友達に教えてもらって「契橋」高田郁作を読みました。2023年8月に発行されたらしいのですが、人気本で図書館で予約してやっと回ってきました。「あきない世傳金と銀」の特別巻です。五十鈴屋5代目店主惣次が消息を絶ってからのいきさつが書いてあったのでよくわかり面白かったです。惣次は商才があり、妻の幸を愛していたにもかかわらず、幸の商才に嫉妬して家出する羽目になりました。その後惣次は江戸で銭両替商、井筒屋の婿養子になっていました。嫁の雪乃は幸とは正反対で病弱でしたが、結婚後、雪乃の良さを見出す惣次でした。雪乃は「風」の微妙な違いや名前をよく知っています。
「花信の風」ー春先に花が咲くのを教えてくれる風
「茅花流(つばなながし)」ー湿気をふくみ、雨の伴うことの多い南風
「貝寄風(かいよせ)」ー季節風の名残の風
「春疾風(はるはやて)」ー春に激しく吹き起こる風
雪乃は色弱ですが白い色はわかります。惣次は庭に小米花を植えます。小米花とは雪柳のことで、白い花で風に揺れます。雪乃はその花を見て惣次の優しさと風を感じるのでした。
後半は五十鈴屋江戸本店のその後が書かれていました。旧知の仲の五十鈴屋の登場人物。再会できて嬉しいです。最後まで読んで気が付きました。何と、こちらの本は上で下があるそうです。それでまた図書館に予約を入れましたが100人以上待ちです。楽しみが続くのでゆっくり待ちます。
2024-11-10(日) 図書館資料 請求番号:913/B/タカ