一から解説してくださった上で
「まずこれを読め」と貸して下さった。
上記URLから、ぜひ内橋さんの肉声でお聞きください。
3)京都大学原子炉実験所・小出裕章さんの講演
「隠される原子力」
http://www.youtube.com/watch?v=4gFxKiOGSDk&feature=related
→小出さんは「(京大の)熊取七人衆」と呼ばれる、
行動する研究者集団のおひとり。珠洲で何度かニアミスし、
拙著『ためされた地方自治』上梓の際には激励いただいた。
さらにじっくりしっかり理解したい方には
専門的興味にもこたえるデータ満載の
「原子力安全研究グループ」のウェブサイトもお勧め。
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/index.html
4)核化学者・久米三四郎さんの講演・著書
→かつて原発予定地だった珠洲で見せていただいた
久米三四郎さんの講演のビデオは非常に分かりやすかった。
あれはもう入手不可能なのだろうか…。
著書に『科学としての反原発』(七つ森書館)などがある。
なお、
久米三四郎さんって? という方のために以下にご紹介情報を。
「専門は放射化学。製薬会社勤務後、大阪大に助手や講師として
勤務した。1973年、四国電力の伊方原発(愛媛県伊方町)
をめぐり住民が原子炉設置許可の取り消しを求めた全国初の訴訟で
住民側の補佐人となり、その後、もんじゅ訴訟でも原告補佐人を務めた。
95年に起きたもんじゅのナトリウム漏れ事故では、
反対派の有識者らで構成する「もんじゅ火災事故調査検討委員会」の
代表として国などの調査報告を検証した。…
(以下省略、つづきは以下URLへ
http://www.47news.jp/CN/200909/CN2009090201000965.html)
(訃報記事なのが残念。こうしてみると改めて、
現在50歳代以降の学者の存在感の希薄さ―もしくは哲学的深みや
覚悟のなさ、それとも?―は、ぬぐい去りようがない感を覚える。
なぜだろうか)
5)核化学者・高木仁三郎さんの講演
「持続可能で平和なエネルギーの未来」
http://www.jca.apc.org/~misatoya/gensuikin/mokuji.html
→高木さんといえば、原発のない世の中を目指す
民間シンクタンク・原子力資料情報室をつくられた、核化学者。
第二のノーベル賞とも呼ばれる「Right Livelihood賞」を
1997年に受賞。そのときの記念講演を文字に起こしたものを
上記URLから読むことができる。
なお『核施設と非常事態 ―― 地震対策の検証を中心に―― 』
「日本物理学会誌」 Vol.50 No.10, 1995は、
以下のURLから全文を閲覧できる。
http://ci.nii.ac.jp/els/110002066513.pdf?id=ART0002195281&type=pdf〈=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1303477762&cp=
ちなみに、原子力資料情報室は
福島原発事故のあとは、東京都新宿区にある情報室での
放射線測定結果(屋内・屋外コンクリ・屋外土芝)を
ウェブサイトで毎日公表中。
6)中部大学・武田邦彦さんのブログ
http://takedanet.com/
→中部大学総合工学研究所の武田さんのブログは、
工学博士が日常語で語っていて、とっつきやすく読みやすいかも。
直接の面識はないのでブログから判断するのみだけれど、
個人的には立場を異にする点はありながら
特に「最近の著作」の最近記事は現状を生きぬく姿勢として参考にできそう。
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