前回の記事にて取り上げたおニャン子クラブは名曲が多いというスレに書いてあったのですが、おニャン子クラブは女性アイドルに於いて歌謡曲ベースでないポップス的な作りのアイドルポップスの先駆者だそうです。勿論、おニャン子以前にも洋楽のカバーをしたり、アメリカンポップステイストな曲をリリースした女性アイドルはいたと思うのですが、曲の世界観として、歌謡曲的な作りではないアイドルというのは80年代後半から出てきたと言えそうです。
その後、その傾向をさらに強めたアイドルが、デビュー当初の持ち歌は洋楽のカバーが大半だった東京パフォーマンスドール。ダンスミュージックに特化した沖縄アクターズスクール系のアイドルが出てきます。
何かの雑誌に出ていたおニャン子クラブのディレクター氏のインタビューには、歌い手のレベルが素人に近いから、だからこそ楽曲は力を入れたとありました。制作スタッフが音楽番組経験者だったりした事もあり、音楽制作に於けるノウハウをよく知っていたという事もあるようです。
東京パフォーマンスドールの場合も、予算が少なくて持ち歌を外注出来ず、スタッフがレコード会社ではマイケルジャクソンを始め、洋楽の担当であった事が理由で洋楽のカバーになったのだと何かの記事で読んだ事があります。最終的には、洋楽のカバーの時の雰囲気を残したオリジナル曲になっていき、やがて小室哲哉氏を迎えたりします。
東京パフォーマンスドール CATCH!!
(個人的には、オリジナルナンバーであるこの曲以前の、カバー中心の頃の楽曲の方が好きです)
ハロプロというかモーニング娘。は初期は歌謡曲テイスト全開でした。ファーストアルバムである「ファーストタイム」を聴くとよくわかりますが、シャ乱Qを思わせる歌謡曲テイストな曲が多いです。シングルで言えば「抱いてHOLD ON ME」までは女版シャ乱Qと言えそうな情念の世界を表現していたように思います。
シャ乱Q自体が自らが、主役な映画に「演歌の花道」などというタイトルを付けるくらいですから、つんくPは歌謡曲や演歌に対してのリスペクトはあった事と思います。最初の内は自身が慣れ親しんだ世界でモーニング娘。を描いてきたという事なのでしょう。
モーニング娘。「抱いてHOLD ON ME!」
ところが年が明けて1999年になるとモーニング娘。は変化を見せます。ニューヨーク録音であり、アメリカ人スタッフも制作に参加している「MEMORY 青春の光」からは歌謡曲テイストは薄まりました。このシングルのC/W曲である「HAPPY NIGHT」は後のダンス☆マン編曲の一連の大ヒットシングルにも通じるファンキー路線。モーニング娘。は20世紀の終わりに近い頃、歌謡曲テイストではないアイドルの仲間入りを果たし、その後大ブレイクに繋がっていく道を築くのでした。
ベタな歌謡曲テイストなアイドルポップスは、それはそれで悪くない。最近だと真野恵里菜ちゃんがそういう方向性です。
しかし、アイドルヲタではない人を引き込むには、ワビサビ薄めで多少バタ臭い(苦笑)くらいのポップステイストが良いのでしょう。つんくPは以前インタビューで、バックの音は敢えて本格志向にしないのだと語っていましたが、それでも(良い意味で)アイドルポップスらしからぬ味が感じられるからこそ、かつてのモーニング娘。はアイドルヲタに留まらず幅広い層に楽曲がウケたのだと私は思います。そもそも、私自身がモーニング娘。にハマった当初、他に好きなアイドルはいませんでした(可愛いなと思うアイドルはいましたが)。
時代は廻る。流行も廻る。モーニング娘。がLOVEマシーンを大ヒットさせてから10年以上が過ぎ、現在人気女性アイドルとして君臨するAKB48は全体的に漂うテイストは少し歌謡曲風味。そして、「今のハロプロよりは良曲揃い」という評価が多い。
それでも一般的に見て、AKBが音楽面で評価が高いという事はなく、あくまで「人気アイドル」が歌う楽しいアイドルポップスという枠組みの中での売上。あまりAKBを音楽的な側面から語る読み物を見かけないのも当然なのかもしれません。
全盛期のモーニング娘。はヲタも、音楽ライターも、色んなところで楽曲が語られていました。現在のアイドルシーンは、語れるアイドルポップスが不足しているという訳です。ならば、今のハロプロに必要な要素の一つが、語りたくなるような音楽性ではないでしょうか? 何もマニアックな音楽をやれという訳ではありません。新曲が発表されたら色々な人達が色々な場所で語りたくなるような音楽を作ってほしい。そのためには、もう少し各グループ毎のカラーの違いを明確にしなくてはいけません。最近、そのカラー分けが出来ていたのはBuono!と真野ちゃんくらいでしょうか?
