今週末、モーニング娘。2006春ツアー新潟公演を観に行ってまいります。今年最初の娘。コンという事で楽しみです。
今年のツアーステージを観る前に、楽しかった昨年の春ツアーのうち、特に印象深い福井公演の思い出などを綴って振り返ってみたいと思います。
大垣行き夜行鈍行「ムーンライトながら」をまだ空の暗い名古屋で降りた私は、岐阜県の山間の町樽見、滋賀県の琵琶湖のほとりの町長浜、と途中下車を楽しみながら、福井駅に14:28に着いた。
ライブは明日なので今日は福井市には寄らず、越美北線(えつみほくせん)というローカル線に乗って、越前大野という町を目指す。盆地の町大野は、越前の小京都と言われている所。たった一両の越美北線の車両には、学校帰りの高校生が何人も乗っている。特に女の子の姿が多いのだけど、話す言葉が訛りキャラ愛ちゃんの福井弁そのものなので、目を閉じて聞いていると周りに何人もの「高橋愛」がいるみたいな気分になる。
田んぼの中を走っていた列車が、そろそろ山の中へと入って行きそうな車窓になった頃、越前東郷という駅で列車は終点となってバスに乗り換えさせられた。台風の影響でこの先の線路が崩壊しているためなのだそうだ。福井県に入ってから小雨まじりだった空が、やや強い雨に変わって来た駅前を小走りでバスに乗り換え、時々崩れたガードレールを見ながら道路をゆく。
20分ほど走って美山という町に着いた。雪山が迫ってきて寒くなってきたが、雨は止んだ。美山から再び列車に乗り換え、19分で16:04越前大野到着。
大野の町に来るのは二回目。小さな盆地に寺社が点在している。寺の並ぶ小道を歩いていると、以前来た時の記憶が蘇る。市内の中心部は細い石畳の道になっていて、そこに庇の長い古びた商店が建ち並ぶ。道の向こうの小山には城が見えた。
何軒かあった旅館のうち、なんとなく良さ気な旅館を選んで電話して無事予約成立。荷物を旅館に置いてから再び、町歩きを始めたのだけれど、小雨が降ってきたので少し早い夕食をと思い、蕎麦屋で手打ちおろし蕎麦と福井名物ソースカツ丼のミニ丼セットを食べる。
店を出ると雨が強くなってきたので町歩きは止め、田中の名がつく店で大野の地酒「花垣」の吟醸を買い、清水の名がつく手作りパン屋でパンを買って旅館に戻る。地酒を飲みながら、先ほど書店で買ってきた汽車旅紀行文の第一人者宮脇俊三さんの「鉄道廃線跡の旅」を読む。福井県の事を書いた話の章を読みながら、モーニング娘。のアルバム「愛の第6感」を聴く。
大野の夜は、静かに過ぎていった。明日はいよいよ娘。福井公演。
今回のBGM テンダーレイン / 高井麻巳子