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20200113今日の一手(その960);相手の攻め駒の数

2020-01-13 | 今日の一手

20200113今日の一手

11月30日の名南将棋大会から、MさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

 

 

一昨日の一手の回答

(後手の45歩は持ち駒を打ってきたところです。)

☆ 形勢判断をします。

駒の損得はありません。

玉の堅さは先手のほうが堅いです。後手玉は一路遠いということはありますが。

先手の攻め駒は28飛88角で2枚。

後手の攻め駒は42飛を数えるかどうかで、厳密には0枚、実質は1枚です。

総合すれば先手もちです。

 

☆ 大局観として

後手の陣形が凝り型で、無理をしているなあという感じです。最大でも飛角桂の攻めなので、つぶれることはないのですが、弱点を突かれると崩れるということはあります。

読みに自信がなければ、後手の攻め駒を増やさないことです。少し妥協した順も考えてみます。

読みに自信があれば自然な順を読んでみます。リスクはあってもリターンが大きいかも。堂々と受けてみます。

後手の攻め駒は少ないのですから、局面を複雑化するよりも、単純化した方が受けやすいでしょう。

 

☆ 簡単なまとめ

読みに自信がない時は、後手に46歩を取り込ませて受けるのが簡明です。

46歩を飛で取りに行けるという確認をしてあれば良いです。

 

 

○ 自然な45同歩は

45同桂46歩39角

というのが後手の読み筋でしょう。これを否定できれば有利になります。38飛57角成45歩

馬を切られても先手陣に欠陥が生じないので駒得のほうが大きいです。

 

後手が38飛に57桂成でも39飛

これも大丈夫です。ということは後手の勇み足だった可能性が高いわけです。

 

後手Nさんが思い直したら45同歩に同飛です。

46歩25飛は少し嫌なので、37桂85飛56銀

45桂を防ぎ、44歩や48飛や後に35歩をねらって十分です。後手の攻め駒は1枚のままですね。

 

 

△ 実戦は35歩

桂頭をねらったのですが、局面は複雑化します。46歩56銀45桂

ねらった桂を逃げられてしまいました。角を交換して39角の筋は27飛で大丈夫なので、34歩くらいで何とも言えない局面だろうと思うのですが、24歩同歩22角成同銀

動き過ぎた感じがします。21角31銀24飛33角

カウンターを食らって、34飛99角成88銀同馬同玉33歩

二枚換えにされて思わしい攻め筋もなく、飛は死んでいるので敗勢です。

 

 

○ 56銀は

後手に46歩を取り込ませようという手です。そこで何を指すかを選べるのですが、44歩が抑え込みの手です。

先手は歩切れになっていますが、48飛~46飛もありますし、41飛37桂42銀35歩同歩26飛

として46飛~34歩を目指すのが働いている手順です。

 

 

○ 37桂と跳ねて

46歩56銀とするのは、最初に56銀46歩37桂とするのと同じことです。41飛に35歩同歩26飛

44歩を打っていないのですぐに34歩を打てます。後手が桂損を回避するには24歩の一手。24同飛36歩はわからなくなるので、34歩25桂45桂

桂の跳ね違いがぴったりした感じです。中央に跳ね違えば有利になることが多いものです。88角成同銀(同玉もある)42銀

66角でも十分ですが、46飛として37角49飛28角成(が甘いけれど)33桂成

と進めば優勢です。

 

途中26飛ではなくて34歩

強く攻めてみると、36歩33歩成37歩成22と同銀

歩3と角の交換ですが、と金を作られているので駒得とは言い切れません。44桂も打てるので悪くはないはずですが。

 

 

△か○ 48飛は振り飛車のような感覚です。

後手から46歩を取ってもらって持久戦になると

33桂が負担になるので作戦勝ちだろうと。

 

後手が金を繰り出せば

45歩54金35歩

これはカウンターが決まりそうです。

 

 

△ あとは何か待っている手ですが、68銀にしておきます。

46歩56銀41飛44歩

結局は44歩を打って35歩同歩26飛というような展開です。

 

☆ まとめ

後手の攻め駒が少ないから無理だろうという大局観があれば、堂々と45同歩です。ただし後手の角桂も働いてくるので、45同歩同桂46歩39角の図で自信がなければなりません。

ここでは後手の42飛は攻め駒ではないので2枚だけの攻めですが、38飛で攻めを切らせられるという読み(あるいは強い感覚)が無ければ指せません。

 

おとなしいようですが56銀46歩44歩

歩切れでも(駒損です)飛で46歩を取れそうなので、これでも十分なのです。後手の攻め駒がありませんね。

何かあると怖いのですが、後手の攻め駒が少ないということが関係しています。局面を見て直観的に大丈夫だと思っても、攻め駒の数を確認して裏付けを取るというのが重要でした。

 

 


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