先手番大山先生の手を考えます。
第1問
飛か角を取られます。
A 37飛 B 35飛 C 11と
第2問
駒得ですが後手の攻めも厳しいです。
A 68銀 B 87玉 C 45角
第3問
ノータイムで飛びつくと失敗します。
A 54角 B 52銀 C 34角
第4問
先手玉は詰めろです。
A 59同銀 B 57銀直 C 57銀右
先手番大山先生の手を考えます。
第1問
飛か角を取られます。
A 37飛 B 35飛 C 11と
第2問
駒得ですが後手の攻めも厳しいです。
A 68銀 B 87玉 C 45角
第3問
ノータイムで飛びつくと失敗します。
A 54角 B 52銀 C 34角
第4問
先手玉は詰めろです。
A 59同銀 B 57銀直 C 57銀右
今日の棋譜20211103
昭和37年2月、升田幸三先生と早指し王位戦第3局です。
大山先生の先手で矢倉です。
5筋を突き合う矢倉のほうが(大山先生にとって)珍しいですが
大山先生の早繰り銀はもっと珍しい手です。急戦矢倉は升田先生のほうが得意ですし。
升田先生は雁木で3筋を受けます。
3筋は制圧されるでしょうが、銀を引いておけば大きな被害はないでしょう。
大山先生は3筋から抑え込むのではなくて、端に目を向けています。雀刺しも升田先生の得意戦法ですが。
升田先生は角を転回して45歩、
19香には逃げられている形ですが、馬を作れば駒得です。(持ち歩があるので1歩損は数えません。)対して大山先生は39金で我慢。これは振り飛車で出てきそうな手筋ですね。実は相居飛車で経験したのを振り飛車で応用したのでしょうか。
55歩に14歩同歩13歩、端攻めは後手玉が41なので効果は薄そうですが。
升田先生は22金と受けることもできましたが、44銀右同銀同銀、ねらいは27銀から先手の飛を追いかけようというのでしょう。大山先生は46角とぶつけにくい形なのでどう指すか難しいです。
28銀18馬14香、28銀はもったいないですが、後手から27銀を打たれるのを避けたということなのでしょう。それでも27銀はありますし、22金と端を受けられても指しにくそうですが。
46歩同角45馬(46馬同歩47角があるので)
37銀56馬
48銀35歩、後の展開を見れば、この35歩がおかしいのかも。
12歩成と端を破ったのは大きいです。升田先生のねらいはこの27銀で
35飛に88歩を利かして
銀歩と飛の交換です。ただ先手玉は飛の打ち込みに弱いわけではないのです。38銀不成は勝負手になるのでしょうか。38同金に36飛で駒損を取り返す手
のはずが(53歩42金右38金に)67馬でした。36飛は両取りだけど52銀から攻められて寄せ合い負けでした。こうなると左右挟撃で、先手の12歩成がとても利いています。
52歩成同飛は少し得をしましたが、銀損しているのでしっかり受けられて悪いです。
34馬71角成
87歩78金73桂
35歩に78馬と切って、78同玉65桂。もう駒損を気にするところではありません。
45角77桂成同玉88歩成。88同玉とは取れないでしょうから攻め駒は4枚、勝負になりました。
大山先生は適当な受けもないので寄せ合いです。53歩同金65桂
54金53歩92飛。これで金が取れる、ではないですね。
34角79飛。この時の玉の逃げ方を間違ったのか。
88玉に76飛成は詰めろ。危ないようでも68玉のほうでしたか。
52歩成31玉78歩で詰めろを受けます。後手玉も危ない形ですが、飛金を渡さなければまだ詰まないです。升田先生は68銀や68金も候補ですが
87歩79玉65竜で詰めろ。駒を取りながらの詰めろで逆転した感触はあるのですが。
66歩同竜67銀打76桂、当然の手順に見えましたが、AIによると65歩に76桂で後手が有利だと。この形は後で76桂を銀で取られますし、66歩が残っていれば歩を打って受けることができなかったと。
とりあえず詰めろで
68歩に59銀も鋭いのですが、
59銀は取れなくても57銀右という受けがあったのです。升田先生は88歩成69玉を利かすこともできましたが、結局竜を逃げるのでは響きが薄くなりました。大山先生は21と同玉11香成同玉から28香という受けもありますし、
76銀88金69玉29竜、これでもまだ先手玉が詰めろになっていないのです。
43桂同金21と32玉22と同玉43馬という手順で詰めろ。桂馬を渡していますが、金桂のどちらかを合駒に使っても良いです。
