とぎれとぎれの物語

瀬本あきらのHP「風の言葉」をここで復活させました。小説・エッセイをとぎれとぎれに連載します。

麗華の祖父

2013-07-12 05:17:40 | 日記
麗華の祖父



 高畠華宵作「男装の麗人(仮称)」
 私は、子どもの頃、華宵の挿絵が好きだった。表情仕種に個性があり、さわやかな色香を感じていた。

 笙子さんが目出度く男児出産、母子ともに健康。そういう知らせが冴子さんから届きました。よかった、これで氏神様の宮司の世継ぎができた。私は一人で我がことのように喜んでいました。郁子さんからのお祝いの電話もあったようで、いよいよこれから新生劇団、日本の舞台劇を背負って立つ大劇団が動き出す。そういう予感に身震いしていました。その後で古賀さんから電話があり、市川麗華の祖父のことについて初めて知ることになりました。

 ・・・それで、その、麗華さんのお祖父さん、里見大三郎と言うお方だけれどね。元新国劇の俳優だったらしいよ。

 へえー、俳優がオーナーに・・・。

 ま、その点の事情はよく分からないけれど、なかなかの人物らしいよ。市川翠園のパトロンで、いやね、変な意味のパトロンじゃないみたいだけれど、人脈がすごいらしい。今まで劇団を背負って立っていた・・・。

 ええ、よく分かりました。それで、今度の劇団の統合ということとの関係は・・・。

 世間は仙女劇団が吸収されたらしいという噂を立てているらしいけれど、実は、対等合併ということらしいね。

 対等、それが理想的ですね。

 喜多川さんが上に立ちたかったんじゃないかと思っていたんだけど、彼はそういう野心ははないらしい。で、仙女さんと相談の結果、統合後のオーナーに里見さんを二人で推したらしい。・・・里見さんは最初は辞退したらしい。でも、日本の演劇界の実情を考えて、引き受けたらしいよ。

 私は、会ってないからよく分からないけれど、里見さん、やってくれそうな感じがします。

 私も同感。その方次第で、二つの劇団が「プラス」の形で動くのか「カケル」の形で動くのかが決まってくると思う。

 そうですね。湖笛が第三極の立場になって、ますます重要になってきますね。

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