小さい子供にはありがちのことですが、龍くんも「自分のもの」と「人のもの」の区別がまだできないようです。
お友達が遊んでいるオモチャを横取りしようとしているのを見て、私がひとまず制止の声をかけると、龍くんはとても心外そうな顔をします。
そして「龍くんのだもの」と言って、人のものでも所有権を主張します。
【オレのものはオレのもの お前のものもオレのもの】
何でも自分のものにしてしまう龍くんは、まるでドラえもんに出てくるジャイアンのようだと常々思っていました。
ところが最近、このジャイアンの有名なセリフは、のび太を困らせるいじめっ子のセリフではなかったことを知りました。
このセリフは、小学校に入学したばかりの頃ののび太が落し物をしてしまい、それを一緒になって探し始めたジャイアンが言った言葉だというのです。
友達である【お前のもの】は【オレのもの】と同じくらい大切なんだ。
だから探すのは当然のことなんだという、ジャイアンの伝わりにくい優しさが、このセリフから感じるようになりました。
今はまだまだオレ様の龍くんですが、いろんな人と出会い、いろんな経験をしていくことで、いろんなことを学びながら、いろんな関わり方があることを知って行くことでしょう。
でも今は、自他の区別がつかないからこそ、龍くんには「ジャイアンのようであれ」と思います。
自分のものを大切にする、その先にある大切なことを当然のように言って行動に移したジャイアン。
そのジャイアンの伝わりづらい優しさこそが、誰の心にも、私の心にも欠けていたことに気づかせてくれた有り難いセリフになりました。
ただ、そういう言葉が自然に出るような人間に育つ環境に龍くんがいなければ、ジャイアンにはなりませんよね…、こりゃ責任重大だ(汗)