わたし、長年ここでマクロを教えてきていつも思うのが、
VBAを勉強してる人の(教える側の人も)、その多くの
人達が陥ってしまう間違いの大基が、これにあるのだと
考えています。
すなわち、それこそが
「マクロ上級者」「VBA上級者」その根本的な違い、
それが分かっていない点にあるということです。
要するに、
「マクロがバンバン作れる人」と、
「VBAの言語にただ詳しい人」と、
この両者は、根本的に違う人であるわけです。
これ、サッカー選手で例えると、
「メッシやロナウド」と
「リフティングの世界チャンピオン」
その違いみたいなものですね!
(ちょっと、例え方が難しかった(!?)ですかね。笑)
で、この読者の皆さんの中にも、
既に受験したことのある方や、いづれは受験してみようと
思ってる人もあるかとは思いますが、
それは、オデッセイコミュニケーションズ社という所で
やっている、あの「VBAエキスパート試験」というものに、
如実に表れてると思います。
当講座で実施する「マクロ検定」は、明らかに前者の
「マクロがバンバン作れる人」(サッカー選手で言えば
バンバン点の取れるメッシやロナウド)を目指してやって
いるわけですが、
その「VBAエキスパート試験」の場合には、後者の
「VBAの言語にただ詳しい人」(サッカー選手で言えば、
リフティングはうまいけど試合では活躍出来ない人。)
を目指してやっている。(と思われます。)
だからよく、せっかく就活などで一生懸命に
「VBAエキスパート試験」の勉強をして合格したとしても、
自分の履歴書にそれは書けない(もし書いてしまったら
入社後に大変な事になると自分自身わかっている・・・。)
世間でよくそう言われているのは、その為ですね。
一方、当講座の「マクロ検定」の場合は、実際にマクロが
作れる人でないと、決して合格は出来ない出題内容と
採点方法とになっています。
両方受験した経験のある人であれば、この違いは如実に
ご理解いただけているかと思いますが、それはそもそも
両者の目指すところがまったく、違うわけです。
ちょっと話は変わりますが、
先日、信州で知り合った元市役所職員だった人と
ちょっと話をしていまして、私が名刺を差し出すと
「実は、私もマクロは組めます。」
「けど、私なんか幼稚なVBAしか書けませんよ。」
と、その人は私にそう言ったんです。
その人のマクロは、「幼稚なVBA?」です。(笑)
けれど、
その人が現役の市役所職員だった頃に色々作ったという
数々のマクロは、今でも近隣のいくつかの市町村役場内
で、大変重宝されて使われているそうです。
その「幼稚なVBA?」しか書けないと言う元市役所職員
の人は、明らかに「マクロの上級者」ではありませんか?
読者の皆さん、どう思います?
役場というのは、同じ名称の部署なら大体どこでも同じ
ような仕事をしてる(!?)思いますから、その人の作った
マクロは自分の働く職場だけでなく、近隣の市町村の
知り合いにも配って回ったんだそうです。
で、それらは大変喜ばれて自分が退職した今でも重宝
されてあちこちの役場で使われているとの話です。
「幼稚なVBA?」しか書けない(高度なVBAの書き方を
知らない)その人は、けっして「VBAの上級者」ではない
とは思いますが、
じゃあ、それはマクロの「初級者」なのでしょうか?
いいえ、その人は明らかに「マクロの上級者」である
と、私は思います。
その人が作るマクロは、「幼稚なVBA?」で書かれた
「高度なマクロ」なのです。
自分も含めて、人々に役立つ便利なマクロがどんどん
「幼稚なVBA?」で作れる人、それこそが本来の意味
での「マクロの上級者」であるに他ならない思います。
高度な(難しい書き方をした)VBAが「高度なマクロ」
なのでは、決してないわけです。
違いますか?
それで、私が15年間ここでマクロを教えて来て知り
合った「マクロの上級者」の人達いいますのはほぼ
その殆どが同様に、
「幼稚なVBAで高度なマクロを作れる人」
言い替えれば、
「幼稚なVBAであるが為に、便利なマクロ
が量産できる人」
であるわけです。
以前にも書きましたが、人間ちょっと慣れてくると
どうしても見栄を張ってかっこよく高度で難しい
VBAのコードを書こうと背伸びをします。幼稚な
コードを書くのは恥ずかしい思ってしまうわけです。
一方、そのような見栄を張らないタイプの人は、
VBAの勉強に極力時間を使わないで幼稚なコードを
書いてマクロ作りの出来る人です。
一たび、そのような高度なVBAにこだわってしまうと、
どうしても本質ではない枝葉にばかり捕らわれて、
それに多大な勉強時間を使ってしまい、肝心なマクロ
を作るという為の勉強に、時間を使えなくなって
しまうというわけです。
高度なVBAの書き方をマスターしようとすれば、それ
相当な勉強と時間を要するわけですが、そんな見栄を
張らずに幼稚なVBAで書く人いうのは、それに時間を
浪費せず、マクロの処理を考えることに多くの時間を
使っている人であるわけです。
見た目は幼稚なVBAコードでも、ガンガンそれで
マクロが作れて実務に便利なものがつぎつぎと
組めてしまういうのが、真の「マクロの上級者」であり、
それに高度なVBAは全く必要ないわけです。
「幼稚なVBAでしか書けないマクロの上級者」と、
「幼稚なマクロしか作れないVBAの上級者」と、
あなたなら、このどちらを目指したいですか?
私が15年間教えて来た結論から言うと、
この両者は決定的に時間の使い方が違うわけです。
時間の使い方、それに尽きる思います。
見栄を張って高度なVBAをマスターしようと、その
枝葉に捕らわれてしまった人は、多大な時間をそれ
に奪われますので、けっして「マクロの上級者」
には到達できない!言いますのが、長年の私の経験
からの確かな結論になっています。
見え張る人は、時間の使いどころが悪いのです。
必要以上のVBA勉強は、ただの「時間喰い虫」にしか
なりません!
日々仕事で忙しく、勉強する時間の限られるビジネス
マンにとって「時間喰い虫」の存在いうのは、ほんと
致命的ですからね。
それは、何も上級者に限らず、初心者でも中級者も
まったく同じです。時間の使いどころが重要である
点は、何の勉強をするのでも一緒ですね。
以上、「マクロの上級者」と「VBAの上級者」
その決定的な違いはお解りいただけましたでしょうか?