ブリットの休日

大好きな映画や小説の感想や日々の他愛ない話と、
聴神経腫瘍と診断された私の治療記録。

朝の通勤ラッシュでいまさら

2024年12月21日 | 日記・エッセイ・コラム

 毎朝、録画でも見てるように通勤電車がホームに到着すると、降車口にぎゅう詰めになった乗客たちが、まるでところてんのように車両から押しだされ一気に吐き出されていく。

自分もその人並みと一体となってホームに降り立ち、人並みに流されるように歩き、改札口への階段を降りていく。

その階段も当然いっぱいの人混みで、ノロノロと全員が足並みを揃えて進んで行く。

中にはスマホを見ながらや、話をしながらゆっくりと降りていく人に、急いでいるのか列の中を強引に駆け降りていくものもいる。

その中にいる自分は、たった階段を降りていくだけなのに、ゆっくり降りるから前にスペースが空いてるとか、そんなに急いで降りても変わらないよとか、そんな些細なことにわずかなストレスを感じている。

 そんな時、2週間ぐらい前のある日の通勤電車で、いつものようにホームに吐き出された私は、この日は一斉に階段へと流されていく列を抜け、ちょっと疲れていたのかそのままひとりホームに残り、遠く外の景色を見ながら”ふう~”っと深呼吸をした。

改めて見る外の景色はきれいな青空でビルの隙間から太陽の光が射しこみ、なんだか心地いい。

ホームが高いところにあるので、そこからついさっき一緒に降りていった人だかりが歩いて行く姿や、駅の方へ走ってくる人なんかも見えてる。

他にもバス停でバスを待ってる人や、何台も並んでいるレンタサイクルの一台を引き出し乗っていく人。

普段は気にもしない俯瞰で見る何気ない景色に、なんだか気持ちが癒されていった。

何だろう?

 ”いつもと違うことをすると、必ずいつもと違うことが待っている
普段やらないことをすると、必ず普段とは違うことが起きる”

これは何かあると私がよく思うこと(^^)

そしてそれは大抵はいいことにはならないんだけど、この日はここからいいことが起こった。

時間にして3分ぐらいだったと思うが、そろそろ行くかって誰もいなくなったホームから階段へ向かう。

階段の前に来て、下を見下ろしたときに意外な光景が目に入る。

当たり前だけど、あの人でギュウギュウになっていた階段は、誰もいなくなり空っぽになった空間にはただきれいに並んだ階段がむき出しで見えている。

ゆっくりと階段を降りると、改札口の前にもほとんど人はおらず、駅前もがらんとしている。

たったホームで2~3分ぼんやりしてただけで、こんなに情景が変わってしまったことに驚く。

何年も通勤してて、毎朝あの集団と一体になって動いていたのに、たった2~3分スルーするだけで、こんなに穏やかな世界になるんだと、改めて驚く。

そして何でもっと早く気が付かなかったのかと、悔しくなる(笑)

 それからは、ホームに降りたらゆっくりと外の景色を観ながら深呼吸をし、マイペースでがらんとした駅を出ていく。

”普段やらないことをやると、必ず普段とは違うことが起きる。”

大抵はいいことはないが、たまにはいいこともある(^^)