昨日は、某コンクールの審査員として、ほとんど1日じゅう、いろんな演奏を聴き続けた
今年は、ちょうどお盆の頃、ひたちなかで地区の予選を、引き続き同じ地区で本選を~の予定だったが、コンサートの都合があって、やむを得ず地区本選だけはさいたまに変えていただいた。
審査員は1つの地区で4名ほどだったが、昨日はなんと同じ学校出身の先輩にあたる方や、私の同級生のご主人とご一緒することになり…休憩時間の控え室は、コンクールの緊張感というよりは、高校時代の思い出話に花が咲いた
昨日は、小学生から中学生まで、計60人ちょっと。
このコンクールは課題曲がないので、ほとんどの方が、他のコンクールや受験曲の練習用として使っていて、1曲だけ演奏する方よりも、むしろ3,4曲(バッハの平均律とベートーヴェンのソナタ、ショパンなどを合わせて)用意される方が多く、小学校低学年でも、曲目はかなりハイレベルだった。
なにしろ、小学校2年生でショパンのマズルカや簡単なワルツを演奏する方、高学年になるとドビュッシーやベートーヴェンのソナタの中でも難しいものを選曲している方など、とても小学生の演奏とは思えないほどしっかりしている。
なかでも、小学4年の男の子のイタリア協奏曲には、恐れ入った…まだまだあどけない、でもいかにも頭のよさそうな(私は秀才くんと名づけたかったけど)その方は、まるでピアノから自然に音があふれ出すような、軽快でしかも旋律それぞれが浮き彫りにされ、明るい音色が大変心地よかった
中学生になると、1年生から、リストの「カンパネラ」、ドビュッシーの「喜びの島」などなど、次々に高校生レベルのような曲が続出、それが一人や二人ではなく、ほとんどの方がそんなレベルの曲を選び、しかも表現的には拙いところがあるにしても、ちゃんと弾けている…ということは、テクニック的にはおそらく、ショパンのエチュードが弾けるくらいのレベルに達している方が多い、ということだろう…
その昔、ザラフィアンツ先生が「ロシアのピアノを目指す子供は、10代前半で、チャイコフスキーのピアノコンツェルトを弾けるよ」と言われて、すごくびっくりしたことがある。まぁ、ロシア人は体格も大きいし、特別なんだろうなぁと思っていたが、まさに日本もその勢いで頑張っている子供さんの多いのに、本当に驚いた。
○○年前を振り返ると、私は(前にも書いたかもしれないが)中学1年の秋に、初めて芸大の先生に聴いていただき、その時がツェルニー40番の20番で、バッハは2声のインベンションしかやっていなかった。
で、先生から「かなり遅れているから、これからはどんどん曲を進めていきましょう」と言われ、それからおよそ2年間、毎週テクニック類は1週間に5曲づつ(ツェルニー40番、50番、60番、クレメンティのグラドゥスアドパルナッスム、ケスラー、モシュコフスキー、クラーマービューローなど全曲)、バッハは3声と平均律全曲、そして曲はあまり進まなかったが、一応古典からロマン派くらいまで、毎日2時間くらいは練習時間を確保した。
ただ1週間でその量のテクニックを弾きこなすには、コツがあって、レッスンの終わった日に5曲の譜読みをなんとかやって、2,3日目におよそまちがえずに弾いて、後半2日でほぼ暗譜をしてテンポにのせて弾けるようにしていたと思う…
とはいえ、今考えると「たった2時間?」って思えるかもしれないけど、中学生が部活に入らなくても、学校から帰ってきて、夜9時頃までに2時間毎日とるのは振り返ると一番大変だったように思う。
芸高の場合は、国立だから勉強もできないといけない、というので、試験の結果や通知表はいつもピアノの先生に見せなければならなかったし…まぁ、幸いなことにその頃の私は勉強が好きだったから、一応埼玉県内で一番の女子高に入れるだけの学力はあったんだけど、入試の国語や英語はそれより、難しかったなぁ…
~なんてちょっと、自分の思い出話になってしまいましたが…
なぜ、ここで今日はこんなに書いたかというと…
ときどき、うちの生徒さんで、受験やコンクールを希望する方がいますが、それにしてはまだまだ「甘い!」という方もたくさんいて…
普通の方よりはできる、くらいでは音大受験は無理です
ましてや、ピアニストを目指したい方は、全国に山のようにいる、と考えても過言ではないかも
このところ、全国で1年間に開催されるピアノのコンクール(有名なものからそうでないものまで)の数は急激に増えている。だから、たとえ1つのコンクールで良い成績を修めたとしても、それはほんの一部に過ぎず、目指せるとは限らない…
もともとの素質(リズム感などのソルフェージュ能力や運動神経など頭の回転具合、集中力)と音楽的体験の豊富さ(環境など)プラス、どんな時もたえず練習できる我慢強さ、やる気、素直さなど全てが整って、そしてたえず努力し続けられれば目指せるのでは?~と昨日は、そんなことを考えながら、みなさんの演奏を聴いていた…
まだまだ、余裕のある方、これからでも気持ちを入れ替えて頑張りましょう
