じわじわと、雪どけてゆく。
水色の空、陽の光りに、雫がきらきら揺れながら、ポタポタ。
目を細めると、虹が混じる。
雪がとけるにつれて現れる、
河津桜の花、甘いピンク色。
白梅の凛とした顔、
松の緑。
濡れたミズゴケの香り。
あたたかい春の光。
庭の向こうに、雪をかぶった森のもこもこした、山の背景。
昨日の雪は、ご褒美だったんだなあ。
、って気になる、
それほどに、キラキラしていて、
どれだけ荒んでいようと、
どれほどうがって見ようとも、
どうしても、
「綺麗だなあ。」
そんな、光景。
うっとりしてしまう。
そんな光景に、全身全霊、包まれている事態に。
その下で、
コケのじゅうたんに、しゃがみ込み、
所々に紛れ込む小さな春雑草を、抜きとる。
どんどん、
じゅうたんは完璧になってゆく。
ふわふわのみどり。
こけのやわらか。
鳥がさえずり歌う。
頭の中でまわる音楽。
そんな、
至福のひと時。
*