中途半端なマニアックさは本当のマニアにしか見向きもされないけれど、本格的なマニアックさは徹底すればするほどマニアではない人もその徹底ぶりに足を止めやすくなるような気がします。
その後、その傾向をさらに強めたアイドルが、デビュー当初の持ち歌は洋楽のカバーが大半だった東京パフォーマンスドール。ダンスミュージックに特化した沖縄アクターズスクール系のアイドルが出てきます。
何かの雑誌に出ていたおニャン子クラブのディレクター氏のインタビューには、歌い手のレベルが素人に近いから、だからこそ楽曲は力を入れたとありました。制作スタッフが音楽番組経験者だったりした事もあり、音楽制作に於けるノウハウをよく知っていたという事もあるようです。
東京パフォーマンスドールの場合も、予算が少なくて持ち歌を外注出来ず、スタッフがレコード会社ではマイケルジャクソンを始め、洋楽の担当であった事が理由で洋楽のカバーになったのだと何かの記事で読んだ事があります。最終的には、洋楽のカバーの時の雰囲気を残したオリジナル曲になっていき、やがて小室哲哉氏を迎えたりします。
東京パフォーマンスドール CATCH!!
(個人的には、オリジナルナンバーであるこの曲以前の、カバー中心の頃の楽曲の方が好きです)
ハロプロというかモーニング娘。は初期は歌謡曲テイスト全開でした。ファーストアルバムである「ファーストタイム」を聴くとよくわかりますが、シャ乱Qを思わせる歌謡曲テイストな曲が多いです。シングルで言えば「抱いてHOLD ON ME」までは女版シャ乱Qと言えそうな情念の世界を表現していたように思います。
シャ乱Q自体が自らが、主役な映画に「演歌の花道」などというタイトルを付けるくらいですから、つんくPは歌謡曲や演歌に対してのリスペクトはあった事と思います。最初の内は自身が慣れ親しんだ世界でモーニング娘。を描いてきたという事なのでしょう。
モーニング娘。「抱いてHOLD ON ME!」
ところが年が明けて1999年になるとモーニング娘。は変化を見せます。ニューヨーク録音であり、アメリカ人スタッフも制作に参加している「MEMORY 青春の光」からは歌謡曲テイストは薄まりました。このシングルのC/W曲である「HAPPY NIGHT」は後のダンス☆マン編曲の一連の大ヒットシングルにも通じるファンキー路線。モーニング娘。は20世紀の終わりに近い頃、歌謡曲テイストではないアイドルの仲間入りを果たし、その後大ブレイクに繋がっていく道を築くのでした。
ベタな歌謡曲テイストなアイドルポップスは、それはそれで悪くない。最近だと真野恵里菜ちゃんがそういう方向性です。
しかし、アイドルヲタではない人を引き込むには、ワビサビ薄めで多少バタ臭い(苦笑)くらいのポップステイストが良いのでしょう。つんくPは以前インタビューで、バックの音は敢えて本格志向にしないのだと語っていましたが、それでも(良い意味で)アイドルポップスらしからぬ味が感じられるからこそ、かつてのモーニング娘。はアイドルヲタに留まらず幅広い層に楽曲がウケたのだと私は思います。そもそも、私自身がモーニング娘。にハマった当初、他に好きなアイドルはいませんでした(可愛いなと思うアイドルはいましたが)。
時代は廻る。流行も廻る。モーニング娘。がLOVEマシーンを大ヒットさせてから10年以上が過ぎ、現在人気女性アイドルとして君臨するAKB48は全体的に漂うテイストは少し歌謡曲風味。そして、「今のハロプロよりは良曲揃い」という評価が多い。
それでも一般的に見て、AKBが音楽面で評価が高いという事はなく、あくまで「人気アイドル」が歌う楽しいアイドルポップスという枠組みの中での売上。あまりAKBを音楽的な側面から語る読み物を見かけないのも当然なのかもしれません。
全盛期のモーニング娘。はヲタも、音楽ライターも、色んなところで楽曲が語られていました。現在のアイドルシーンは、語れるアイドルポップスが不足しているという訳です。ならば、今のハロプロに必要な要素の一つが、語りたくなるような音楽性ではないでしょうか? 何もマニアックな音楽をやれという訳ではありません。新曲が発表されたら色々な人達が色々な場所で語りたくなるような音楽を作ってほしい。そのためには、もう少し各グループ毎のカラーの違いを明確にしなくてはいけません。最近、そのカラー分けが出来ていたのはBuono!と真野ちゃんくらいでしょうか?
中途半端なマニアックさは本当のマニアにしか見向きもされないけれど、本格的なマニアックさは徹底すればするほどマニアではない人もその徹底ぶりに足を止めやすくなるような気がします。