「民衆を導く自由の女神」ドラクロア作(1830年) ルーヴル美術館
この絵はあまりにも有名すぎて、説明のしようがない。ただ原題は「民衆を導く自由」だそうである。どうして日本では「女神」が付いたのか。当時自由という概念が定着していなかったからであろうか。私はこういう絵は分かりすぎて掲載するのに気恥ずかしさを感じる。色彩の面での配慮、動きのある構図。とまれ、ドラクロア作品を代表する傑作である。
司祭が帰ってきましたので、私は急に落ち着かなくなりました。司祭は庭の奥の祠に入ると、儀式のためにしばらく出てきませんでした。私は、朝食の片付けをすばやく終えて、お茶の準備をしておきました。・・・しかし、待てよ、今日の司祭の顔は何か思いつめているような感じだったなあ。私はそう思って、少し不安になっていました。私は、座卓に揃えたお茶の道具をじっと見つめていました。すると、司祭が居間にもどってきました。
あっ、ありがとうございます。・・・司祭は私の前に座りました。私は、お茶を注ぎました。
私は、貴女をどう呼んだらいいでしょうか。
私の名前ですか。・・・ないです。今までどおりでいいですよ。
今までどおり ?
あら、忘れたんですか。
・・・。
母さん。母さんでいいですよ。
母さんと呼んでたんですか。
そうですよ。貴方が以前急にそう仰った・・・。
そうでしたか。母さんですか。
照れくさいなら、・・・茅乃でもいいですよ。
茅乃さんですか。じゃ、これからそう呼ばせていただきます。
お茶、おいしかったです。じゃ、失礼します。
茅乃さん、もう帰るんですか。
ええ、お勤めが終わりましたので・・・。
茅乃さん。
何でしょうか。
何か、心配事でも・・・。
心配事 ?
何だか思いつめているような・・・。
貴方には関係のないことです。
出来ることなら、何でもします。
貴方にはできません。いや、頼めません。
貴女が、・・・もうここに来なくなってしまうような・・・。
ははっ、そういうことはありません。
ごまかさないでください !!
・・・そうですか。そう仰るなら・・・。これから戦いが始まります。
ど、どこで・・・、どんな・・・。
貴方にだけお話ししますが、神の世界です。・・・私の住処は天上です。そこに、異形の神たちがたくさん出てきました。続いて起きる地上の暗い事件はその神たちの仕業だと思います。
私も戦わせてください。
地上のお方は天上では戦えません。
連れて行ってください。
お気持ちはありがたいです。しかし、天上に昇るには一旦死なねばなりません。
私は、私は、貴女といっしょに戦いたい。
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