ご参加お待ちしております。
先手番大山先生の手を考えます。
第1問
この図から攻め始めます。
A 68飛 B 46角 C 65歩
第2問
ここまでが攻めの構想です。
A 77金 B 68飛 C 24歩
第3問
ここからは作ったような手順です。
A 53同飛成 B 34桂 C 54金
今日の棋譜20201130
昭和29年6月、花村元司先生と名人A級選抜勝継戦です。
花村先生の先手で相掛りです。
よくありそうな局面ですが
22角成同銀88銀というのは珍しい指し方です。
桂を跳ねて
86歩から銀冠に組むのかと思えば、もう一つ上の85歩。
でも銀冠を目指すのかなあと思えば、
65歩同歩46角。最初からのねらいだったかどうかわかりませんが、まあまあ手になっていそうです。92飛なら利かし、73銀は65桂で駒得、73桂75歩92角は難しいです。
大山先生の73角が堅実な受けのようですが、64歩を打たれて怪しいです。65桂があるので
83飛の一手に86銀
さて花村先生は攻め切れるでしょうか。44歩36歩43金に65桂
82角に68飛というのがなるほどで、先手の作戦勝ちです。
ただ作戦勝ちから攻めつぶすというのも難しいもので、この75歩には同歩74歩でしょうか、歩切れになるのでそれから何をねらうべきか。
54歩74歩と取り込めれば先手有利になった感じがします。あとはどこかを食い破れば優勢になります。
大山先生の55歩同角54金というのは
先手の角筋を止めようというのですが疑問手です。
桂を交換されて46桂は痛いです。これで駒損が避けられないでしょう。
65金はちょっとびっくりしますが、花村先生の77歩は冷静です。
74桂の銀取りに65飛
金銀を取り合って68金で後手を引き、43銀で34桂を防がれます。これでまだ難しいのかなあというところですが
55飛に大山先生の53飛は勝負手なのでしょうが、悪手になりました。
花村先生は34桂同銀と捨てて飛を交換し
53同玉53歩成が王手角取り。後手玉も危険ですし、大山先生の投了となりました。
花村先生の奇襲戦法ですが、再現は難しいでしょうか。かなり後に米長先生の角頭歩戦法に似たような攻め筋が出てきます。角交換してあるので後手が63銀型を目指すのが普通ですが、かえって隙ができやすいのです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.44 棋譜ファイル ----
開始日時:1954/06/24
手合割:平手
先手:花村元司8段
後手:大山名人
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 8四歩(83)
3 2五歩(26)
4 8五歩(84)
5 7八金(69)
6 3二金(41)
7 2四歩(25)
8 同 歩(23)
9 同 飛(28)
10 2三歩打
11 2八飛(24)
12 3四歩(33)
13 1六歩(17)
14 1四歩(13)
15 7六歩(77)
16 8六歩(85)
17 同 歩(87)
18 同 飛(82)
19 2二角成(88)
20 同 銀(31)
21 8八銀(79)
22 8二飛(86)
23 7七桂(89)
24 7二銀(71)
25 8五歩打
26 6四歩(63)
27 8七銀(88)
28 7四歩(73)
29 6六歩(67)
30 4二玉(51)
31 6五歩(66)
32 同 歩(64)
33 4六角打
34 7三角打
35 6四歩打
36 8三飛(82)
37 8六銀(87)
38 4四歩(43)
39 3六歩(37)
40 4三金(32)
41 6五桂(77)
42 8二角(73)
43 6八飛(28)
44 6二歩打
45 7五歩(76)
46 5四歩(53)
47 7四歩(75)
48 5五歩(54)
49 同 角(46)
50 5四金(43)
51 2八角(55)
52 5五歩打
53 7三歩成(74)
54 同 桂(81)
55 同 桂成(65)
56 同 飛(83)
57 4六桂打
58 6五金(54)
59 7七歩打
60 7四桂打
61 6五飛(68)
62 8六桂(74)
63 6八金(78)
64 4三銀打
65 5五飛(65)
66 5三飛(73)
67 3四桂(46)
68 同 銀(43)
69 5三飛成(55)
70 同 玉(42)
71 6三歩成(64)
72 投了
まで71手で先手の勝ち