とぎれとぎれの物語

瀬本あきらのHP「風の言葉」をここで復活させました。小説・エッセイをとぎれとぎれに連載します。

思いがけない絵が・・・

2012-12-13 23:13:21 | 日記
思いがけない絵が・・・






 これは以前紹介した「相馬港」と題する油彩画である。制作は1999年と記してある。作者名はここでは一応伏せておく。画面のサインでは判読できないと思う。右側の船が「東栄丸」である。オークションに出ていた。売却代金の中から被災地への寄付金を出すということで、私は購入した。
 中央の木造の小屋がアクセントになっている。水平線を眺めていると、今にも津波が押し寄せてくるような気持ちになり、この穏やかな眺めが束の間の幻に思えてくる。この日、この画家も漁港の関係者も将来の悪夢を想像だにしていなかったと思う。
 ところでここでこうして停泊していた数隻の船はどうなったのであろうか。名前がはっきりしているのは右側の「東栄丸」だけである。沖に流されていても奇跡的に見つかるということもありはしないか。いや、だめだろう。
 もし、この船のことに関する情報が分かれば、持ち主が判明する手がかりとなる。私は未だその努力をしていない。・・・いや、どうしてもできないのである。
 もし、持ち主が判明すれば、持ち主、もしくは漁業関係者にこの絵を謹んで送呈したい。ほんとうにそう思っている。この絵は今玄関に掲げている。(ここまで再掲)


 私は初めて美術館の中に入りました。坂本学芸員が案内してくれました。仙女さんの出雲の阿国の舞台姿は風格があり、他の作品を圧倒していました。

 こうして間近で見ると、すごい迫力ですね。舞台人の気迫が伝わってきます。

 50号では物足りないようでした。100号を描きたかったのですが、何しろ狭くて・・・。

 そうですか。仙女さんのスケールの大きさを表すためにはそのくらいでも足りなかったでしょうね。

 大きければいいというものではありませんが、美術館では100号くらいの作品が欲しいです。

 天井が低いし、壁面も限りがありますからね。しょうがないですね。

 京子さん夫婦の作品も輝いて見えますね。

 温かい感じがいいですね。技術的にも次第にレベルアップしています。

 他の芸能人のお方の作品もそれぞれ個性が感じられます。

 これだけ集めている美術館は他にありません。美術関係の出版社からの取材依頼が数件来ています。

 そうですか。・・・では、奥の作品も見させていただきます。

 どうぞ。

 あれ、・・・これは・・・。

 ええ、そうです。畝本さんの・・・。

 どうしてここにあるのですか。

 えっ、ご存知なかったですか。奥さんが持って来られたんですが。

 いや、全然知らなかったですね。

 私はてっきりご相談の上でと・・・。

 いや、知りませんでした。

 確か笙子さんに頼まれたとか・・・。

 笙子さん・・・。

 そうです、確か。

 どうしてだろう。

 いや、これでいいです。今年は・・・ほんとに大変な年でした・・・。

 募金箱もここに・・・。

 これも笙子さんが・・・。

 そうです。

 よかった、よかった。・・・いや、これでいいです。これも素晴らしい。私は詳細に詮索しないようにしようと思いました。
 
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