さっちゃんは自分では爪切りが出来ませんし、多分しようとも思わないでしょう。
ですから、僕が時々切ってあげます。
年齢とともに爪の伸びが減ったせいでしょうか、2、3週間おきくらいで爪切りしますね。
今日は2週間ぶりくらいだと思いますけれど、爪自体はまだ短かったんですが、爪の奥が少し黒ずんでいたのです。
いつもは、晴れた日の昼に陽光が差し込む窓のそばで切ることが多かったのですが、
今日はさほど明るくありませんでしたから、テーブルで向かい合わせて座って、明るいライトの下で切ることにしました。
切ろうとすると、僕の眼の衰えが進んでいるせいなのか、全然シャープには見えません。
僕は近眼なので、老眼になっても近くはよく見えていたんです。
試しにさっちゃんの使わなくなった老眼鏡を掛けてみました。
さっちゃんは4年ほど前に白内障の手術をしました。
術後の眼に合わせた眼鏡が出来るまでのつなぎとして、既製品の安価な老眼鏡を買っていたのです。
その老眼鏡を掛けるとすべてがボオ~ッと見えます。
でも、さっちゃんの指の爪の10~15cmに顔を近づけると、突然シャープに見えるんです。
で、その老眼鏡を掛けてさっちゃんの指の爪を切ることにしました。
まずは左手の小指から。
「痛かったら、痛いって言ってね」と僕は毎回言います。
たまに「痛い!」って言われちゃうこともありましたが、ごくごくたま~にですね。
もちろん切る前に「痛い!」と言いますから、そのまま切っちゃうことはありませんよ。
そして、今日。
さっちゃんは何度も「痛い!」と小声で叫びます。
「あっ、ご免ね」と言って、僕はいったん爪切りを離します。
でも、何度も「痛い!」と言われると、「本当に痛いのかなぁ?」と疑ってしまいます。
ただでさえ他人の爪を切り慣れていなくて、慎重に少しずつ切っているのに、痛いというのは可笑しいんです。
爪の間の肉にちょっと強く当たっただけで「痛い!」って叫んでるのではと疑ってしまいます。
今日は朝からいつも以上に僕に纏わりついて、ブツブツと独り言も絶えることがありませんでした。
「一緒に布団で横になろうよ」「どこか出かけようよ」そんな風な要求をずうっと僕に投げかけ続けていたのです。
もちろん言葉は意味不明ですから、僕の想像でしかありませんけれど、
そんな今はしたくないこと、今は出来ないこと、を要求されても本当に困るんです。
僕自身ちょっと困って、ストレスも溜まっていた中でのさっちゃんのこんな態度ですから、カチンと来てしまったんですね。
小指から始まって、薬指、中指、人差し指と、爪を切り進みました。
でも、親指の爪を切ろうとしたら、さっちゃんは拒否、テーブルから立ち上がりました。
僕は自分が怒っているのか、悲しんでいるのか、苛ついているのか、よく分からないのですが、
テーブルの上に敷いた新聞紙にバァ~~ンと爪切りを叩きつけたんです。
途端に自分でも「あっ、まずい」と思ったのですが、この程度の感情の爆発(抑制なのかな?)は仕方ありませんよね。
いつもは素直に切らせてくれる爪切りなのに、どうして今日は文句を言ったり、「痛い!」と何度も叫んだりしたんでしょうね。
朝からのさっちゃんの様子もあって、僕は相当腹立たしかったり、苛立ったりしていたのでしょうね。
ですから、僕が時々切ってあげます。
年齢とともに爪の伸びが減ったせいでしょうか、2、3週間おきくらいで爪切りしますね。
今日は2週間ぶりくらいだと思いますけれど、爪自体はまだ短かったんですが、爪の奥が少し黒ずんでいたのです。
いつもは、晴れた日の昼に陽光が差し込む窓のそばで切ることが多かったのですが、
今日はさほど明るくありませんでしたから、テーブルで向かい合わせて座って、明るいライトの下で切ることにしました。
切ろうとすると、僕の眼の衰えが進んでいるせいなのか、全然シャープには見えません。
僕は近眼なので、老眼になっても近くはよく見えていたんです。
試しにさっちゃんの使わなくなった老眼鏡を掛けてみました。
さっちゃんは4年ほど前に白内障の手術をしました。
術後の眼に合わせた眼鏡が出来るまでのつなぎとして、既製品の安価な老眼鏡を買っていたのです。
その老眼鏡を掛けるとすべてがボオ~ッと見えます。
でも、さっちゃんの指の爪の10~15cmに顔を近づけると、突然シャープに見えるんです。
で、その老眼鏡を掛けてさっちゃんの指の爪を切ることにしました。
まずは左手の小指から。
「痛かったら、痛いって言ってね」と僕は毎回言います。
たまに「痛い!」って言われちゃうこともありましたが、ごくごくたま~にですね。
もちろん切る前に「痛い!」と言いますから、そのまま切っちゃうことはありませんよ。
そして、今日。
さっちゃんは何度も「痛い!」と小声で叫びます。
「あっ、ご免ね」と言って、僕はいったん爪切りを離します。
でも、何度も「痛い!」と言われると、「本当に痛いのかなぁ?」と疑ってしまいます。
ただでさえ他人の爪を切り慣れていなくて、慎重に少しずつ切っているのに、痛いというのは可笑しいんです。
爪の間の肉にちょっと強く当たっただけで「痛い!」って叫んでるのではと疑ってしまいます。
今日は朝からいつも以上に僕に纏わりついて、ブツブツと独り言も絶えることがありませんでした。
「一緒に布団で横になろうよ」「どこか出かけようよ」そんな風な要求をずうっと僕に投げかけ続けていたのです。
もちろん言葉は意味不明ですから、僕の想像でしかありませんけれど、
そんな今はしたくないこと、今は出来ないこと、を要求されても本当に困るんです。
僕自身ちょっと困って、ストレスも溜まっていた中でのさっちゃんのこんな態度ですから、カチンと来てしまったんですね。
小指から始まって、薬指、中指、人差し指と、爪を切り進みました。
でも、親指の爪を切ろうとしたら、さっちゃんは拒否、テーブルから立ち上がりました。
僕は自分が怒っているのか、悲しんでいるのか、苛ついているのか、よく分からないのですが、
テーブルの上に敷いた新聞紙にバァ~~ンと爪切りを叩きつけたんです。
途端に自分でも「あっ、まずい」と思ったのですが、この程度の感情の爆発(抑制なのかな?)は仕方ありませんよね。
いつもは素直に切らせてくれる爪切りなのに、どうして今日は文句を言ったり、「痛い!」と何度も叫んだりしたんでしょうね。
朝からのさっちゃんの様子もあって、僕は相当腹立たしかったり、苛立ったりしていたのでしょうね。