先日、AKB48の口パクについて「生歌は大事です」というタイトルで書かせていただきました。私は「神曲たち」は持っているし(新品格安未開封での入手ではありますが)、結構好きな曲もある。2010年の総選挙ガイドブックを買った事はこのブログでも書きました。好きなメンバーは?と聞かれたら、少し前までは(渡り廊下走り隊が好きなので)渡辺麻友さんと答えていましたが、最近は高橋みなみさんと答える事にしました。彼女はグループを愛していると感じますし、歌手志望で、聞くところによるとAKBのシングルで聞こえてくる歌声は高橋みなみさんの歌声を前面に押し出しているのだそうです。私はてっきり前田さんかと思っていたので、背が低いのに結構低い声出るんだなと感心していたりします。
高橋みなみさん以外にもAKBにはソロ歌手になりたいメンバーは居るだろうし、AKBの曲にプライドを持っているメンバーもいる事でしょう。私はだからこそ「口パクは良くない」と先日書きました。歌っているフリをするという事はお客さんを騙している行為であり、テレビを見て「AKBって踊りながらあんなに歌えてカッコイイ」と思っている人達(主に子供達)の気持ちを踏みにじっている行為である。私はそう言い切ります。
そして、何より「歌手になりたい。歌が大好きだ」というメンバーは、自分に嘘をついている姿をテレビカメラの前で晒している事になる。これは推測でしかないけれど、高橋みなみさんのようなソロ歌手希望なメンバーは内心は悔しい気持ちで歌番組に出ているのではないでしょうか? 自分の歌声を生で伝えられないのですから。
私が不思議なのはAKBヲタの人達が「口パクなんてやめてくれ!コンサートで口パクなんてバカにしてる」と怒ったりしないところです。私の知らないところでAKBヲタが口パク議論をしているのかもしれませんが、今までにそういう口パク批判はあまり見た事がありません。「別にいいじゃん。そもそも生歌で歌ったって、それを聴いてくれる人が少なければ意味ないし」という論点のズレた、要するに「多数派の論理」みたいな答えばかりを見かけます。
アイドルの魅力は別に歌だけでないという意見はわかります。ハロプロヲタが歌やダンスに固執し過ぎる、アイドルは色んな見せ方、楽しみ方がある。それは確かです。
でも、歌を歌っている時は「歌手」なのです。「アイドル歌手」です。
AKBに限った話ではないのですが、自分が好きなアイドル、好きなジャンル、好きな人、好きな物に対して、あまりに無批判的な人が最近目立ちます。少なくとも、ネット上で他者を批判している人はそういうタイプの人が多いと思います。
ハロプロヲタがあまりに口うるさいというか、いちいち楽曲の出来に一喜一憂したり、髪型やメイクにダメ出ししたり、そういう文句をつける人が他所より多いからそう見えるのかもしれませんが、他のアイドル、特にAKBは自己批判をするタイプの人が少ない印象です。この場合の自己は自身とAKBについてです。
【PV】 桜の木になろう ダイジェスト映像 / AKB48 [公式]
恋愛でもそうですが、好きになりたては良い部分ばかりが見えて悪い部分は見えにくい。そして、悪い部分が見えてもそれを見えないフリをしたり、悪くないと思い込む。多少の酷い仕打ちも、いやこれは自分の考え方が悪いのではないかと考えてみたりする。
全員が全員そうではないというか、程度の差があるけれど、好きな人には採点が甘くなるのは誰にでもある事。だから、ヲタが自分の好きなアイドルに寛容な態度をとってしまうのは仕方がない事ではあります。でも、少しだけ冷静になって、悪い部分は改善してほしいと素直に思える気持ちを持つ事も大切かなと思います。
それでも、「口パクは悪くない」というのなら、まあ仕方がありません。「騙す、騙される」という概念は、第三者からは理解出来ない心理関係の上で成り立っている事は、別に珍しい事ではないのですから。