ブリットの休日

大好きな映画や小説の感想や日々の他愛ない話と、
聴神経腫瘍と診断された私の治療記録。

浅田次郎『勇気凛凛ルリの色』感想

2014年08月14日 | 本(その他)

 通勤電車の中で気軽に読める本を探して発見した、浅田次郎の自伝エッセイ『勇気凛凛ルリの色』を読む。

浅田次郎作品は「鉄道員(ぽっぽや)」や「椿山課長の七日間」などすでに映画化された作品など、数多くの作品を発表されてるベストセラー作家であるが、どういう訳か私はいまだに映画も含め全く読んだことがない。

本作は、いろんな方のレビューでとにかく面白いということで選んでみたんだが、実際に読んでみると、まったく面白い。

っていうか、浅田次郎なる作家のなんと破天荒なことか。まずそこに驚いてしまった。

まず自衛隊に入隊し、その後の堅気とは程遠い、ネズミ講やら取立て屋やらと、とにかくすさまじい人生を歩んでおられるのだ。

そんな人の回顧録なんだから、面白くないわけがない。

とりわけ面白かった話が、「NGについて」というタイトルで語られる、自衛隊入隊時の国賓を迎える時に行う軍隊礼での出来事。

この話だけは、満員の電車内にもかかわらず吹いてしまった。

あと私の好きな作家のひとりである太宰治が、すこぶる嫌いだという「太宰治について」では、どうしても好きになれないといいながらも、めちゃめちゃ意識しているところがまた可愛い。

好評につきなのだろうが、同タイトルのものがあと2冊出版されている。