歌庭 -utaniwa-

“ハナウタのように:ささやかで、もっと身近な・気楽な庭を。” ~『野口造園』の、徒然日記。

霙勝ちに揺れる

2010年03月09日 | 徒然 -tzure-zure-
 「さむい。」


   *

まさか、というか、
やはり、というか。

また その言葉を、ついうっかり漏らしてしまう日が、来ようとは。。。




「マフラー要らん」「セーター要らん」「コートも要らん」
なんて
おちおち油断してたら、いかんかったです。。。
「寒い」は まだ、
粘り強く残っています。


この前「気温20度になった!春来たー!」と 驚き半分、喜んでいたら、

今日
この雪。



ふつうに雨かと思ったら、
ふつうに雪。


今。東京の夜の街には、
みぞれがちな雪が。

ビシビシ、降っています。

ぴちゃぴちゃ、降っています。


窓全開にして、その音に、聞き耳をたてながら。





ときたま、

「ドズン!」

って、

たぶん 屋根に積もった雪が いきなり落下するその衝撃音が、
木造のこの家を びくっと、揺さぶります。
その都度、
ドキッとします。
けっこう、劇しい重量感。

「ズドン!!」って、

けっこう 心臓に悪い、衝撃音です。





あの、
しんしん、、、とした、

音も無く 静かに積もる 乾いた冬のやわらかい雪の
なんとなく恐ろしくもある 冷めた風情が
このみぞれには あまり感じられないせいか、

しんみり、しない。

ただただ、
ぴちゃぴちゃ、ぴちゃっぴちゃ、

ただただ 降り続ける、みぞれの音。


ぴちゃぴちゃ、ちゃぴちゃぴ、

春に もう少し成りきれない、
雨にも なんとなく成りきらない、

静かなような、静かでないような、音。


そして、
ときおり

「ズドン!!」






しかし、

まだまだ こうして、
寒い日が続くのかしらん。ちょっと、もう、イナフ。。

「春が来た!」と、何度書いたか。そして、何度即日、裏切られたか;

なかなか、粘ってくれますなあ。。。

もう勢い、コロッと、手のひら返してくれないなあ。。。

「春さんどーぞー!あとはよろしくごきげんようさよなら!じゃ!」
って。そしたらもう、よろこんで手を振るよ。


あたたかさと 寒さと
行ったり来たりする この妙な季節に。
解っていても、
やっぱり、右往左往してしまう。

「季節に翻弄されて居る。」
と、思う。




だけど、
ひとつ 慰みポイントなのは:

“確かに、冬のあの寒さとは、あきらかに、違うな。”
ってところ。


確かに、
もう 春に足を突っ込んでいるのは、
間違いない。

確かに
あの冬まで逆戻りはしないのも、
間違いない。


うん。確かに。
もう
“冬”では、無いよな。



かといって、

まだ、れっきとした“春”でも、無いような。。。


もし そばに山のある田舎だったらば、
雪残る山に さっと行って、それで、“フキノトウ”の芽吹いたのでも見つけたら、もう、
「いや、まちがいなくもう、断固として、春です。」
って、すっかり肚をくくれる気がするのだけど。


揺らぐのは、都会の所為?

自分の所為?


ううん、、、まあいいか。


何かの所為にするくらいなら、そして “ないものねだり”するくらいなら、
しっかり目を開いて、
今・現在の自分に与えられた 身の回りにすでにある恩恵を、
しかと、刮目すべし!



要するに、

微妙にゆれる時季なんですなあ。






 しばし 沈思。






もうちょっとかな。このみぞれが止んで、
明日はまた、あたたかくなると言う。


今、深夜に、窓を開け放っているけれど、

、、確かに。
寒くは、ない。


ふつうに、なんか、
大丈夫かもしれない。


確かに、もう、
あれほど寒くは、ない。



、、確かに。







、、ああまた!


「ズドンッ!!」
って。

家が揺れた。


雪が落っこちた。









*omake*



(これは、この前お茶の稽古で 特別にお土産で頂いた、
 金沢の「行松旭松堂(ゆきまつきょくしょうどう)」という有名な老舗お菓子屋さんの、
 有名なお菓子だそうな。御銘は、「雪花糖」。)
 ↑
※最初、店名、御銘もろとも「忘れちゃった;」って書いてたのを、調べ直して、修正。

copyright (c)

Copyright (c) 2009-NOW "uta-niwa" <by ngch-zoen> All Rights Reserved.