週刊 最乗寺だより

小田原のほうではなく、横浜市都筑区にある浄土真宗本願寺派のお寺です。

勝田山 最乗寺
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新しい風

2012-04-19 00:11:15 | ひとりごと

ドラマなどでお葬式のシーンやお仏壇が出てくると、ついつい注目してしまいます。
何宗か、どんなお経か、どんな法名(戒名)か、目を凝らし耳を澄まして画面に食い入ってしまうのは、きっと私だけではないはずです。(笑)

けれど最近では、それがテレビだけに限らなくなってきました。

それは本屋さんでのこと。
本屋さんに行けば、もちろん仏教に関する本が多く置かれています。
でも、そのほとんどが【宗教・仏教】のカテゴリに分けられた棚にあるものです。

私も、仏教の本とはそういうものだと思ってここまできたのですが、その概念はもうすでに過去のものと認識を改める時期にきたことを感じました。

なぜなら、お坊さんの絵が表紙となった漫画が、少年・少女・青年漫画の売り場で普通に平積みされるようになってきたからです。

   『さんすくみ』  (絹田村子)
   『読経しちゃうぞ』  (絹田村子)
   『坊主DAYS』  (杜康潤)
   『お慕い申し上げます』 (朔ユキ蔵)

どれも黒衣を来た現代のお坊さんが主役で、思わず手に取って裏表紙にあるあらすじを食い入るように読んでしまいました。

20年くらい前までの仏教の漫画といったら、手塚治虫の『ブッダ』しか思い浮かべることができないくらいのインパクトと完成度が他を圧倒していました。
しかし、おいそれと手が出せない雰囲気もあります。

ところが、その敷居の高さを思いっきり下げてくれたのが、以前紹介したこともある『聖☆おにいさん』(中村光)。
もちろん、それまでにも仏教やお坊さんに関する漫画はいろいろありましたが、ここまで身近に感じるものではありませんでした。(あくまで主観)

そして、最近の新たな傾向として、この現代を生きる若い「お坊さん」を主役に据えることで、この時代特有の事情や苦悩に加え、仏教の教義的要素が色濃く含まれた漫画が出てきたように思います。

例外として、お寺生まれの三姉妹の葛藤と思春期を描いた『寺ガール』(水沢めぐみ)も人気のようです。

私も全部は読んでいないのでオススメの漫画を紹介することはできませんが、なんとなく時代の流れを感じられて、それだけで楽しくなりました。