アイドルは旬が短い。人によって感じるピークは違うだろうけれど、そのピークは決して五年以上も続くようなものではない。しかし、だからこそ輝きは美しいのだろう。
その儚いアイドルの輝きの瞬間を絶妙なパッケージでシステム化したグループがいる。大手事務所アミューズに所属する「さくら学院」である。さくら学院は小等部、中等部によって構成されている。すなわち高校生は所属していない。中学卒業とともにグループも卒業となる。学校コンセプトを取り入れたアイドルグループなのである。
年齢制限が付いている事で、儚きアイドルの瞬間を巧く切り取り、見せる事に成功しているのだ。限られた時間をメンバーとファンが共有する事で、活動に対する思い出はより鮮やかで濃いものになっていく。
「成功」そう書きました。さくら学院は売上的には他のアイドルたちに比べたら少ない。何故ならば握手会をやらないというコンセプトで活動しているからです。
メンバー一人一人の夢や目標は色々ある。でも、学校であるさくら学院の名の下に一つにまとまって、そこで日々成長していくためのステップを踏んでいる。その中に部活もある。
BABYMETAL - ド・キ・ド・キ☆モーニング[ Doki Doki☆Morning ](Edit ver.)
先月、BABYMETALのライブを観てきました。BABYMETALとは、さくら学院の部活動(つまりグループ内ユニット)の一つである重音部のグループ名。
ライブ会場の渋谷O-EASTは超満員。モニターから流れてくるナレーションによるとBABYMETALとは、大きな力と人数を持つ組織によって衰退した音楽界を、狐様の力を借りて甦らせるために誕生したユニットなのだそうです。
さくら学院はひたすら爽やかに青春を表現するグループであるのに対して、BABYMETALはひたすら重低音で日常をリズミカルな言葉で振りまく。センターであり、メインボーカルである現さくら学院生徒会長中元すず香。BABYMETALではSU-METALという名前で呼ばれる彼女は、アクターズスクール広島の出身。あのPerfumeを生んだこのスクールは、モーニング娘。の鞘師ちゃんも出身。在籍時は「歌の中元。ダンスの鞘師」と言われていたなんて逸話もあるらしいほど、新世代実力派アイドルであります。その姿はひたすら凛々しく、両脇に従えるYUI-METALにMOA-METALの存在が、より一層にセンターに立っている彼女を神々しいまでに輝かせていた。彼女にかかれば激しいサウンドを奏でていたバックバンドさえもが、まるでお姫様に仕える執事にしか見えない。
BABYMETAL - いいね
ライブは60分程度だったけれど不思議と物足りなさはなく、生バンドの迫力とBABYMETALの可愛いクールな姿が巧く融合したそのステージには大きな拍手が送られていた。
さくら学院は基本的には恋愛ソングは歌わない。
さくら学院は握手会をやらない。水着にもならない。
私は何故BABYMETALが求められているのか?何故会場にこれだけの人が集まったのかは、このキーワードがありきだからであると感じている。
さくら学院こそアイドルなのかもしれないと。
BABYMETAL ヘドバンギャー!!