48銀成に49桂
58成銀同玉38竜48金、駒を取られましたが
先手玉に詰みはありません。
14香に33銀まで。47銀を取られて詰めろになる形です。
大山先生の端攻めが甘かったはずなのですが、結局それが生きてしまいました。途中で端を無視するから、受けておいた方が良い、にスイッチするのが升田先生の心理的に難しいところでしょうか。ともかくなかなか良い将棋で、升田先生の休場からの復帰も希望を持てたというところでしょう。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.46 棋譜ファイル ----
開始日時:1962/02/06
手合割:平手
先手:大山名人
後手:升田幸三9段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 6八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(68)
6 4二銀(31)
7 4八銀(39)
8 5四歩(53)
9 5六歩(57)
10 6二銀(71)
11 2六歩(27)
12 3二金(41)
13 7八金(69)
14 4一玉(51)
15 6九玉(59)
16 7四歩(73)
17 5七銀(48)
18 5二金(61)
19 4六銀(57)
20 5三銀(62)
21 3六歩(37)
22 4四歩(43)
23 3五歩(36)
24 4三銀(42)
25 7九角(88)
26 3三角(22)
27 3四歩(35)
28 同 銀(43)
29 3八飛(28)
30 4三銀(34)
31 1六歩(17)
32 8五歩(84)
33 1五歩(16)
34 5一角(33)
35 1七香(19)
36 7三角(51)
37 6八角(79)
38 4五歩(44)
39 同 銀(46)
40 1九角成(73)
41 3九金(49)
42 5五歩(54)
43 1四歩(15)
44 同 歩(13)
45 1三歩打
46 4四銀(53)
47 同 銀(45)
48 同 銀(43)
49 2八銀打
50 1八馬(19)
51 1四香(17)
52 4六歩打
53 同 角(68)
54 8六歩(85)
55 同 歩(87)
56 4五馬(18)
57 3七銀(28)
58 5六馬(45)
59 4八銀(37)
60 3五歩打
61 1二歩成(13)
62 2七銀打
63 3五飛(38)
64 8八歩打
65 同 金(78)
66 3五銀(44)
67 同 角(46)
68 3八銀(27)
69 5三歩打
70 4二金(52)
71 3八金(39)
72 6七馬(56)
73 5二歩成(53)
74 同 飛(82)
75 5八銀打
76 3四馬(67)
77 7一角成(35)
78 8七歩打
79 7八金(88)
80 7三桂(81)
81 3五歩打
82 7八馬(34)
83 同 玉(69)
84 6五桂(73)
85 4五角打
86 7七桂成(65)
87 同 玉(78)
88 8八歩成(87)
89 5三歩打
90 同 金(42)
91 6五桂打
92 5四金(53)
93 5三歩打
94 9二飛(52)
95 3四角(45)
96 7九飛打
97 8八玉(77)
98 7六飛成(79)
99 5二歩成(53)
100 3一玉(41)
101 7八歩打
102 8七歩打
103 7九玉(88)
104 6五龍(76)
105 6六歩打
106 同 龍(65)
107 6七銀打
108 7六桂打
109 6八歩打
110 5九銀打
111 5七銀(48)
112 2六龍(66)
113 7六銀(67)
114 8八金打
115 6九玉(79)
116 2九龍(26)
117 4三桂打
118 同 金(32)
119 2一と(12)
120 3二玉(31)
121 2二と(21)
122 同 玉(32)
123 4三角成(34)
124 4八銀成(59)
125 4九桂打
126 5八成銀(48)
127 同 玉(69)
128 3八龍(29)
129 4八金打
130 4六桂打
131 同 歩(47)
132 4七銀打
133 6七玉(58)
134 1四香(11)
135 3三銀打
136 投了
まで135手で先手の勝ち