「華龍」初舞台
京都南座は「出雲阿国が1603年(慶長8年)の春、京・四条河原で阿国かぶきを創始したことが歌舞伎の起源とされるが、その歌舞伎発祥の地で悠久400年近くに亘る今日まで歌舞伎を上演しているという意味で、日本最古の歴史と伝統を持つ劇場と言われる。現在も歌舞伎を中心にした公演を行っており、特に毎年11月末日から12月末まで行われる吉例顔見世興行は京都の風物詩となっている。このときには役者の名前を勘亭流で書いた「まねき」と呼ばれる、白木の看板が劇場の入り口上にずらりと並べられることで有名。」(「Wiki」)
新阿国座の事務局長をしている娘婿の三朗から電話がありました。新阿国座発足のお披露目と中村華龍の襲名披露を兼ねた公演の第一報でした。京都南座を選んだのは出雲阿国が京都で舞台人としてデビューしたことに因んだものだと聞いていました。
ああ、お義父さんお久しぶりです。お元気でしたか。
まあ、何とか。・・・長柄さんと見回り隊をやってるよ。この前全部回ったけど、みんなに却って励まされたよ。
見回り隊ですか。ああ、彩湖の会ですね。へえー、たくさん集まったんですね。これからが楽しみですね。
それぞれ道は違うけれど、いずれ頭角を現す逸材ばかりが揃ったよ。
お義父さん、私に出来ることがありましたら、遠慮なく仰ってください。
ありがとう。あ、ご免、私の話ばかりで・・・。
いやあ、お元気で安心しました。・・・で、公演のことですけれど、郁子さん、いや、華龍さん、立派なデビューでした。お披露目の口上の舞台は、お母さんの中村仙女と合併する相手の一枚看板の市川翠園の間に華龍が座っていました。私は、その位置関係から新阿国座は華龍に相当期待しているという印象を受けました。満場の観客に深々礼をして、両側から先ず合併の経緯、これからの抱負などが簡潔に説明されました。それから、初々しい声で華龍お披露目の口上が始まると、会場がにわかに盛り上がり、「華龍」コールが響き渡りました。どう言いますか、私もたくさん舞台を見ていますけれど、新人に対して観客がこんなにエールを送る舞台は初めてです。嬉しかったと思います。声が急に明るくなりました。心なし涙声のような感じでした。・・・よかったです。これで新阿国座は認知されたと実感しました。
そうか、そうか、お母さんも心の中で泣いていたんじゃないかと思う。
そうだと思います。・・・それからの舞台は三人、いや、麗華も加えて四人が中心となって、阿国の念仏踊りが披露されました。息の合ったいい舞台でした。それから歌舞伎風都踊りも披露されました。女歌舞伎の流れですから全体に華やかな舞台でした。間に男衆も入れた舞台もありました。・・・新しい劇団が立派に立ち上がりました。
そうか、そうか・・・。私は先日の沈んだ気持ちが消えていくのを感じていました。
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京都南座は「出雲阿国が1603年(慶長8年)の春、京・四条河原で阿国かぶきを創始したことが歌舞伎の起源とされるが、その歌舞伎発祥の地で悠久400年近くに亘る今日まで歌舞伎を上演しているという意味で、日本最古の歴史と伝統を持つ劇場と言われる。現在も歌舞伎を中心にした公演を行っており、特に毎年11月末日から12月末まで行われる吉例顔見世興行は京都の風物詩となっている。このときには役者の名前を勘亭流で書いた「まねき」と呼ばれる、白木の看板が劇場の入り口上にずらりと並べられることで有名。」(「Wiki」)
新阿国座の事務局長をしている娘婿の三朗から電話がありました。新阿国座発足のお披露目と中村華龍の襲名披露を兼ねた公演の第一報でした。京都南座を選んだのは出雲阿国が京都で舞台人としてデビューしたことに因んだものだと聞いていました。
ああ、お義父さんお久しぶりです。お元気でしたか。
まあ、何とか。・・・長柄さんと見回り隊をやってるよ。この前全部回ったけど、みんなに却って励まされたよ。
見回り隊ですか。ああ、彩湖の会ですね。へえー、たくさん集まったんですね。これからが楽しみですね。
それぞれ道は違うけれど、いずれ頭角を現す逸材ばかりが揃ったよ。
お義父さん、私に出来ることがありましたら、遠慮なく仰ってください。
ありがとう。あ、ご免、私の話ばかりで・・・。
いやあ、お元気で安心しました。・・・で、公演のことですけれど、郁子さん、いや、華龍さん、立派なデビューでした。お披露目の口上の舞台は、お母さんの中村仙女と合併する相手の一枚看板の市川翠園の間に華龍が座っていました。私は、その位置関係から新阿国座は華龍に相当期待しているという印象を受けました。満場の観客に深々礼をして、両側から先ず合併の経緯、これからの抱負などが簡潔に説明されました。それから、初々しい声で華龍お披露目の口上が始まると、会場がにわかに盛り上がり、「華龍」コールが響き渡りました。どう言いますか、私もたくさん舞台を見ていますけれど、新人に対して観客がこんなにエールを送る舞台は初めてです。嬉しかったと思います。声が急に明るくなりました。心なし涙声のような感じでした。・・・よかったです。これで新阿国座は認知されたと実感しました。
そうか、そうか、お母さんも心の中で泣いていたんじゃないかと思う。
そうだと思います。・・・それからの舞台は三人、いや、麗華も加えて四人が中心となって、阿国の念仏踊りが披露されました。息の合ったいい舞台でした。それから歌舞伎風都踊りも披露されました。女歌舞伎の流れですから全体に華やかな舞台でした。間に男衆も入れた舞台もありました。・・・新しい劇団が立派に立ち上がりました。
そうか、そうか・・・。私は先日の沈んだ気持ちが消えていくのを感じていました。
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