全力をかけて1つのことをやるのは、とても気持ちの良いものです
今年は、ちょうどお盆の頃、ひたちなかで地区の予選を、引き続き同じ地区で本選を~の予定だったが、コンサートの都合があって、やむを得ず地区本選だけはさいたまに変えていただいた。
審査員は1つの地区で4名ほどだったが、昨日はなんと同じ学校出身の先輩にあたる方や、私の同級生のご主人とご一緒することになり…休憩時間の控え室は、コンクールの緊張感というよりは、高校時代の思い出話に花が咲いた
昨日は、小学生から中学生まで、計60人ちょっと。
このコンクールは課題曲がないので、ほとんどの方が、他のコンクールや受験曲の練習用として使っていて、1曲だけ演奏する方よりも、むしろ3,4曲(バッハの平均律とベートーヴェンのソナタ、ショパンなどを合わせて)用意される方が多く、小学校低学年でも、曲目はかなりハイレベルだった。
なにしろ、小学校2年生でショパンのマズルカや簡単なワルツを演奏する方、高学年になるとドビュッシーやベートーヴェンのソナタの中でも難しいものを選曲している方など、とても小学生の演奏とは思えないほどしっかりしている。
なかでも、小学4年の男の子のイタリア協奏曲には、恐れ入った…まだまだあどけない、でもいかにも頭のよさそうな(私は秀才くんと名づけたかったけど)その方は、まるでピアノから自然に音があふれ出すような、軽快でしかも旋律それぞれが浮き彫りにされ、明るい音色が大変心地よかった
中学生になると、1年生から、リストの「カンパネラ」、ドビュッシーの「喜びの島」などなど、次々に高校生レベルのような曲が続出、それが一人や二人ではなく、ほとんどの方がそんなレベルの曲を選び、しかも表現的には拙いところがあるにしても、ちゃんと弾けている…ということは、テクニック的にはおそらく、ショパンのエチュードが弾けるくらいのレベルに達している方が多い、ということだろう…
その昔、ザラフィアンツ先生が「ロシアのピアノを目指す子供は、10代前半で、チャイコフスキーのピアノコンツェルトを弾けるよ」と言われて、すごくびっくりしたことがある。まぁ、ロシア人は体格も大きいし、特別なんだろうなぁと思っていたが、まさに日本もその勢いで頑張っている子供さんの多いのに、本当に驚いた。
○○年前を振り返ると、私は(前にも書いたかもしれないが)中学1年の秋に、初めて芸大の先生に聴いていただき、その時がツェルニー40番の20番で、バッハは2声のインベンションしかやっていなかった。
で、先生から「かなり遅れているから、これからはどんどん曲を進めていきましょう」と言われ、それからおよそ2年間、毎週テクニック類は1週間に5曲づつ(ツェルニー40番、50番、60番、クレメンティのグラドゥスアドパルナッスム、ケスラー、モシュコフスキー、クラーマービューローなど全曲)、バッハは3声と平均律全曲、そして曲はあまり進まなかったが、一応古典からロマン派くらいまで、毎日2時間くらいは練習時間を確保した。
ただ1週間でその量のテクニックを弾きこなすには、コツがあって、レッスンの終わった日に5曲の譜読みをなんとかやって、2,3日目におよそまちがえずに弾いて、後半2日でほぼ暗譜をしてテンポにのせて弾けるようにしていたと思う…
とはいえ、今考えると「たった2時間?」って思えるかもしれないけど、中学生が部活に入らなくても、学校から帰ってきて、夜9時頃までに2時間毎日とるのは振り返ると一番大変だったように思う。
芸高の場合は、国立だから勉強もできないといけない、というので、試験の結果や通知表はいつもピアノの先生に見せなければならなかったし…まぁ、幸いなことにその頃の私は勉強が好きだったから、一応埼玉県内で一番の女子高に入れるだけの学力はあったんだけど、入試の国語や英語はそれより、難しかったなぁ…
~なんてちょっと、自分の思い出話になってしまいましたが…
なぜ、ここで今日はこんなに書いたかというと…
ときどき、うちの生徒さんで、受験やコンクールを希望する方がいますが、それにしてはまだまだ「甘い!」という方もたくさんいて…
普通の方よりはできる、くらいでは音大受験は無理です
ましてや、ピアニストを目指したい方は、全国に山のようにいる、と考えても過言ではないかも
このところ、全国で1年間に開催されるピアノのコンクール(有名なものからそうでないものまで)の数は急激に増えている。だから、たとえ1つのコンクールで良い成績を修めたとしても、それはほんの一部に過ぎず、目指せるとは限らない…
もともとの素質(リズム感などのソルフェージュ能力や運動神経など頭の回転具合、集中力)と音楽的体験の豊富さ(環境など)プラス、どんな時もたえず練習できる我慢強さ、やる気、素直さなど全てが整って、そしてたえず努力し続けられれば目指せるのでは?~と昨日は、そんなことを考えながら、みなさんの演奏を聴いていた…
まだまだ、余裕のある方、これからでも気持ちを入れ替えて頑張りましょう
全力をかけて1つのことをやるのは、とても気持ちの良いものです