私は東京農大の出身です。
卒業後、仲間は家業を継ぐためそれぞれ地元に帰っていきました。
私自身は、家業とは直接関係ありません。卒業後、私は一時期サラリーマンになりましたがすぐに当時大流行していたワインの世界へと入っていきまいした。
毎年家族ぐるみで再会していた仲間の酒蔵の厳しい事情を毎回聞いていて、なんとかこの美味しい酒を紹介できないものかと考え、よく口にするようになりました。
ワインブームにかげりが見え始め、お店もなりふり構わなくなってきたある日、試飲会で日本酒と出会いました。
なんて美味しいんだろう!!
おれは今まで何をしていたんだろうと強いショックを受けたのです。
その時、私は忘れていたことを思い出しました。仲間のように小さい蔵でも美味しい酒を造っているじゃないか。そう小さい酒蔵でも本当に美味しい酒を造っている所はいっぱいあるんです。それを紹介する手段が少ない!
美味しい酒を求めている人がいて、それを造ってくれる人がいる。このままでは、日本の本当に美味しい酒が消えてしまう。
私はその橋渡し的役割が出来たらとずっと願っていましたし、出来るのは自分しかいないとその時確信したのでした。